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森とイノシシと奴隷商人
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アプさんの両親に絡まれた翌朝……
あたし、デストさん、姉さん、ラスカさんの4人で領主邸へ伺いましたよ。
ロウとアプさん、翡翠さんにアプさんの両親はコカちゃんとナクアちゃん、イブの護衛をお願いしましたよ。
目的は動物爆弾にされたイノシシの処理と、奴隷商についての話し合いです。
……何であたしまで話し合い参加する事になったのかが疑問なのですが?
正直あたしは頭より身体を使った方が役に立ちますよ……勿論性的な意味ではなく。
「よく来てくれたね……僕はエリオ、この地の領主で、皆さんの事は姉上から聞いているよ」
「エリオの妻、クシルと申します」
領主であるエリナ様の弟とその夫人が自らお出迎えとは思いませんでした。
王様と夫人以外では初めてまともな貴族に会いましたね……エリオ様は王様の義弟にあたるせいか貴族という気がしませんけれど。
ってこの思考は危ないですね、口には出さない様に注意します。
「それでキュア、といったかな……実は僕と妻は甘い物が好きなんだけど、以前姉上に出したというホットケーキという物を作って貰いたいのだが」
……あたしが呼ばれたのはそういう事ですか。
別に作るのは構いませんけれどね。
そんなこんなで人数分のホットケーキを焼いて、領主邸に抱えられてる料理人とメイドさん達にレシピを渡してようやく話し合いが始まるのですが……
「「「2年前は大変申し訳ありませんでした!」」」
開幕早々ホットケーキに塗ったジャムで何かを思い出したらしいデストさん、ミラさん、姉さんの土下座から始まってしまいましたね。
そういえばずんだを作った時にミラさんがジャムについて話していましたっけ。
確かこの周辺のアマミズを狩り尽くす勢いで、とか。
「いや、君たちが教えてくれたレシピのお陰でジャムはこの村の名物になったからね……それにその時の売上全額を賠償金として頂いたし、もう気にしていないよ」
ちょっとエリオ様、懐が広過ぎではないですかね?
それにしても2年前はジャムがどれだけ売れたのか……気になりますね。
「とりあえず話を戻して……確かイノシシの処理と、奴隷商の確保に人手が欲しい、という話だったかな?」
「はい、奴隷商は根城すら解っていませんがイノシシの方は余り時間がないかと」
「奴隷商からの刺客を尋問致しましたが、根城については知らされてはいない様で……」
あのモザイクがなければ直視出来ない姿になっても吐かなかったという事は本当に知らなかったのですね。
「あなた、もしかしたらですが……奴隷商はイノシシが居た山に居るのでは?」
「成程……奴等も姿を隠せて、イノシシを確保して赤を埋めてから此方に送れる、一石二鳥の場所か」
「となるとこの周辺の山は……南、西、北東の3ヶ所に絞れますね」
「いや、北東の山は以前ダンジョンが出現したせいで一時期モンスターが溢れたからな……まだ動物も居座れない状態な筈だ」
「そっか……北東の山はデストの背中に傷を残した場所だったわね」
以外と近くにあったんですね、噂のダンジョンは……ん?
「ラスカさん、気付きましたか?」
「ええ、屋根に2人……ドアの前に3人、天井に5人……ドアの3人はメイドを人質にしていますね」
まだコツを教えて2日しか経っていないのに、そこまで物にしてしまうとは……
というかあたし、屋根と人質までは解りませんでしたよ。
「……ミラさんは屋根、キュアさんとラスカさんでドアを、私は天井の5人を相手にします、デストさんは他の皆さんの護衛を」
いくらマリー様とはいえ5人はキツいんじゃ……いえ、気にしている暇はなさそうですね。
マリー様が黄に魔力を込めて天井目掛けて投げた所でドアも開いた……戦闘開始です!
「【スロウ】3連打!」
「【気弾・三連】!」
おお……気弾がまるで意思を持っているかの如くメイドさんを避けて相手の顔面に!
