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森とイノシシと奴隷商人
念願の梅干しです
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クロマ君とイブに仲人を頼まれた翌日。
あたしはロウ、翡翠さん、ナクアちゃんと一緒に森へ入ってアマミズ探し……をしようと思ったのですがね。
「見事にアチコチ荒らされてるな」
「雑食のイノシシが大量に押し寄せていましたから仕方ありません」
日本でもこういう被害がニュースにまでなっていましたからね……
ある意味当然の結果という奴でしょう。
「ま、だから緑を大量に集めて来たんでしょ?」
幸いこの世界には植物の成長を早める緑の水晶があります。
掘られた地面を埋めると同時に魔力を通した緑を埋めれば元通りになるでしょう。
……かなり時間が掛かりそうですが、それは仕方ないですね。
こんな事ならもう少し人手を集めておくべきでした。
「うん、だからちょっと手伝ってくれる?」
「ヒィー!」
「キュアお姉ちゃん、このシカさんが埋めるのを手伝ってくれるって言ってるよー!」
確か日本だと野生の鹿は害獣指定されていた筈ですが……この世界では違いそうですね。
っていうか、鹿ってヒィーと鳴くんですね……初めて知りました。
鹿のお陰で荒らされた土地をピンポイントで修復出来て、昼過ぎにはアマミズも生えて来ました。
デストさんから聞いてはいましたが本当に見た目はアマヅルみたいですね。
これでようやくアマミズの水を集められます。
「……所でキュア、これはどうやって集めるんだ?」
……完全に失念してました。
よく考えたら搾り方を全く知りません。
「この植物はハイドラ様の世界にはないからね……私も解らないや」
「シカさんも解らないって言ってる!」
仕方ないので村に戻ってジャムを売っている人にでも聞いてみましょう。
売っているなら買うのもアリですかね?
「おお、あのイノシシが掘った穴だらけの森を直してくれたのか!それならお礼に何本でもやるぞ?」
ジャム屋のオジサンに聞いてみたら無料で5本も頂けました。
これで当分甘い物には困りません。
ついでだしジャムも幾つか買っておきましょう……
自分で作れなくはないですがアマミズの水は貴重ですからね。
それに1度ジャム煮というのを作ってみたいですし。
「あるのはリンゴ、イチゴ、オレンジか……ならイチゴジャムが、ってこの琥珀色のジャムは?」
「そいつは森の中央でしか取れないウメという実で作ったジャムでな……ジャムなのに酸味が強過ぎるせいか余り売れないんだよ、実際買ってくれるのはジャムを発明したスミスの兄ちゃんだけだしなぁ」
ウメ……梅あったぁ!?
この村中探してもなかったから諦めていましたがまさか森の中央にあるとは……
っていうかデストさん、知ってたなら教えて下さいよ!
「その、梅は食べたりしないのか?」
「ああ、そのままだと味や匂いはいいんだが必ず腹を壊すからな……ジャムにすれば安全に食えるが酸味が強くなるせいで売れないし、かといって放置してると腐って森が臭うしで困ってる」
ふむ、どうもこの世界の人達は酸味が苦手な人が多い様ですね。
リンゴも甘い物ばかりだし、オレンジも酸味はあっても甘味の方が強いですし。
レモンも甘く味付けしないと食べないそうですからね……まあ妊婦の方が好むとかでよく売れていますし、レモン果汁で作ったマヨネーズはアトラさんの好物になっていますが。
それはさておき、梅が好きな日本人としては何とかしてあげたい所なのですが……おや?
「……オジサン、この店にはお酒も置いてある様ですが」
「ああ、妹が酒職人と結婚してな……店の隣にある酒蔵から出来立てのを並べてるんだ」
お酒を売るのに資格が必要ないらしく、更に職人の知り合いが居るならば好都合!
