68 / 122
森とイノシシと奴隷商人
凄い祖父母でした
しおりを挟む
アプさん達と合流した翌日……
屋台を出そうと思ったら、コカちゃんがアプさんの両親に絡まれて動けなくなりました。
2人に抱き締められてアワアワ言ってるコカちゃん……可愛い。
「はぁ……やっぱりこうなっちまったねぇ」
「やはりエルフでも孫は可愛いのですね……」
ふと宮城県の母の実家に行った時の事を思い出してしまいました……あたしは祖父に、ロウは祖母に可愛がられてましたよ。
父方の祖父母は会った事はおろか電話や手紙すらなかったですが……まあ父がロクデナシでしたし、どうでもいいですね。
どうせもう会う事はありませんし。
「ま、あの2人が居ればコカは大丈夫だよ……今日の所はナクアと遊んでやりな」
「はぁ……」
やっぱりアプさんの両親というだけあって強いのでしょうか?
気になりますがそれは置いといて、ロウはミラさんと翡翠さんが訓練に連れて行ってしまいましたし……ナクアちゃんと村を見て回りますか。
「そういや言ってなかったが、行商人には暗黙の決まりってのがあってね……故郷で屋台を出すのは禁じられてるんだよ」
「それは先に教えて欲しかったです」
さて、この村は果物とキノコの屋台に食堂ばかりですね。
果物はかなりの種類がありますがキノコはエリンギとマッシュルーム……それとキクラゲにシイタケぐらいで
……シイタケ!?
買おうと思って値段見たら……一緒に産地も記載されてて、そこはアプさんの実家じゃないですか!
よし、帰ったら幾つか使わせて貰いましょう。
因みに値段は10本3ハウトでした。
「あ、デストお兄ちゃんが居たー!」
おや、姉さんとデートとは隅に置けませんね。
「おう、丁度良かった……今ジェネに嬢ちゃんを呼んで貰おうと思ってた所だ」
あたしに用ですか……
「何でも最近イノシシがイチゴ畑を荒らしてるそうでな……駆除を頼まれたんだが」
「成程、再び牡丹鍋とモツ煮にしよう、と」
「話が早くて助かる……今回はちゃんと野菜も入れて作るぞ、因みにこの村になら大根や春菊はないが、白菜ならあったりする」
「やりましょう」
お鍋に入った白菜は美味しいですからね……後で豆腐も作っておかなくては。
ついでにシイタケも入れてしまいましょう。
「キュアお姉ちゃん、ぼたんなべ?ってなに?」
「とっても美味しいお肉の鍋です」
それにしても最近よくイノシシが絡みますね……
何か異変でもあったんでしょうか?
そんなこんなで現場に到着……イノシシを狩ってる最中はナクアちゃんが危ないのでアプさんにも同行して貰いましたよ。
「……よし、まず俺がイノシシを惹き付ける、そしたらジェネはイノシシにスロウを掛ける、そこを嬢ちゃんが電気の拳で殴って気絶させる、後は俺と嬢ちゃんで捌いて終わりだ」
「血抜きと洗浄はどうしますか?」
「木に吊るす際に穴を掘って、そこに流すしかないだろう……洗浄は青を使うしかないな」
前はトウカの技能のお陰でそんなに使わなくて済んだのですがね……まあ居ない物は仕方ありません。
さて……まずデストさんが投げた石がイノシシに当たって、姉ジェネさんがスロウを使って、よし。
「【雷 (弱)】!」
よし、倒せました。
魔拳も何度か使ったからか雷なら強弱をつけられる様になりましたね。
光は加減が効かないし、鋼はまだ実戦で使える状態ではないですが……暫くは気と魔力のコントロールを中心に鍛えましょう。
「……そっかぁ、じゃあこれで暫くは大丈夫だね!」
「……ナクアちゃん、誰と話しているのですか?」
「モグラさん!」
あ、よく見たらナクアちゃんの足元に土竜が居ましたね……
ナクアちゃんが動物と会話出来るのをすっかり忘れていました。
「えっとね、沢山のイノシシが森に来て、ミミズと一緒に仲間がいっぱい食べられちゃったんだって!」
そういえばイノシシって雑食でしたっけ……
まさか生きた土竜まで食べるとは思いませんでしたが。
「沢山のイノシシねぇ……何で急に森まで来たんだ?」
「この辺りの山の資源が枯渇したという話は聞いてませんが……何者かの嫌がらせでしょうか?」
「何にせよ迷惑な話だねぇ……近い内にイノシシ狩りでもするかい?」
「ま、その話は後にして……今は牡丹鍋の準備を」
おっとそうでした……このイノシシを捌いてしまわねば!
