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蕎麦粉を求めて
毒々しい薬です
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コンテストまで後3日となりました……
屋台は好評だし、あたしが審査員やると知れ渡ったせいか参加者が更に増えて80人程になったそうです。
まあ、味見だけしたら残りを食べるのは分体サーグァ様ですけどね……
ついでにサーグァ様の感想も聞かせて貰って審査の参考にしましょう。
で、今はセバスチャンさんが宿に来て色々と気になっていた事を全員に説明してくれているのですが……
「私兵?ここにはそんな連中を雇う資金なんてありませんよ」
まあ、資金があるなら先にボロ屋敷を修理してるでしょうね。
「これは自分の推測ですがその方々はグヌット伯爵の部下、もしくはコンテストの見学に来た方々でしょう」
ダニチでもそういう人達は見かけましたし、納得しました。
セバスチャンさんが嘘を付いている可能性もありましたが……アプさんなら見抜けますし、嘘を付いているとは思えませんね。
「所で領主が倒れたとか聞いたんだが」
「ええ、お恥ずかしい話ですが薬を買う資金すら出せない有り様でして」
「翡翠さんの薬に過労に効くのはありますか?」
「ある事はあるけど……まずは容体を見てからじゃないと出せないよ?」
ああ、違う薬を飲んだら逆効果になる場合もありますからね。
「おお、まさかアルケミストが来ていたとは……これも風の女神様の御導きでしょうか」
セバスチャンさんは風の女神の信者だったのですか……
「一応、私は水の女神様の信者だからね?」
信者というか眷属ですけどね。
「解りました、では皆様の前では祈らない様に注意しておきます」
「キュア、あんたもだよ」
あたしも宗教戦争は嫌ですからね……注意します。
そんなこんなで過労で倒れたという領主の元まで来たのですが……
プラトーちゃん、あたしの手を引きながら走るのは止めましょうね?
「これ……過労じゃなくて憑依だよ?」
「ひょーい?それはなんだ?」
「相手に悪霊をとり憑かせて意のままに操りながら衰弱させる……ネクロマンサーが使う技能だよ」
それは間違いなくあのオバサンの仕業ですね。
大方、借金もそうやってでっち上げたのでしょう。
「因みに強い霊魂を自分、またはゾンビなんかに憑依させて一時的な強化をしたりも出来るんだけど……やられたら厄介だから注意してね」
やたら実感が込もっていますが翡翠さんは強化されたアンデットと戦った事があるのでしょうか?
相手が幽霊を出したらアプさんが役立たずになってしまいますし、ロウの属性矢も限りがありますし、トウカはほぼ寝てるから戦闘中に起きてる可能性も低いですし。
オマケに翡翠さんは水の女神の眷属で人間相手には戦えませんし、サーグァ様とナクアちゃんは非戦闘要員ですからね。
あたしとコカちゃんだけでは厳しいので、あのオバサンは強化される前にぶん殴ってふん縛るつもりでいましょう。
「とりあえず、術者が居ない今なら徐霊が可能だと思うけど」
「ふむ……では祓っておきましょう、【サンクチュアリ、Ver赤】!」
この魔法は元々は回復魔法だし、赤を使う時も悪魔やアンデットにしか効果がなく人間には全くダメージはありませんから安心して下さい。
というかプリーストには攻撃魔法が殆どありませんからね。
攻撃に使えそうな魔法は悪魔にしか効かないとか、アンデットにしか効果がないって魔法ばかりですし……
アプさんは幽霊が苦手だから、対アンデットの魔法は優先して覚えましたけど。
唯一あらゆる種族にダメージを与えられるホーリーライトは威力が低い上に速度もないので使い勝手が悪いですし。
精々目眩まし代わりになるって程度でしょうか?
「うん、悪霊は消せたね……そしたらこの薬を飲ませてっと」
紫色をした毒々しい薬……本当に飲んでも大丈夫なんですか!?