「この白い粉末状の物は何ですか?」
「それはアマミズの水を更に煮詰めてたら出来た物でな、砂糖みたいな甘味があるがそれより安くしてるぞ」
液体では美味しく作れないからどうしようかと思いましたが……これなら何とかなりますね。
本当なら氷砂糖を使いたい所ですが、この世界にはありませんし作り方も知りません……まあ粉末状でも量さえあれば何とかなります。
「今から梅を使った新しい商品を教えます、上手く行けば売り上げが増えますし梅の処理も出来ますよ」
「……詳しく聞きたい所だが、何が目的なんだ?」
「よく熟れた梅の実を1袋頂きたいだけですよ」
それで梅干しを作って食べるのです。
朝食に、おにぎりの具に、お粥のお供に、梅干しは欠かせませんからね。
「さて用意するのは大きめの樽に酒精の強いお酒と梅、それとオジサンの店に置いていたアマミズの粉です」
「あんた、あの噂になってるラーメンプリーストだよな……料理の腕は確かだろうけど梅で何を作ろうってんだ?」
何ですかそのラーメンプリーストって二つ名は!?
いや、ラーメンを売っているプリーストって意味ならその通りなんですが。
まあいいです、今は梅を入手するのが先決。
「まずよく洗って水気を切って、ヘタを取った梅を樽に敷き詰めて、その上にアマミズの粉をタップリ入れて……その上にお酒を摘めるのです」
母方の祖父が好きだとかで何度か作り方を聞いていたのが役に立ちました。
日本ではホワイトリカーで作るのが一般的だそうですが日本酒やウイスキー、ジンにウォッカで作っても美味しいと聞きましたし……それなら焼酎でも出来るでしょう。
因みに祖母は祖父の誕生日にだけ出すとかで、梅酒で仕込んだ梅酒なんて物も作っていました。
どんな味だったのかを知れないままだったのが口惜しいですね……成人したら自分で作って飲んでみましょう。
「……よし、本来はこのまま3から6ヶ月ほど寝かせるのですが今回は魔法で省略しましょう、【ジャンプ】」
……うん、梅の甘い香りがしてきましたね。
色も良い仕上がりになりましたが味見する訳には行きません……あたしはまだ未成年ですし。
なのでオジサン達にお任せします。
「どれ……これは美味い!」
「ああ、あんなに入れたアマミズの甘味が、かえって梅の酸味にピッタリと釣り合っている……そうか、ウメのジャムの酸味が強過ぎるなら更に甘味を足せば良かったのか!」
おっと、思わぬ形の助言になってしまいました。
あたしはただ梅の処理に困ってるなら梅酒にすればどうかな?というだけの考えだったんですが。
まあ梅ジャムが美味しくなるなら黙っておいた方が良さそうですね。
「その1樽に使ったのは1キロ2ハウトのアマミズの粉およそ20ハウト分、お酒は1樽550ハウト、それに梅を集める手間と寝かせる間の人件費等を合わせて……1瓶28ハウトが妥当と思いますが」
因みにアプさんから聞いた話では普通の焼酎は1瓶20ハウトが相場らしいです。
「……本当に梅を1袋でいいのか?」
「それ以上は出立する時に運び切れませんからね」
更に言えばあたしとロウしか食べないでしょうから。
ボリアに行けばデストさんも食べるでしょうけれど。
「でもそれ作るの、ジャンプがないと時間掛かるんじゃ?」
「大丈夫だ、俺は無理だがウチのカミさんはヒーラーだからな……暫くは魔法で作って、その間に時間を掛けて作るさ」
時間を失念してましたが奥さんはヒーラーだったんですね……
あ、詳しく書いたレシピも渡しておきますよ。
さて、梅を頂けましたし明後日には出立するのでさっさと作ってしまいましょう。
完熟の梅、塩、アプさんから貰った焼酎を入れていた小型の樽、蓋が付いた陶器の壺、ザル……全部揃ってますね。
赤紫蘇なんかもあれば良かったのですが、青紫蘇ですら翡翠さんが1度見つけたきりですし、赤いハーブはあってもやたらと辛いから梅干しには使えません。
なので今回はいわゆる白干にします。
梅の実を洗って水気を切って、ヘタを取ったら塩と交互に樽へ隙間なく摘めて……と。
ここで焼酎を霧吹きするとカビの防止になりますがこれは焼酎の樽ですから省いて良いでしょう。
蓋をして重石を乗せたら梅酢が上がるまで短縮ジャンプを掛けて、潰さない様に取り出したら水洗いをして……梅酢は瓶に摘めて料理に使います。
ザルに並べたら天日に晒しながら短縮ジャンプ、破れない様に裏返しにして更に短縮ジャンプ、後は壺に摘めて涼しい所でまた短縮ジャンプ……よし。
今更ながら普通に作ると4ヶ月近く掛かる物が僅か2時間足らずで出来るとは……早く食べたかったから有難いんですけど。
「ロウ、出来ましたよ……味見しますか?」
「勿論するぞ」
「でしたら私も!」
最近は大人しかったサーグァ様(分体)まで食い付きましたか……まあ本体がここまで来ていたのが理由なんでしょうけれど。
あたしも1粒……酸っぱ!