って、内臓から赤い光が……これは?
「このイノシシ……体内に赤が、それも僅かですけど魔力が通った状態で」
「っ!キュアちゃん、急いでそれを投げて!」
咄嗟でしたが姉さんに張り付いてた気配に向けて投げたら……いきなり燃えだした!?
炎からアサシンが出てきて、燃えながら転がってますがそれは放置するとして……
「こいつは……いわゆる動物爆弾って奴か?」
「随分と胸糞悪い手段だねぇ……つまりこのイノシシ共は、森と村に火災を起こさせる為に連れて来られたって事かい?」
コカちゃんとイブから聞いた話だとイノシシは食べずに埋めるそうですし、もし埋めていたら地中でイノシシが燃えて……この辺りの植物にも影響されていたでしょう。
「これは私達だけの手には負えませんね……マリー様とラスカさん、領主にも協力して貰いましょう」
「後回しになると思いましたが……早急に対処しなくてはいけませんね」
独占されていた赤があった以上、明らかな敵意も確認出来ましたし……
「ねぇキュアお姉ちゃん、お肉は?」
「「あ……」」
幸いイノシシ肉は部位ごとに分けた後でしたが……内臓はもう駄目ですね。
「……あたしとした事がっ!」
「仕方ないさ……まさかイノシシにあんな事する奴が居たとは思わないからねぇ」
アプさん……姉さんが治療し辛そうにしてますからアサシンを踏むのは後にしてあげて下さい。
どうせもう逃げられはしませんから。
「まあ肝臓や膵臓、心臓はもう無理だが……腸と舌は何とか食えそうだぞ」
……今回はタンとホルモンが食べられるだけでも良しとします。
そんなこんなの夕飯は当然、牡丹鍋です。
煮えたお肉と白菜に溶いたタマゴを絡めつつ食べてたらアプさんの両親に絡まれて……まさか孫は嫁にやらん!とかいう展開ですか?
「貴女がキュアちゃんかい?ワタシはリベン、コカの祖母よ」
「ワシはビート、コカの祖父だ」
ビートさんはそれなりの年配に見えますがリベンさんは……若いですね!
30代と言われたら信じてしまうぐらいに若く見えますよ!
いくら長生きのエルフだからってこれは……噂の美容液の効果なんでしょうか?
「あの……あたしに何か?」
「そうそう、キュアちゃんに聞きたい事があってのう」
あたしに聞きたい事……考えられるのは年収とか、コカちゃんと別れろ、とかでしょうか?
「……曾孫の顔は何時になれば見られるかしら?」
「ゴホォッ!?」
予想の斜め上を3段階ふっ飛ばした質問が来ました!?
いやまあ……反対されなくて良かったし、嫌われてないみたいだからいいんですけど。
「えっと、諸事情につき結婚は5年後になりますので……子供は更に後になりますが」
「すると最短で後6年か……待ち遠しいのう」
「ウフフ、楽しみですねぇ」
この2人……曾孫を見るまでは意地でも生き続けるつもりですね。
頑張って長生きして下さい。
その後も質問や雑談なんかを答えてようやく解放されましたが……牡丹鍋は綺麗に食べ尽くされていました、ちくせう。
せめて締めのうどんは残しておいて下さいよ!
「凄かったろう?あたいの両親は……」
「ええ……凄かったです」
口調こそ優しかったですが終始ペースを握られたままでしたよ。
あの話術にアプさんの商売術の根源を見れた気がします。
それとアプさん、ツマミもなしにお酒を飲んでると悪酔いしますよ?
「ま、キュアなら大丈夫だとは思ったけどねぇ……中途半端な力じゃ無理矢理にでも離されてたろうし」
「……え?」
「母さんは昔、神託で【分析】っていう技能を授かったらしくてねぇ……その目は人の実力、心の善悪を見通せるらしいんだよ」
ファンタジーな物語でいう所のステータスを見れる、という奴でしょうか?