「大丈夫、色は紫だけどレモン味だから」
いや、味の問題ではないのですが……
「う、うぅ……口の中が酸っぱい」
あ、起きた……本当にレモン味だったのですね。
「ちちうえー!」
「おおプラトー……いつの間にそんな大きくなったのだ?」
「ふぇ?」
あ、とり憑かれてた間の記憶はないんですね。
とりあえずセバスチャンさんに説明を丸投げしつつプラトーちゃんを宥めて、卵粥を作ったのですが……味付けは塩だけなのにモリモリ食べていますね。
「ふぅぅ……まるで生まれ変わったかの様な気分だ」
まあ、憑かれてた上に寝込んでいましたし……健康になれたならそう思うのも無理はありません。
「セバスチャンから話は聞いた、皆には世話になったな……蕎麦粉の値段は必ず元に戻そう」
「まあ、それもあのオバサンを捕まえてからの話ですがね」
「まずは目先のコンテスト、だね」
「その件についてだが私に憑いていた悪霊が消えた事で急ぎ現れる可能性があるだろう」
ふむ……仕事が早く終わるなら此方としては有難いのですが、コンテストの最中に来られたら迷惑ですね。
ヴァレンさんとデュロックさんを呼んだのは間違いではなかった様です。
確かヴァレンさんは1対多数に特化した人で、デュロックさんは魔法を拳に纏わせて戦う魔拳を使うからゴーストやレイスの対処も可能でしょう。
そういえばデュロックさんとは組手をしようと言っておきながら機会がありませんでしたね……オバサン捕まえた後にでも挑んでみましょう。
とりあえず薬のお礼にと追加の蕎麦粉を頂いてしまいましたが……
「蕎麦粉が増えたのはいいんだが夕飯に使うのかい?」
「いえ、少なくともコンテストが終わるまで蕎麦粉は使いません」
ダニチでもそうでしたが、下手にサーグァ様が気に入ってしまったらあたしの蕎麦を基準に評価してしまいますからね。
流石に味見だけで、後は勘で決めるのは申し訳ないですし。
因みにコンテストの優勝者に与えられるのは空き家と、3年間蕎麦粉を格安で買える権利だそうです。
準優勝なら蕎麦粉の権利だけで、前回の優勝者はあのケバブみたいな蕎麦クレープを出していた屋台の人でした。
確かに美味しかったし、安かったのも納得です。
「そういえば今回の優勝者にはキュアちゃんの蕎麦粉を使ったレシピをあげるんでしょ?大丈夫なの?」
「え……何ですかそれ、聞いていないのですが?」
「新しい告知にも貼り出されてるよ?」
あ、本当だ……まさか途端に参加者が増えた理由はこれですか!?
「確かにキュアの料理は美味いからねぇ……それに確実に売れるから、レシピは喉から手を出すぐらい欲しいだろうさ」
「うん、一緒に居るボクだって……欲しいぐらいだもん」
いやコカちゃん、あたしは聞いてくれれば幾らでも教えますからね?
別に秘密がある訳でもないですし美味しい物を作れる人が増えるのは喜ばしいので。
「とりあえず商品にはコンテストに出そうと思っていたのを教えてしまいましょう」
鴨南蛮ならぬクックー南蛮なら商品にピッタリで……あ、しまった!
「アプさん、お手数ですが塩と樽、ダイズ豆を大量に仕入れて下さい……急いで醤油を量産します」
ツユは塩だけじゃ絶対に作れないって事を失念していました……迂闊過ぎですよあたし!