怯んだ隙にメイドさんをデストさんに預けて、あたしとラスカさんが相手の鳩尾目掛けて正拳突きをお見舞いして、残った1人には2人で回し蹴りを当てて此方は終了です。
ほぼ同時に屋根から2人が叩き落とされた音が響き……マリー様の方はとっくに終わっておりました。
愛用の槍を持たずに5人を相手にしながらテーブルはおろか食器や花瓶といった装飾品すら無傷とは……恐ろしいですね。
「とりあえず奴等は詰所の牢に投獄したけど、情報を得るのは無理だろうね」
「屋根に居た奴等は鳥にこれを付けようとしていました、一応飛ばれる前に捕獲しましたが……」
小さく切って畳まれた紙……いわゆる伝書鳩みたいな物でしょうか?
一体何と書かれて……
【プリーストフタリ、ダイ8ショウ4、メイド7】
【ソノタ、キゲンギレ】
「どうやらキュアさん、ジェネさん、メイドさんの値踏みらしいですね……因みに奴隷商の評価は10段階らしいです」
何であたしは半分以下なんですかねぇ?
「私もジェネと同い年なんですがねぇ……そうですか私は期限切れですかフフフフフフ」
「嬢ちゃんもミラも落ち着け……」
あ、そういえば……
「ミラさん、その鳥はまだ生きてますか?」
「ええ、お昼に捌いて丸焼きにでもしようと思って捕まえていますが」
「ピー!ピー!」
活きが良い、球体になった鳩みたいな鳥ですね……確かに美味しそうですがまだ食べる訳にはいきません。
「その鳥から情報を吐き出させます、絞めるのはその後にして下さい」
そんな訳でテレパスでロウとナクアちゃんに呼び掛けて領主邸まで来て貰いましたよ。
「鳥さん美味しそー!」
「ミャー……(ジュルリ)」
「ピィッ!?」
「ほれ、知ってる事言わないと本当に喰われるぞ?……それとトウカ、俺の頭に涎を垂らすな」
さて、情報収集はナクアちゃんに任せるとして……ボカしながら説明しますか。
「ナクアちゃんには疎通という技能があった様で……動物と会話が出来るらしいのです」
「成程、従者となった時に神託があったのですね」
「まさか奴隷商も動物に居場所をバラされるとは思わないでしょうね」
神託で得た技能ではなく幻獣としての技能ですけどね……これは黙っておきましょう。
「では聞き出している間に……っ、う」
「ま、マリー様!どうなさいましたか!?」
まさか……さっきのアサシンに毒を?
「……大丈夫です、ちょっと吐き気が来ただけですから」
「吐き気って……熱はなさそうですから病気、という訳でもなさそうですが」
吐き気……病気ではない……ん?
「まさかマリー様……妊娠しているのでは?」
「……ええ、3ヶ月だそうです」
安定期にも入っていないではありませんか!?
何でそんな大事な時期に奴隷商の討伐なんかに参加しているのですか!
「正妻であるエリナ姉様よりも先に妊娠してしまい申し訳なかったのもありますが……今回の件は奴隷商が絡んでいると予測していて、何としても私の手で捕らえたかったのです」
そういえばマリー様は元奴隷でしたね……だからって無茶し過ぎですよ。
「最も、ミラさんと王様には見抜かれていましたけどね……デストさんとジェネさんを同行させてくれたのは私を心配しての事でしょう」
過剰戦力だなぁと思いきや、そういう事情があったのですね……
「ミラ、知ってたんなら何で言わなかったんだ?」
「それがマリー様のご命令でしたから……御免なさい」
いやミラさんが謝る事ではないのですが……
ですがマリー様の事だし奴隷商を捕まえるまで無理をするでしょうから……迅速な解決が必須になりましたね。
「鳥さんから色々聞いたよー!」
「ピィッ!」
何であの鳥はナクアちゃんの頭に乗っているのでしょうか?
「えへへ、お話してる間に仲良くなっちゃった!」
もしかしてナクアちゃんは従者よりもテイマーに向いているのでは?