久しぶりの梅干しの味……この酸味がたまりませんね。
減塩とか蜂蜜漬けとか色々ありますが、やはり梅干しは大量の塩で漬けた物に限ります。
熱中症の対策にもなりますし。
「ふぅ……これは毎朝米が食いたくなっちまうな」
「コカちゃんが当番だとパンになりますがね……それに旅の最中は朝から米を炊く暇がありませんよ」
基本的に手早く作れて急いで食べられる料理になりがちですし。
「まあ、パンの時は梅ジャムでも使うさ」
そういえば結局梅ジャムも無料で頂いてしまったんでした。
後オマケでアマミズの粉も貰いました。
「何故でしょうか……この酸味が癖になりそうで怖いです」
サーグァ様のお気に召した様で何よりです……
でも食べ過ぎは毒になりますからね。
因みに夕食でこの梅干しを皆さんに食べて貰いましたが予想通りほぼ全員が苦手だと仰りましたよ。
意外だったのはナクアちゃんとピーニャは美味しいと言った事ですが……
これならもう少し多く貰っても良かったかもですね。
あたしはロウ、翡翠さん、ナクアちゃんと一緒に森へ入ってアマミズ探し……をしようと思ったのですがね。
「見事にアチコチ荒らされてるな」
「雑食のイノシシが大量に押し寄せていましたから仕方ありません」
日本でもこういう被害がニュースにまでなっていましたからね……
ある意味当然の結果という奴でしょう。
「ま、だから緑を大量に集めて来たんでしょ?」
幸いこの世界には植物の成長を早める緑の水晶があります。
掘られた地面を埋めると同時に魔力を通した緑を埋めれば元通りになるでしょう。
……かなり時間が掛かりそうですが、それは仕方ないですね。
こんな事ならもう少し人手を集めておくべきでした。
「うん、だからちょっと手伝ってくれる?」
「ヒィー!」
「キュアお姉ちゃん、このシカさんが埋めるのを手伝ってくれるって言ってるよー!」
確か日本だと野生の鹿は害獣指定されていた筈ですが……この世界では違いそうですね。
っていうか、鹿ってヒィーと鳴くんですね……初めて知りました。
鹿のお陰で荒らされた土地をピンポイントで修復出来て、昼過ぎにはアマミズも生えて来ました。
デストさんから聞いてはいましたが本当に見た目はアマヅルみたいですね。
これでようやくアマミズの水を集められます。
「……所でキュア、これはどうやって集めるんだ?」
……完全に失念してました。
よく考えたら搾り方を全く知りません。
「この植物はハイドラ様の世界にはないからね……私も解らないや」
「シカさんも解らないって言ってる!」
仕方ないので村に戻ってジャムを売っている人にでも聞いてみましょう。
売っているなら買うのもアリですかね?