「資金はあたいの財布から出しといてやるよ」
ありがとうございます。
今日の夕飯はアプさんの好物を用意します。
「それとコカちゃん、明日からコンテストまでの間は」
「朝食と夕食……でしょ?ボクが作るから、安心して」
本当に助かります、お礼はキスで返しますので。
「ロウはちょっと紙を買ってきて下さい……レシピと醤油の作り方を書いておかねばならないので」
「そういや手持ちの紙は全部スクロールになったんだっけな、解った」
「ナクアも行くー!」
さて、今の内に夕飯と……明日の屋台の準備を済ませてしまいますか。
「ねえ、夕飯なんだけどあの卵粥っていうのお願いしてもいい?」
「それは構いませんが……翡翠さんがリクエストするとは珍しいですね?」
「いやー、領主さんががっついてるのを見たせいか食べたくなっちゃったんだよね」
あー、確かに近くで美味しそうに食べていた物は気になりますよね。
そういう事なら卵粥と……おじやも作っておきますか。
さて、卵粥は昆布の出汁でお米を煮て……塩と少量の醤油で味を付け、溶き卵を加えればオーケーです。
おじやは干し肉の出汁でお米と一緒にタマネギのみじん切りとビフーの挽き肉を煮て、醤油と味噌で味を付けたら仕上げにチーズの粉末を加えて出来上がりです。
おじやというよりリゾットに近くなってしまった気がしますが…まあナクアちゃんはチーズが好きですから問題はないでしょう。
「チーズが一杯入ってるおじや美味しー!」
「ミャー!」
何気にトウカがナクアちゃんと同じおじやを食べてるのが気になりましたが……気に入った様で何よりです。
というかトウカはタマネギ食べて大丈夫なんですか?
まあ猫ではなく幻獣だとか言ってましたし、死にはしないでしょう、多分。
「むむむ……アッサリしてるのに満足感があってしかも美味しい」
翡翠さんも卵粥を気に入った様で……
「粥を食ってると梅干しも欲しくなる」
気持ちは解りますがこの世界には梅がないので諦めて下さい。
もしかしたらンガイになら梅があるかもしれませんが……行けるのは当分先ですからね。
アプさんがキノコ苦手だから行けない可能性もありますし。
「キュアちゃん、このおかゆっていう料理……詳しい作り方、教えて」
アプさんが二日酔いになった時の為にですね。
ちゃんと教えてあげますよ、夕飯が終わったらですが。
「不思議ですね……このお粥という料理は食べた端からお腹が空いてしまいます」
確かに病人向けの消化が良い料理ではありますけど……
鍋3杯は食べ過ぎですよサーグァ様!
しかもおじやも同じ量を食べていますからね!
屋台は好評だし、あたしが審査員やると知れ渡ったせいか参加者が更に増えて80人程になったそうです。
まあ、味見だけしたら残りを食べるのは分体サーグァ様ですけどね……
ついでにサーグァ様の感想も聞かせて貰って審査の参考にしましょう。
で、今はセバスチャンさんが宿に来て色々と気になっていた事を全員に説明してくれているのですが……
「私兵?ここにはそんな連中を雇う資金なんてありませんよ」
まあ、資金があるなら先にボロ屋敷を修理してるでしょうね。
「これは自分の推測ですがその方々はグヌット伯爵の部下、もしくはコンテストの見学に来た方々でしょう」
ダニチでもそういう人達は見かけましたし、納得しました。
セバスチャンさんが嘘を付いている可能性もありましたが……アプさんなら見抜けますし、嘘を付いているとは思えませんね。
「所で領主が倒れたとか聞いたんだが」
「ええ、お恥ずかしい話ですが薬を買う資金すら出せない有り様でして」
「翡翠さんの薬に過労に効くのはありますか?」
「ある事はあるけど……まずは容体を見てからじゃないと出せないよ?」
ああ、違う薬を飲んだら逆効果になる場合もありますからね。
「おお、まさかアルケミストが来ていたとは……これも風の女神様の御導きでしょうか」
セバスチャンさんは風の女神の信者だったのですか……
「一応、私は水の女神様の信者だからね?」
信者というか眷属ですけどね。
「解りました、では皆様の前では祈らない様に注意しておきます」
「キュア、あんたもだよ」
あたしも宗教戦争は嫌ですからね……注意します。
そんなこんなで過労で倒れたという領主の元まで来たのですが……
プラトーちゃん、あたしの手を引きながら走るのは止めましょうね?