疎通という技能もその為にある様な気がしてきましたよ。
「……ミラさん、あの鳥の代わりにあたしがお昼を作りますから譲ってくれませんか?」
「構いませんよ、流石に小さな子から取り上げるのも可哀想ですからね」
よし、言質は取れました。
さて、昼食はアプさんの実家でうどんを打って、それで済ませましたし……
「いつ発火するか知れないイノシシを処理する部隊と、奴隷商を捕らえる部隊に分けようと思いますが……」
因みにマリー様とミラさんと姉さん、それとラスカさんにナクアちゃんは奴隷商の方に向かうのが決定しています。
危険ですが唯一の情報源は動物だし、ナクアちゃんが居なければ知り様がありませんからね。
そして解体する必要のあるイノシシの処理にあたしとデストさんです。
「イノシシは解体する必要があるからデストもイノシシに回るんだろう?……ならデストの代わりにあたいがマリー様に同行するよ」
「ボクも、母さんと一緒に行くね……ボクの魔法、炎属性が多いから……森の被害、大きくなっちゃうし」
アプさんとコカちゃんはマリー様と同行ですね……
確かに炎の魔法以外を使っている所は見た事がありませんし、これは仕方ないです。
「ロウくんはナクアちゃんと一緒に奴隷商の方に向かってあげて、私は色々と制約があるからイノシシの方に回るよ」
翡翠さんは女神の眷属だし、悪人とはいえ傷付ける訳にはいかないんでしたね……
ってロウまで奴隷商の方に向かったらあたしが淋しいのですが!
「それなら、ワタシ達もイノシシの処理を手伝うわね……放置してたらウチのキノコが危ないから」
おうふ、リベンさんとビートさんもイノシシの処理を手伝って頂けるのですね。
アプさんの両親なら実力も期待出来るし有難いです。
「此方の私兵は奴隷商の方に回しましょう……それでアーチさんが呼んだ方々はイノシシと、村に残った子供と女性達の防衛に回します」
そういえばアーチさんがあちこちに声を掛けていたんでした……
当の本人は全く見当たりませんけど。
「アーチの兄貴ならアトラに料理を教えてるよ……そのお陰で簡単なお菓子なら作れる様になったみたいだぞ」
まさかの花嫁修業!?
って、戦って下さいよアーチさん!
あたし、デストさん、姉さん、ラスカさんの4人で領主邸へ伺いましたよ。
ロウとアプさん、翡翠さんにアプさんの両親はコカちゃんとナクアちゃん、イブの護衛をお願いしましたよ。
目的は動物爆弾にされたイノシシの処理と、奴隷商についての話し合いです。
……何であたしまで話し合い参加する事になったのかが疑問なのですが?
正直あたしは頭より身体を使った方が役に立ちますよ……勿論性的な意味ではなく。
「よく来てくれたね……僕はエリオ、この地の領主で、皆さんの事は姉上から聞いているよ」
「エリオの妻、クシルと申します」
領主であるエリナ様の弟とその夫人が自らお出迎えとは思いませんでした。
王様と夫人以外では初めてまともな貴族に会いましたね……エリオ様は王様の義弟にあたるせいか貴族という気がしませんけれど。
ってこの思考は危ないですね、口には出さない様に注意します。
「それでキュア、といったかな……実は僕と妻は甘い物が好きなんだけど、以前姉上に出したというホットケーキという物を作って貰いたいのだが」
……あたしが呼ばれたのはそういう事ですか。
別に作るのは構いませんけれどね。
そんなこんなで人数分のホットケーキを焼いて、領主邸に抱えられてる料理人とメイドさん達にレシピを渡してようやく話し合いが始まるのですが……
「「「2年前は大変申し訳ありませんでした!」」」
開幕早々ホットケーキに塗ったジャムで何かを思い出したらしいデストさん、ミラさん、姉さんの土下座から始まってしまいましたね。
そういえばずんだを作った時にミラさんがジャムについて話していましたっけ。
確かこの周辺のアマミズを狩り尽くす勢いで、とか。
「いや、君たちが教えてくれたレシピのお陰でジャムはこの村の名物になったからね……それにその時の売上全額を賠償金として頂いたし、もう気にしていないよ」
ちょっとエリオ様、懐が広過ぎではないですかね?
