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プロローグ
転生初日の終わりです
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唐突にモンスターが襲ってきた時はどうなるかと思いましたが空手が役に立ちました。
結構な数を倒しましたがレベルアップしたという感じはありませんね……まあゲームじゃないんだし当然といえばそれまでですけれど。
モンスターは倒したら透き通った赤や青、少し濁った緑に濃い黄の水晶になってました。
拾うのは面倒でしたけど捨てるのは勿体無かったので全部拾いましたが……腰が痛いですね。
かなりの量がありましたがトゥグア様のくれた鞄はほぼ無限に収納出来るらしく嵩張ったりはしない様です。
こういうのは終盤になると奥からいらない物が出てきたりとか、イベントの必須アイテムが埋まったりするので注意しておきましょう。
それはさておき異世界に来て最初に見つけた村です、入り口に【フサノムラ】って書いてありました。
見つけたというよりほぼ目の前にあった、といった方が正しいんですけど。
フサの村なのかフサノムラって村なのかは分かりませんが……まあ宿と食事があればどっちでも構いませんよね。
とりあえず真っ先に目に止まった……トウモロコシっぽい植物の世話をしていたお婆さんに声をかけてみましょう。
何をするにしてもまずは情報収集、これは基本でしょう。
「おや、旅人かい?こんな田舎のフサに来るのは珍しいねぇ」
どうやらフサの村だったらしい……このお婆さんは間違いなくいい人です、あたしの勘がそう言ってます。
「そうだ旅人さん、緑はあるかい?もしあったら少し分けてくれないかねぇ?」
緑とはこのモンスターから出てきた水晶?の事でしょうか?
文字通り腐る程ありますからいくらでも差し上げましょう。
お婆さんはそれを畑の真ん中に埋めたかと思いきやいきなり植物から実が……
これまんまトウモロコシではないですか!?
そういえば食べ物については一切聞いていませんでしたね……まあ少しずつ学んでいきましょう。
後から聞いたらあの水晶は生活に欠かせない物らしく……
・赤は火を出す、透き通っている程よく燃える
・青は水を生む、透き通っている程安全に飲める
・緑は植物を育てる、色が濃い程成長が早い
・黄は光源になる、色が濃い程明るくなる
それと極稀に白い水晶も見つかって、それは怪我や病気を治すのに使われるらしいです。
らしい、というのは実物がないからで……というかお婆さんも40年前に1度見たっきりと言う程の貴重品でした。
きっと難所に住んでる様なボスとかダンジョンの奥にある宝箱でしか見つからない様な代物なんでしょう。
そしてこの世界の旅人はアチコチ回って水晶を集め、それを村や町で売ってさすらう人をそう呼ぶみたいです。
つまり妨害とか関係なくモンスター自体は居たって事ですねトゥグア様……
聞かなかったあたしが言うのも何ですけどもう少し詳しく説明してくれたら嬉しかったです。
で、この村には宿も店もないらしくどうしようかと思っていましたが……
「良かったらウチに泊まるかい?」
「え、いいんですか?」
「緑を貰ったからねぇ、1晩ぐらい構わないよ」
緑のお礼にとお婆さんが泊めてくれました、本当にありがとうございます。
因みに夕飯は麦飯にトウモロコシとジャガイモ、大豆っぽい豆を突っ込んで牛乳でお粥にして、塩とチーズで味付けした物でした。
何なんですかこの炭水化物の寄せ集めは……食べますけど。
「結構美味いなこれ」
「トウモロコシが甘くて美味しいですね……チーズの塩気も柔らかいです」
これ胃に優しいけどお腹に溜まるし、美味しかったので作り方を教えて貰いましょう。
掌返し?掌は引っくり返す為にあるのです。
「ほれ、このグリンとレッドのサラダも食べてみるかい?」
おお……レタスにトマトだけとはいえチーズを溶かし混ぜたドレッシングが掛かっていて、凄く美味しいです。
しかもトマトが甘くて美味しい。
でも名前が……多分ですけどグリンはレタスで、レッドがトマトの事でしょうが覚えるのが大変そうです。
さて、この村はお風呂がないそうですし、身体を拭くにしても朝は早目に起きた方が良さそうですしすぐに寝て……ってその前にする事がありました。
「スミマセンが祈りを捧げられる場所はありますか?」
「それならそこの部屋が空いてるから、そこでするといいよ」
「ありがとうございます」
では早速……
親愛なるトゥグア様、本日は最初の村から祈りを捧げています。
初めての戦闘もそつなくこなせ、水晶についても知る事が出来ました。
ですがモンスターの詳細や水晶についてや、食べ物の名前の違いなんかは最初に説明して欲しかったです。
それとまだぎこちないながらも兄を名前で呼べる間柄になれました。
2年後の結婚式の仲人は是非ともトゥグア様にお願い致します。
「ふんぐるい むぐるうなふ トゥグア ほまる はうと うがあ ぐああ なふる たぐん…… ふんぐるい むぐるうなふ トゥグア ほまる はうと うがあ ぐああ なふる たぐん……」