「これ……過労じゃなくて憑依だよ?」
「ひょーい?それはなんだ?」
「相手に悪霊をとり憑かせて意のままに操りながら衰弱させる……ネクロマンサーが使う技能だよ」
それは間違いなくあのオバサンの仕業ですね。
大方、借金もそうやってでっち上げたのでしょう。
「因みに強い霊魂を自分、またはゾンビなんかに憑依させて一時的な強化をしたりも出来るんだけど……やられたら厄介だから注意してね」
やたら実感が込もっていますが翡翠さんは強化されたアンデットと戦った事があるのでしょうか?
相手が幽霊を出したらアプさんが役立たずになってしまいますし、ロウの属性矢も限りがありますし、トウカはほぼ寝てるから戦闘中に起きてる可能性も低いですし。
オマケに翡翠さんは水の女神の眷属で人間相手には戦えませんし、サーグァ様とナクアちゃんは非戦闘要員ですからね。
あたしとコカちゃんだけでは厳しいので、あのオバサンは強化される前にぶん殴ってふん縛るつもりでいましょう。
「とりあえず、術者が居ない今なら徐霊が可能だと思うけど」
「ふむ……では祓っておきましょう、【サンクチュアリ、Ver赤】!」
この魔法は元々は回復魔法だし、赤を使う時も悪魔やアンデットにしか効果がなく人間には全くダメージはありませんから安心して下さい。
というかプリーストには攻撃魔法が殆どありませんからね。
攻撃に使えそうな魔法は悪魔にしか効かないとか、アンデットにしか効果がないって魔法ばかりですし……
アプさんは幽霊が苦手だから、対アンデットの魔法は優先して覚えましたけど。
唯一あらゆる種族にダメージを与えられるホーリーライトは威力が低い上に速度もないので使い勝手が悪いですし。
精々目眩まし代わりになるって程度でしょうか?
「うん、悪霊は消せたね……そしたらこの薬を飲ませてっと」
紫色をした毒々しい薬……本当に飲んでも大丈夫なんですか!?
「大丈夫、色は紫だけどレモン味だから」
いや、味の問題ではないのですが……
「う、うぅ……口の中が酸っぱい」
あ、起きた……本当にレモン味だったのですね。
「ちちうえー!」
「おおプラトー……いつの間にそんな大きくなったのだ?」
「ふぇ?」
あ、とり憑かれてた間の記憶はないんですね。
とりあえずセバスチャンさんに説明を丸投げしつつプラトーちゃんを宥めて、卵粥を作ったのですが……味付けは塩だけなのにモリモリ食べていますね。
「ふぅぅ……まるで生まれ変わったかの様な気分だ」
まあ、憑かれてた上に寝込んでいましたし……健康になれたならそう思うのも無理はありません。
「セバスチャンから話は聞いた、皆には世話になったな……蕎麦粉の値段は必ず元に戻そう」
「まあ、それもあのオバサンを捕まえてからの話ですがね」
「まずは目先のコンテスト、だね」
「その件についてだが私に憑いていた悪霊が消えた事で急ぎ現れる可能性があるだろう」
ふむ……仕事が早く終わるなら此方としては有難いのですが、コンテストの最中に来られたら迷惑ですね。
ヴァレンさんとデュロックさんを呼んだのは間違いではなかった様です。
確かヴァレンさんは1対多数に特化した人で、デュロックさんは魔法を拳に纏わせて戦う魔拳を使うからゴーストやレイスの対処も可能でしょう。
そういえばデュロックさんとは組手をしようと言っておきながら機会がありませんでしたね……オバサン捕まえた後にでも挑んでみましょう。
とりあえず薬のお礼にと追加の蕎麦粉を頂いてしまいましたが……
「蕎麦粉が増えたのはいいんだが夕飯に使うのかい?」
「いえ、少なくともコンテストが終わるまで蕎麦粉は使いません」
ダニチでもそうでしたが、下手にサーグァ様が気に入ってしまったらあたしの蕎麦を基準に評価してしまいますからね。
流石に味見だけで、後は勘で決めるのは申し訳ないですし。
因みにコンテストの優勝者に与えられるのは空き家と、3年間蕎麦粉を格安で買える権利だそうです。
準優勝なら蕎麦粉の権利だけで、前回の優勝者はあのケバブみたいな蕎麦クレープを出していた屋台の人でした。
確かに美味しかったし、安かったのも納得です。
「そういえば今回の優勝者にはキュアちゃんの蕎麦粉を使ったレシピをあげるんでしょ?大丈夫なの?」
「え……何ですかそれ、聞いていないのですが?」
「新しい告知にも貼り出されてるよ?」
あ、本当だ……まさか途端に参加者が増えた理由はこれですか!?