それにしても2年前はジャムがどれだけ売れたのか……気になりますね。
「とりあえず話を戻して……確かイノシシの処理と、奴隷商の確保に人手が欲しい、という話だったかな?」
「はい、奴隷商は根城すら解っていませんがイノシシの方は余り時間がないかと」
「奴隷商からの刺客を尋問致しましたが、根城については知らされてはいない様で……」
あのモザイクがなければ直視出来ない姿になっても吐かなかったという事は本当に知らなかったのですね。
「あなた、もしかしたらですが……奴隷商はイノシシが居た山に居るのでは?」
「成程……奴等も姿を隠せて、イノシシを確保して赤を埋めてから此方に送れる、一石二鳥の場所か」
「となるとこの周辺の山は……南、西、北東の3ヶ所に絞れますね」
「いや、北東の山は以前ダンジョンが出現したせいで一時期モンスターが溢れたからな……まだ動物も居座れない状態な筈だ」
「そっか……北東の山はデストの背中に傷を残した場所だったわね」
以外と近くにあったんですね、噂のダンジョンは……ん?
「ラスカさん、気付きましたか?」
「ええ、屋根に2人……ドアの前に3人、天井に5人……ドアの3人はメイドを人質にしていますね」
まだコツを教えて2日しか経っていないのに、そこまで物にしてしまうとは……
というかあたし、屋根と人質までは解りませんでしたよ。
「……ミラさんは屋根、キュアさんとラスカさんでドアを、私は天井の5人を相手にします、デストさんは他の皆さんの護衛を」
いくらマリー様とはいえ5人はキツいんじゃ……いえ、気にしている暇はなさそうですね。
マリー様が黄に魔力を込めて天井目掛けて投げた所でドアも開いた……戦闘開始です!
「【スロウ】3連打!」
「【気弾・三連】!」
おお……気弾がまるで意思を持っているかの如くメイドさんを避けて相手の顔面に!
怯んだ隙にメイドさんをデストさんに預けて、あたしとラスカさんが相手の鳩尾目掛けて正拳突きをお見舞いして、残った1人には2人で回し蹴りを当てて此方は終了です。
ほぼ同時に屋根から2人が叩き落とされた音が響き……マリー様の方はとっくに終わっておりました。
愛用の槍を持たずに5人を相手にしながらテーブルはおろか食器や花瓶といった装飾品すら無傷とは……恐ろしいですね。
「とりあえず奴等は詰所の牢に投獄したけど、情報を得るのは無理だろうね」
「屋根に居た奴等は鳥にこれを付けようとしていました、一応飛ばれる前に捕獲しましたが……」
小さく切って畳まれた紙……いわゆる伝書鳩みたいな物でしょうか?
一体何と書かれて……
【プリーストフタリ、ダイ8ショウ4、メイド7】
【ソノタ、キゲンギレ】
「どうやらキュアさん、ジェネさん、メイドさんの値踏みらしいですね……因みに奴隷商の評価は10段階らしいです」
何であたしは半分以下なんですかねぇ?
「私もジェネと同い年なんですがねぇ……そうですか私は期限切れですかフフフフフフ」
「嬢ちゃんもミラも落ち着け……」
あ、そういえば……
「ミラさん、その鳥はまだ生きてますか?」
「ええ、お昼に捌いて丸焼きにでもしようと思って捕まえていますが」
「ピー!ピー!」
活きが良い、球体になった鳩みたいな鳥ですね……確かに美味しそうですがまだ食べる訳にはいきません。
「その鳥から情報を吐き出させます、絞めるのはその後にして下さい」
そんな訳でテレパスでロウとナクアちゃんに呼び掛けて領主邸まで来て貰いましたよ。
「鳥さん美味しそー!」
「ミャー……(ジュルリ)」
「ピィッ!?」
「ほれ、知ってる事言わないと本当に喰われるぞ?……それとトウカ、俺の頭に涎を垂らすな」
さて、情報収集はナクアちゃんに任せるとして……ボカしながら説明しますか。
「ナクアちゃんには疎通という技能があった様で……動物と会話が出来るらしいのです」
「成程、従者となった時に神託があったのですね」
「まさか奴隷商も動物に居場所をバラされるとは思わないでしょうね」
神託で得た技能ではなく幻獣としての技能ですけどね……これは黙っておきましょう。
「では聞き出している間に……っ、う」
「ま、マリー様!どうなさいましたか!?」
まさか……さっきのアサシンに毒を?