「ちょっと待て!それは邪神を呼び出す呪文じゃないのか!というかそれ、唱える必要あるのか!?」
結構な数を倒しましたがレベルアップしたという感じはありませんね……まあゲームじゃないんだし当然といえばそれまでですけれど。
モンスターは倒したら透き通った赤や青、少し濁った緑に濃い黄の水晶になってました。
拾うのは面倒でしたけど捨てるのは勿体無かったので全部拾いましたが……腰が痛いですね。
かなりの量がありましたがトゥグア様のくれた鞄はほぼ無限に収納出来るらしく嵩張ったりはしない様です。
こういうのは終盤になると奥からいらない物が出てきたりとか、イベントの必須アイテムが埋まったりするので注意しておきましょう。
それはさておき異世界に来て最初に見つけた村です、入り口に【フサノムラ】って書いてありました。
見つけたというよりほぼ目の前にあった、といった方が正しいんですけど。
フサの村なのかフサノムラって村なのかは分かりませんが……まあ宿と食事があればどっちでも構いませんよね。
とりあえず真っ先に目に止まった……トウモロコシっぽい植物の世話をしていたお婆さんに声をかけてみましょう。
何をするにしてもまずは情報収集、これは基本でしょう。
「おや、旅人かい?こんな田舎のフサに来るのは珍しいねぇ」
どうやらフサの村だったらしい……このお婆さんは間違いなくいい人です、あたしの勘がそう言ってます。
「そうだ旅人さん、緑はあるかい?もしあったら少し分けてくれないかねぇ?」
緑とはこのモンスターから出てきた水晶?の事でしょうか?
文字通り腐る程ありますからいくらでも差し上げましょう。
お婆さんはそれを畑の真ん中に埋めたかと思いきやいきなり植物から実が……
これまんまトウモロコシではないですか!?
そういえば食べ物については一切聞いていませんでしたね……まあ少しずつ学んでいきましょう。
後から聞いたらあの水晶は生活に欠かせない物らしく……
・赤は火を出す、透き通っている程よく燃える
・青は水を生む、透き通っている程安全に飲める
・緑は植物を育てる、色が濃い程成長が早い
・黄は光源になる、色が濃い程明るくなる
それと極稀に白い水晶も見つかって、それは怪我や病気を治すのに使われるらしいです。
らしい、というのは実物がないからで……というかお婆さんも40年前に1度見たっきりと言う程の貴重品でした。
きっと難所に住んでる様なボスとかダンジョンの奥にある宝箱でしか見つからない様な代物なんでしょう。
そしてこの世界の旅人はアチコチ回って水晶を集め、それを村や町で売ってさすらう人をそう呼ぶみたいです。
つまり妨害とか関係なくモンスター自体は居たって事ですねトゥグア様……
聞かなかったあたしが言うのも何ですけどもう少し詳しく説明してくれたら嬉しかったです。
で、この村には宿も店もないらしくどうしようかと思っていましたが……
「良かったらウチに泊まるかい?」
「え、いいんですか?」
「緑を貰ったからねぇ、1晩ぐらい構わないよ」
緑のお礼にとお婆さんが泊めてくれました、本当にありがとうございます。
因みに夕飯は麦飯にトウモロコシとジャガイモ、大豆っぽい豆を突っ込んで牛乳でお粥にして、塩とチーズで味付けした物でした。
何なんですかこの炭水化物の寄せ集めは……食べますけど。
「結構美味いなこれ」
「トウモロコシが甘くて美味しいですね……チーズの塩気も柔らかいです」
これ胃に優しいけどお腹に溜まるし、美味しかったので作り方を教えて貰いましょう。
掌返し?掌は引っくり返す為にあるのです。
「ほれ、このグリンとレッドのサラダも食べてみるかい?」
おお……レタスにトマトだけとはいえチーズを溶かし混ぜたドレッシングが掛かっていて、凄く美味しいです。
しかもトマトが甘くて美味しい。
でも名前が……多分ですけどグリンはレタスで、レッドがトマトの事でしょうが覚えるのが大変そうです。
さて、この村はお風呂がないそうですし、身体を拭くにしても朝は早目に起きた方が良さそうですしすぐに寝て……ってその前にする事がありました。
「スミマセンが祈りを捧げられる場所はありますか?」
「それならそこの部屋が空いてるから、そこでするといいよ」
「ありがとうございます」
では早速……
親愛なるトゥグア様、本日は最初の村から祈りを捧げています。
初めての戦闘もそつなくこなせ、水晶についても知る事が出来ました。
ですがモンスターの詳細や水晶についてや、食べ物の名前の違いなんかは最初に説明して欲しかったです。
それとまだぎこちないながらも兄を名前で呼べる間柄になれました。
2年後の結婚式の仲人は是非ともトゥグア様にお願い致します。
「ふんぐるい むぐるうなふ トゥグア ほまる はうと うがあ ぐああ なふる たぐん…… ふんぐるい むぐるうなふ トゥグア ほまる はうと うがあ ぐああ なふる たぐん……」
「ちょっと待て!それは邪神を呼び出す呪文じゃないのか!というかそれ、唱える必要あるのか!?」
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