何にせよずっと鍛えてて良かった……
「ま、キュアならコカを守れると判断されたんだろうね……どうせ第一声は曾孫が見たい、だったんじゃないかい?」
「まさにその通りです」
なるべく頑張りますがご期待に添えなかったら御免なさい。
少なくとも子供は大丈夫だと思いますがね……トゥグア様が保証してますし。
まあ曾孫云々も大事ですが……
今は奴隷商と悪徳貴族の悪巧みを潰す、イノシシをどうにかする、この2つが最優先です。
明日は朝一で領主に会って作戦会議ですね……
……とりあえず寝る前にパンと干し肉を囓っておきますか、殆ど食べられなかったので。
「ま、あたいの両親に曾孫を見せる前に……あたいに孫を見せて欲しい、って思っているんだどねぇ」
「……ガンバリマス、ハイ」
屋台を出そうと思ったら、コカちゃんがアプさんの両親に絡まれて動けなくなりました。
2人に抱き締められてアワアワ言ってるコカちゃん……可愛い。
「はぁ……やっぱりこうなっちまったねぇ」
「やはりエルフでも孫は可愛いのですね……」
ふと宮城県の母の実家に行った時の事を思い出してしまいました……あたしは祖父に、ロウは祖母に可愛がられてましたよ。
父方の祖父母は会った事はおろか電話や手紙すらなかったですが……まあ父がロクデナシでしたし、どうでもいいですね。
どうせもう会う事はありませんし。
「ま、あの2人が居ればコカは大丈夫だよ……今日の所はナクアと遊んでやりな」
「はぁ……」
やっぱりアプさんの両親というだけあって強いのでしょうか?
気になりますがそれは置いといて、ロウはミラさんと翡翠さんが訓練に連れて行ってしまいましたし……ナクアちゃんと村を見て回りますか。
「そういや言ってなかったが、行商人には暗黙の決まりってのがあってね……故郷で屋台を出すのは禁じられてるんだよ」
「それは先に教えて欲しかったです」
さて、この村は果物とキノコの屋台に食堂ばかりですね。
果物はかなりの種類がありますがキノコはエリンギとマッシュルーム……それとキクラゲにシイタケぐらいで
……シイタケ!?
買おうと思って値段見たら……一緒に産地も記載されてて、そこはアプさんの実家じゃないですか!
よし、帰ったら幾つか使わせて貰いましょう。
因みに値段は10本3ハウトでした。
「あ、デストお兄ちゃんが居たー!」
おや、姉さんとデートとは隅に置けませんね。
「おう、丁度良かった……今ジェネに嬢ちゃんを呼んで貰おうと思ってた所だ」
あたしに用ですか……
「何でも最近イノシシがイチゴ畑を荒らしてるそうでな……駆除を頼まれたんだが」
「成程、再び牡丹鍋とモツ煮にしよう、と」
「話が早くて助かる……今回はちゃんと野菜も入れて作るぞ、因みにこの村になら大根や春菊はないが、白菜ならあったりする」
「やりましょう」
お鍋に入った白菜は美味しいですからね……後で豆腐も作っておかなくては。
ついでにシイタケも入れてしまいましょう。
「キュアお姉ちゃん、ぼたんなべ?ってなに?」
「とっても美味しいお肉の鍋です」
それにしても最近よくイノシシが絡みますね……
何か異変でもあったんでしょうか?