「……大丈夫です、ちょっと吐き気が来ただけですから」
「吐き気って……熱はなさそうですから病気、という訳でもなさそうですが」
吐き気……病気ではない……ん?
「まさかマリー様……妊娠しているのでは?」
「……ええ、3ヶ月だそうです」
安定期にも入っていないではありませんか!?
何でそんな大事な時期に奴隷商の討伐なんかに参加しているのですか!
「正妻であるエリナ姉様よりも先に妊娠してしまい申し訳なかったのもありますが……今回の件は奴隷商が絡んでいると予測していて、何としても私の手で捕らえたかったのです」
そういえばマリー様は元奴隷でしたね……だからって無茶し過ぎですよ。
「最も、ミラさんと王様には見抜かれていましたけどね……デストさんとジェネさんを同行させてくれたのは私を心配しての事でしょう」
過剰戦力だなぁと思いきや、そういう事情があったのですね……
「ミラ、知ってたんなら何で言わなかったんだ?」
「それがマリー様のご命令でしたから……御免なさい」
いやミラさんが謝る事ではないのですが……
ですがマリー様の事だし奴隷商を捕まえるまで無理をするでしょうから……迅速な解決が必須になりましたね。
「鳥さんから色々聞いたよー!」
「ピィッ!」
何であの鳥はナクアちゃんの頭に乗っているのでしょうか?
「えへへ、お話してる間に仲良くなっちゃった!」
もしかしてナクアちゃんは従者よりもテイマーに向いているのでは?
疎通という技能もその為にある様な気がしてきましたよ。
「……ミラさん、あの鳥の代わりにあたしがお昼を作りますから譲ってくれませんか?」
「構いませんよ、流石に小さな子から取り上げるのも可哀想ですからね」
よし、言質は取れました。
さて、昼食はアプさんの実家でうどんを打って、それで済ませましたし……
「いつ発火するか知れないイノシシを処理する部隊と、奴隷商を捕らえる部隊に分けようと思いますが……」
因みにマリー様とミラさんと姉さん、それとラスカさんにナクアちゃんは奴隷商の方に向かうのが決定しています。
危険ですが唯一の情報源は動物だし、ナクアちゃんが居なければ知り様がありませんからね。
そして解体する必要のあるイノシシの処理にあたしとデストさんです。
「イノシシは解体する必要があるからデストもイノシシに回るんだろう?……ならデストの代わりにあたいがマリー様に同行するよ」
「ボクも、母さんと一緒に行くね……ボクの魔法、炎属性が多いから……森の被害、大きくなっちゃうし」
アプさんとコカちゃんはマリー様と同行ですね……
確かに炎の魔法以外を使っている所は見た事がありませんし、これは仕方ないです。
「ロウくんはナクアちゃんと一緒に奴隷商の方に向かってあげて、私は色々と制約があるからイノシシの方に回るよ」
翡翠さんは女神の眷属だし、悪人とはいえ傷付ける訳にはいかないんでしたね……
ってロウまで奴隷商の方に向かったらあたしが淋しいのですが!
「それなら、ワタシ達もイノシシの処理を手伝うわね……放置してたらウチのキノコが危ないから」
おうふ、リベンさんとビートさんもイノシシの処理を手伝って頂けるのですね。
アプさんの両親なら実力も期待出来るし有難いです。
「此方の私兵は奴隷商の方に回しましょう……それでアーチさんが呼んだ方々はイノシシと、村に残った子供と女性達の防衛に回します」
そういえばアーチさんがあちこちに声を掛けていたんでした……
当の本人は全く見当たりませんけど。
「アーチの兄貴ならアトラに料理を教えてるよ……そのお陰で簡単なお菓子なら作れる様になったみたいだぞ」
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