「おお、あのイノシシが掘った穴だらけの森を直してくれたのか!それならお礼に何本でもやるぞ?」
ジャム屋のオジサンに聞いてみたら無料で5本も頂けました。
これで当分甘い物には困りません。
ついでだしジャムも幾つか買っておきましょう……
自分で作れなくはないですがアマミズの水は貴重ですからね。
それに1度ジャム煮というのを作ってみたいですし。
「あるのはリンゴ、イチゴ、オレンジか……ならイチゴジャムが、ってこの琥珀色のジャムは?」
「そいつは森の中央でしか取れないウメという実で作ったジャムでな……ジャムなのに酸味が強過ぎるせいか余り売れないんだよ、実際買ってくれるのはジャムを発明したスミスの兄ちゃんだけだしなぁ」
ウメ……梅あったぁ!?
この村中探してもなかったから諦めていましたがまさか森の中央にあるとは……
っていうかデストさん、知ってたなら教えて下さいよ!
「その、梅は食べたりしないのか?」
「ああ、そのままだと味や匂いはいいんだが必ず腹を壊すからな……ジャムにすれば安全に食えるが酸味が強くなるせいで売れないし、かといって放置してると腐って森が臭うしで困ってる」
ふむ、どうもこの世界の人達は酸味が苦手な人が多い様ですね。
リンゴも甘い物ばかりだし、オレンジも酸味はあっても甘味の方が強いですし。
レモンも甘く味付けしないと食べないそうですからね……まあ妊婦の方が好むとかでよく売れていますし、レモン果汁で作ったマヨネーズはアトラさんの好物になっていますが。
それはさておき、梅が好きな日本人としては何とかしてあげたい所なのですが……おや?
「……オジサン、この店にはお酒も置いてある様ですが」
「ああ、妹が酒職人と結婚してな……店の隣にある酒蔵から出来立てのを並べてるんだ」
お酒を売るのに資格が必要ないらしく、更に職人の知り合いが居るならば好都合!
「この白い粉末状の物は何ですか?」
「それはアマミズの水を更に煮詰めてたら出来た物でな、砂糖みたいな甘味があるがそれより安くしてるぞ」
液体では美味しく作れないからどうしようかと思いましたが……これなら何とかなりますね。
本当なら氷砂糖を使いたい所ですが、この世界にはありませんし作り方も知りません……まあ粉末状でも量さえあれば何とかなります。
「今から梅を使った新しい商品を教えます、上手く行けば売り上げが増えますし梅の処理も出来ますよ」
「……詳しく聞きたい所だが、何が目的なんだ?」
「よく熟れた梅の実を1袋頂きたいだけですよ」
それで梅干しを作って食べるのです。
朝食に、おにぎりの具に、お粥のお供に、梅干しは欠かせませんからね。
「さて用意するのは大きめの樽に酒精の強いお酒と梅、それとオジサンの店に置いていたアマミズの粉です」
「あんた、あの噂になってるラーメンプリーストだよな……料理の腕は確かだろうけど梅で何を作ろうってんだ?」
何ですかそのラーメンプリーストって二つ名は!?