そんなこんなで現場に到着……イノシシを狩ってる最中はナクアちゃんが危ないのでアプさんにも同行して貰いましたよ。
「……よし、まず俺がイノシシを惹き付ける、そしたらジェネはイノシシにスロウを掛ける、そこを嬢ちゃんが電気の拳で殴って気絶させる、後は俺と嬢ちゃんで捌いて終わりだ」
「血抜きと洗浄はどうしますか?」
「木に吊るす際に穴を掘って、そこに流すしかないだろう……洗浄は青を使うしかないな」
前はトウカの技能のお陰でそんなに使わなくて済んだのですがね……まあ居ない物は仕方ありません。
さて……まずデストさんが投げた石がイノシシに当たって、姉ジェネさんがスロウを使って、よし。
「【雷 (弱)】!」
よし、倒せました。
魔拳も何度か使ったからか雷なら強弱をつけられる様になりましたね。
光は加減が効かないし、鋼はまだ実戦で使える状態ではないですが……暫くは気と魔力のコントロールを中心に鍛えましょう。
「……そっかぁ、じゃあこれで暫くは大丈夫だね!」
「……ナクアちゃん、誰と話しているのですか?」
「モグラさん!」
あ、よく見たらナクアちゃんの足元に土竜が居ましたね……
ナクアちゃんが動物と会話出来るのをすっかり忘れていました。
「えっとね、沢山のイノシシが森に来て、ミミズと一緒に仲間がいっぱい食べられちゃったんだって!」
そういえばイノシシって雑食でしたっけ……
まさか生きた土竜まで食べるとは思いませんでしたが。
「沢山のイノシシねぇ……何で急に森まで来たんだ?」
「この辺りの山の資源が枯渇したという話は聞いてませんが……何者かの嫌がらせでしょうか?」
「何にせよ迷惑な話だねぇ……近い内にイノシシ狩りでもするかい?」
「ま、その話は後にして……今は牡丹鍋の準備を」
おっとそうでした……このイノシシを捌いてしまわねば!
って、内臓から赤い光が……これは?
「このイノシシ……体内に赤が、それも僅かですけど魔力が通った状態で」
「っ!キュアちゃん、急いでそれを投げて!」
咄嗟でしたが姉さんに張り付いてた気配に向けて投げたら……いきなり燃えだした!?
炎からアサシンが出てきて、燃えながら転がってますがそれは放置するとして……
「こいつは……いわゆる動物爆弾って奴か?」
「随分と胸糞悪い手段だねぇ……つまりこのイノシシ共は、森と村に火災を起こさせる為に連れて来られたって事かい?」
コカちゃんとイブから聞いた話だとイノシシは食べずに埋めるそうですし、もし埋めていたら地中でイノシシが燃えて……この辺りの植物にも影響されていたでしょう。
「これは私達だけの手には負えませんね……マリー様とラスカさん、領主にも協力して貰いましょう」
「後回しになると思いましたが……早急に対処しなくてはいけませんね」
独占されていた赤があった以上、明らかな敵意も確認出来ましたし……
「ねぇキュアお姉ちゃん、お肉は?」
「「あ……」」
幸いイノシシ肉は部位ごとに分けた後でしたが……内臓はもう駄目ですね。
「……あたしとした事がっ!」
「仕方ないさ……まさかイノシシにあんな事する奴が居たとは思わないからねぇ」
アプさん……姉さんが治療し辛そうにしてますからアサシンを踏むのは後にしてあげて下さい。
どうせもう逃げられはしませんから。
「まあ肝臓や膵臓、心臓はもう無理だが……腸と舌は何とか食えそうだぞ」
……今回はタンとホルモンが食べられるだけでも良しとします。
そんなこんなの夕飯は当然、牡丹鍋です。
煮えたお肉と白菜に溶いたタマゴを絡めつつ食べてたらアプさんの両親に絡まれて……まさか孫は嫁にやらん!とかいう展開ですか?
「貴女がキュアちゃんかい?ワタシはリベン、コカの祖母よ」
「ワシはビート、コカの祖父だ」
ビートさんはそれなりの年配に見えますがリベンさんは……若いですね!
30代と言われたら信じてしまうぐらいに若く見えますよ!
いくら長生きのエルフだからってこれは……噂の美容液の効果なんでしょうか?
「あの……あたしに何か?」
「そうそう、キュアちゃんに聞きたい事があってのう」
あたしに聞きたい事……考えられるのは年収とか、コカちゃんと別れろ、とかでしょうか?
「……曾孫の顔は何時になれば見られるかしら?」
「ゴホォッ!?」
予想の斜め上を3段階ふっ飛ばした質問が来ました!?
いやまあ……反対されなくて良かったし、嫌われてないみたいだからいいんですけど。
「えっと、諸事情につき結婚は5年後になりますので……子供は更に後になりますが」
「すると最短で後6年か……待ち遠しいのう」
「ウフフ、楽しみですねぇ」
この2人……曾孫を見るまでは意地でも生き続けるつもりですね。
頑張って長生きして下さい。
その後も質問や雑談なんかを答えてようやく解放されましたが……牡丹鍋は綺麗に食べ尽くされていました、ちくせう。
せめて締めのうどんは残しておいて下さいよ!