「確かにキュアの料理は美味いからねぇ……それに確実に売れるから、レシピは喉から手を出すぐらい欲しいだろうさ」
「うん、一緒に居るボクだって……欲しいぐらいだもん」
いやコカちゃん、あたしは聞いてくれれば幾らでも教えますからね?
別に秘密がある訳でもないですし美味しい物を作れる人が増えるのは喜ばしいので。
「とりあえず商品にはコンテストに出そうと思っていたのを教えてしまいましょう」
鴨南蛮ならぬクックー南蛮なら商品にピッタリで……あ、しまった!
「アプさん、お手数ですが塩と樽、ダイズ豆を大量に仕入れて下さい……急いで醤油を量産します」
ツユは塩だけじゃ絶対に作れないって事を失念していました……迂闊過ぎですよあたし!
「資金はあたいの財布から出しといてやるよ」
ありがとうございます。
今日の夕飯はアプさんの好物を用意します。
「それとコカちゃん、明日からコンテストまでの間は」
「朝食と夕食……でしょ?ボクが作るから、安心して」
本当に助かります、お礼はキスで返しますので。
「ロウはちょっと紙を買ってきて下さい……レシピと醤油の作り方を書いておかねばならないので」
「そういや手持ちの紙は全部スクロールになったんだっけな、解った」
「ナクアも行くー!」
さて、今の内に夕飯と……明日の屋台の準備を済ませてしまいますか。
「ねえ、夕飯なんだけどあの卵粥っていうのお願いしてもいい?」
「それは構いませんが……翡翠さんがリクエストするとは珍しいですね?」
「いやー、領主さんががっついてるのを見たせいか食べたくなっちゃったんだよね」
あー、確かに近くで美味しそうに食べていた物は気になりますよね。
そういう事なら卵粥と……おじやも作っておきますか。
さて、卵粥は昆布の出汁でお米を煮て……塩と少量の醤油で味を付け、溶き卵を加えればオーケーです。
おじやは干し肉の出汁でお米と一緒にタマネギのみじん切りとビフーの挽き肉を煮て、醤油と味噌で味を付けたら仕上げにチーズの粉末を加えて出来上がりです。
おじやというよりリゾットに近くなってしまった気がしますが…まあナクアちゃんはチーズが好きですから問題はないでしょう。
「チーズが一杯入ってるおじや美味しー!」
「ミャー!」
何気にトウカがナクアちゃんと同じおじやを食べてるのが気になりましたが……気に入った様で何よりです。
というかトウカはタマネギ食べて大丈夫なんですか?
まあ猫ではなく幻獣だとか言ってましたし、死にはしないでしょう、多分。
「むむむ……アッサリしてるのに満足感があってしかも美味しい」
翡翠さんも卵粥を気に入った様で……
「粥を食ってると梅干しも欲しくなる」
気持ちは解りますがこの世界には梅がないので諦めて下さい。
もしかしたらンガイになら梅があるかもしれませんが……行けるのは当分先ですからね。
アプさんがキノコ苦手だから行けない可能性もありますし。
「キュアちゃん、このおかゆっていう料理……詳しい作り方、教えて」
アプさんが二日酔いになった時の為にですね。
ちゃんと教えてあげますよ、夕飯が終わったらですが。
「不思議ですね……このお粥という料理は食べた端からお腹が空いてしまいます」
確かに病人向けの消化が良い料理ではありますけど……
鍋3杯は食べ過ぎですよサーグァ様!
しかもおじやも同じ量を食べていますからね!
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