いや、ラーメンを売っているプリーストって意味ならその通りなんですが。
まあいいです、今は梅を入手するのが先決。
「まずよく洗って水気を切って、ヘタを取った梅を樽に敷き詰めて、その上にアマミズの粉をタップリ入れて……その上にお酒を摘めるのです」
母方の祖父が好きだとかで何度か作り方を聞いていたのが役に立ちました。
日本ではホワイトリカーで作るのが一般的だそうですが日本酒やウイスキー、ジンにウォッカで作っても美味しいと聞きましたし……それなら焼酎でも出来るでしょう。
因みに祖母は祖父の誕生日にだけ出すとかで、梅酒で仕込んだ梅酒なんて物も作っていました。
どんな味だったのかを知れないままだったのが口惜しいですね……成人したら自分で作って飲んでみましょう。
「……よし、本来はこのまま3から6ヶ月ほど寝かせるのですが今回は魔法で省略しましょう、【ジャンプ】」
……うん、梅の甘い香りがしてきましたね。
色も良い仕上がりになりましたが味見する訳には行きません……あたしはまだ未成年ですし。
なのでオジサン達にお任せします。
「どれ……これは美味い!」
「ああ、あんなに入れたアマミズの甘味が、かえって梅の酸味にピッタリと釣り合っている……そうか、ウメのジャムの酸味が強過ぎるなら更に甘味を足せば良かったのか!」
おっと、思わぬ形の助言になってしまいました。
あたしはただ梅の処理に困ってるなら梅酒にすればどうかな?というだけの考えだったんですが。
まあ梅ジャムが美味しくなるなら黙っておいた方が良さそうですね。
「その1樽に使ったのは1キロ2ハウトのアマミズの粉およそ20ハウト分、お酒は1樽550ハウト、それに梅を集める手間と寝かせる間の人件費等を合わせて……1瓶28ハウトが妥当と思いますが」
因みにアプさんから聞いた話では普通の焼酎は1瓶20ハウトが相場らしいです。
「……本当に梅を1袋でいいのか?」
「それ以上は出立する時に運び切れませんからね」
更に言えばあたしとロウしか食べないでしょうから。
ボリアに行けばデストさんも食べるでしょうけれど。
「でもそれ作るの、ジャンプがないと時間掛かるんじゃ?」
「大丈夫だ、俺は無理だがウチのカミさんはヒーラーだからな……暫くは魔法で作って、その間に時間を掛けて作るさ」
時間を失念してましたが奥さんはヒーラーだったんですね……
あ、詳しく書いたレシピも渡しておきますよ。
さて、梅を頂けましたし明後日には出立するのでさっさと作ってしまいましょう。
完熟の梅、塩、アプさんから貰った焼酎を入れていた小型の樽、蓋が付いた陶器の壺、ザル……全部揃ってますね。
赤紫蘇なんかもあれば良かったのですが、青紫蘇ですら翡翠さんが1度見つけたきりですし、赤いハーブはあってもやたらと辛いから梅干しには使えません。
なので今回はいわゆる白干にします。
梅の実を洗って水気を切って、ヘタを取ったら塩と交互に樽へ隙間なく摘めて……と。
ここで焼酎を霧吹きするとカビの防止になりますがこれは焼酎の樽ですから省いて良いでしょう。
蓋をして重石を乗せたら梅酢が上がるまで短縮ジャンプを掛けて、潰さない様に取り出したら水洗いをして……梅酢は瓶に摘めて料理に使います。
ザルに並べたら天日に晒しながら短縮ジャンプ、破れない様に裏返しにして更に短縮ジャンプ、後は壺に摘めて涼しい所でまた短縮ジャンプ……よし。
今更ながら普通に作ると4ヶ月近く掛かる物が僅か2時間足らずで出来るとは……早く食べたかったから有難いんですけど。
「ロウ、出来ましたよ……味見しますか?」
「勿論するぞ」
「でしたら私も!」
最近は大人しかったサーグァ様(分体)まで食い付きましたか……まあ本体がここまで来ていたのが理由なんでしょうけれど。
あたしも1粒……酸っぱ!
久しぶりの梅干しの味……この酸味がたまりませんね。
減塩とか蜂蜜漬けとか色々ありますが、やはり梅干しは大量の塩で漬けた物に限ります。
熱中症の対策にもなりますし。
「ふぅ……これは毎朝米が食いたくなっちまうな」
「コカちゃんが当番だとパンになりますがね……それに旅の最中は朝から米を炊く暇がありませんよ」
基本的に手早く作れて急いで食べられる料理になりがちですし。
「まあ、パンの時は梅ジャムでも使うさ」
そういえば結局梅ジャムも無料で頂いてしまったんでした。
後オマケでアマミズの粉も貰いました。
「何故でしょうか……この酸味が癖になりそうで怖いです」
サーグァ様のお気に召した様で何よりです……
でも食べ過ぎは毒になりますからね。
因みに夕食でこの梅干しを皆さんに食べて貰いましたが予想通りほぼ全員が苦手だと仰りましたよ。
意外だったのはナクアちゃんとピーニャは美味しいと言った事ですが……
これならもう少し多く貰っても良かったかもですね。
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