「凄かったろう?あたいの両親は……」
「ええ……凄かったです」
口調こそ優しかったですが終始ペースを握られたままでしたよ。
あの話術にアプさんの商売術の根源を見れた気がします。
それとアプさん、ツマミもなしにお酒を飲んでると悪酔いしますよ?
「ま、キュアなら大丈夫だとは思ったけどねぇ……中途半端な力じゃ無理矢理にでも離されてたろうし」
「……え?」
「母さんは昔、神託で【分析】っていう技能を授かったらしくてねぇ……その目は人の実力、心の善悪を見通せるらしいんだよ」
ファンタジーな物語でいう所のステータスを見れる、という奴でしょうか?
何にせよずっと鍛えてて良かった……
「ま、キュアならコカを守れると判断されたんだろうね……どうせ第一声は曾孫が見たい、だったんじゃないかい?」
「まさにその通りです」
なるべく頑張りますがご期待に添えなかったら御免なさい。
少なくとも子供は大丈夫だと思いますがね……トゥグア様が保証してますし。
まあ曾孫云々も大事ですが……
今は奴隷商と悪徳貴族の悪巧みを潰す、イノシシをどうにかする、この2つが最優先です。
明日は朝一で領主に会って作戦会議ですね……
……とりあえず寝る前にパンと干し肉を囓っておきますか、殆ど食べられなかったので。
「ま、あたいの両親に曾孫を見せる前に……あたいに孫を見せて欲しい、って思っているんだどねぇ」
「……ガンバリマス、ハイ」
0
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説

ダークナイトはやめました
天宮暁
ファンタジー
七剣の都セブンスソード。魔剣士たちの集うその街で、最強にして最凶と恐れられるダークナイトがいた。
その名を、ナイン。畏怖とともにその名を呼ばれる青年は、しかし、ダークナイトをやめようとしていた。
「本当に……いいんですね?」
そう慰留するダークナイト拝剣殿の代表リィンに、ナインは固い決意とともにうなずきを返す。
「守るものができたからな」
闇の魔剣は守るには不向きだ。
自らが討った聖竜ハルディヤ。彼女から託された彼女の「仔」。竜の仔として育てられた少女ルディアを守るため、ナインは闇の魔剣を手放した。
新たに握るのは、誰かを守るのに適した光の魔剣。
ナインは、ホーリーナイトに転職しようとしていた。
「でも、ナインさんはダークナイトの適正がSSSです。その分ホーリーナイトの適正は低いんじゃ?」
そう尋ねるリィンに、ナインは平然と答えた。
「Cだな」
「し、C!? そんな、もったいなさすぎます!」
「だよな。適正SSSを捨ててCなんてどうかしてる」
だが、ナインの決意は変わらない。
――最強と謳われたダークナイトは、いかにして「守る強さ」を手に入れるのか?
強さのみを求めてきた青年と、竜の仔として育てられた娘の、奇妙な共同生活が始まった。
(※ この作品はスマホでの表示に最適化しています。文中で改行が生じるかたは、ピンチインで表示を若干小さくしていただくと型崩れしないと思います。)


出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。

美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった

RD令嬢のまかないごはん
雨愁軒経
ファンタジー
辺境都市ケレスの片隅で食堂を営む少女・エリカ――またの名を、小日向絵梨花。
都市を治める伯爵家の令嬢として転生していた彼女だったが、性に合わないという理由で家を飛び出し、野望のために突き進んでいた。
そんなある日、家が勝手に決めた婚約の報せが届く。
相手は、最近ケレスに移住してきてシアリーズ家の預かりとなった子爵・ヒース。
彼は呪われているために追放されたという噂で有名だった。
礼儀として一度は会っておこうとヒースの下を訪れたエリカは、そこで彼の『呪い』の正体に気が付いた。
「――たとえ天が見放しても、私は絶対に見放さないわ」
元管理栄養士の伯爵令嬢は、今日も誰かの笑顔のためにフライパンを握る。
大さじの願いに、夢と希望をひとつまみ。お悩み解決異世界ごはんファンタジー!

異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる