3 / 122
プロローグ
転生初日の終わりです
しおりを挟む
唐突にモンスターが襲ってきた時はどうなるかと思いましたが空手が役に立ちました。
結構な数を倒しましたがレベルアップしたという感じはありませんね……まあゲームじゃないんだし当然といえばそれまでですけれど。
モンスターは倒したら透き通った赤や青、少し濁った緑に濃い黄の水晶になってました。
拾うのは面倒でしたけど捨てるのは勿体無かったので全部拾いましたが……腰が痛いですね。
かなりの量がありましたがトゥグア様のくれた鞄はほぼ無限に収納出来るらしく嵩張ったりはしない様です。
こういうのは終盤になると奥からいらない物が出てきたりとか、イベントの必須アイテムが埋まったりするので注意しておきましょう。
それはさておき異世界に来て最初に見つけた村です、入り口に【フサノムラ】って書いてありました。
見つけたというよりほぼ目の前にあった、といった方が正しいんですけど。
フサの村なのかフサノムラって村なのかは分かりませんが……まあ宿と食事があればどっちでも構いませんよね。
とりあえず真っ先に目に止まった……トウモロコシっぽい植物の世話をしていたお婆さんに声をかけてみましょう。
何をするにしてもまずは情報収集、これは基本でしょう。
「おや、旅人かい?こんな田舎のフサに来るのは珍しいねぇ」
どうやらフサの村だったらしい……このお婆さんは間違いなくいい人です、あたしの勘がそう言ってます。
「そうだ旅人さん、緑はあるかい?もしあったら少し分けてくれないかねぇ?」
緑とはこのモンスターから出てきた水晶?の事でしょうか?
文字通り腐る程ありますからいくらでも差し上げましょう。
お婆さんはそれを畑の真ん中に埋めたかと思いきやいきなり植物から実が……
これまんまトウモロコシではないですか!?
そういえば食べ物については一切聞いていませんでしたね……まあ少しずつ学んでいきましょう。
後から聞いたらあの水晶は生活に欠かせない物らしく……
・赤は火を出す、透き通っている程よく燃える
・青は水を生む、透き通っている程安全に飲める
・緑は植物を育てる、色が濃い程成長が早い
・黄は光源になる、色が濃い程明るくなる
それと極稀に白い水晶も見つかって、それは怪我や病気を治すのに使われるらしいです。
らしい、というのは実物がないからで……というかお婆さんも40年前に1度見たっきりと言う程の貴重品でした。
きっと難所に住んでる様なボスとかダンジョンの奥にある宝箱でしか見つからない様な代物なんでしょう。
そしてこの世界の旅人はアチコチ回って水晶を集め、それを村や町で売ってさすらう人をそう呼ぶみたいです。
つまり妨害とか関係なくモンスター自体は居たって事ですねトゥグア様……
聞かなかったあたしが言うのも何ですけどもう少し詳しく説明してくれたら嬉しかったです。
で、この村には宿も店もないらしくどうしようかと思っていましたが……
「良かったらウチに泊まるかい?」
「え、いいんですか?」
「緑を貰ったからねぇ、1晩ぐらい構わないよ」
緑のお礼にとお婆さんが泊めてくれました、本当にありがとうございます。
因みに夕飯は麦飯にトウモロコシとジャガイモ、大豆っぽい豆を突っ込んで牛乳でお粥にして、塩とチーズで味付けした物でした。
何なんですかこの炭水化物の寄せ集めは……食べますけど。
「結構美味いなこれ」
「トウモロコシが甘くて美味しいですね……チーズの塩気も柔らかいです」
これ胃に優しいけどお腹に溜まるし、美味しかったので作り方を教えて貰いましょう。
掌返し?掌は引っくり返す為にあるのです。
「ほれ、このグリンとレッドのサラダも食べてみるかい?」
おお……レタスにトマトだけとはいえチーズを溶かし混ぜたドレッシングが掛かっていて、凄く美味しいです。
しかもトマトが甘くて美味しい。
でも名前が……多分ですけどグリンはレタスで、レッドがトマトの事でしょうが覚えるのが大変そうです。
さて、この村はお風呂がないそうですし、身体を拭くにしても朝は早目に起きた方が良さそうですしすぐに寝て……ってその前にする事がありました。
「スミマセンが祈りを捧げられる場所はありますか?」
「それならそこの部屋が空いてるから、そこでするといいよ」
「ありがとうございます」
では早速……
親愛なるトゥグア様、本日は最初の村から祈りを捧げています。
初めての戦闘もそつなくこなせ、水晶についても知る事が出来ました。
ですがモンスターの詳細や水晶についてや、食べ物の名前の違いなんかは最初に説明して欲しかったです。
それとまだぎこちないながらも兄を名前で呼べる間柄になれました。
2年後の結婚式の仲人は是非ともトゥグア様にお願い致します。
「ふんぐるい むぐるうなふ トゥグア ほまる はうと うがあ ぐああ なふる たぐん…… ふんぐるい むぐるうなふ トゥグア ほまる はうと うがあ ぐああ なふる たぐん……」
「ちょっと待て!それは邪神を呼び出す呪文じゃないのか!というかそれ、唱える必要あるのか!?」
結構な数を倒しましたがレベルアップしたという感じはありませんね……まあゲームじゃないんだし当然といえばそれまでですけれど。
モンスターは倒したら透き通った赤や青、少し濁った緑に濃い黄の水晶になってました。
拾うのは面倒でしたけど捨てるのは勿体無かったので全部拾いましたが……腰が痛いですね。
かなりの量がありましたがトゥグア様のくれた鞄はほぼ無限に収納出来るらしく嵩張ったりはしない様です。
こういうのは終盤になると奥からいらない物が出てきたりとか、イベントの必須アイテムが埋まったりするので注意しておきましょう。
それはさておき異世界に来て最初に見つけた村です、入り口に【フサノムラ】って書いてありました。
見つけたというよりほぼ目の前にあった、といった方が正しいんですけど。
フサの村なのかフサノムラって村なのかは分かりませんが……まあ宿と食事があればどっちでも構いませんよね。
とりあえず真っ先に目に止まった……トウモロコシっぽい植物の世話をしていたお婆さんに声をかけてみましょう。
何をするにしてもまずは情報収集、これは基本でしょう。
「おや、旅人かい?こんな田舎のフサに来るのは珍しいねぇ」
どうやらフサの村だったらしい……このお婆さんは間違いなくいい人です、あたしの勘がそう言ってます。
「そうだ旅人さん、緑はあるかい?もしあったら少し分けてくれないかねぇ?」
緑とはこのモンスターから出てきた水晶?の事でしょうか?
文字通り腐る程ありますからいくらでも差し上げましょう。
お婆さんはそれを畑の真ん中に埋めたかと思いきやいきなり植物から実が……
これまんまトウモロコシではないですか!?
そういえば食べ物については一切聞いていませんでしたね……まあ少しずつ学んでいきましょう。
後から聞いたらあの水晶は生活に欠かせない物らしく……
・赤は火を出す、透き通っている程よく燃える
・青は水を生む、透き通っている程安全に飲める
・緑は植物を育てる、色が濃い程成長が早い
・黄は光源になる、色が濃い程明るくなる
それと極稀に白い水晶も見つかって、それは怪我や病気を治すのに使われるらしいです。
らしい、というのは実物がないからで……というかお婆さんも40年前に1度見たっきりと言う程の貴重品でした。
きっと難所に住んでる様なボスとかダンジョンの奥にある宝箱でしか見つからない様な代物なんでしょう。
そしてこの世界の旅人はアチコチ回って水晶を集め、それを村や町で売ってさすらう人をそう呼ぶみたいです。
つまり妨害とか関係なくモンスター自体は居たって事ですねトゥグア様……
聞かなかったあたしが言うのも何ですけどもう少し詳しく説明してくれたら嬉しかったです。
で、この村には宿も店もないらしくどうしようかと思っていましたが……
「良かったらウチに泊まるかい?」
「え、いいんですか?」
「緑を貰ったからねぇ、1晩ぐらい構わないよ」
緑のお礼にとお婆さんが泊めてくれました、本当にありがとうございます。
因みに夕飯は麦飯にトウモロコシとジャガイモ、大豆っぽい豆を突っ込んで牛乳でお粥にして、塩とチーズで味付けした物でした。
何なんですかこの炭水化物の寄せ集めは……食べますけど。
「結構美味いなこれ」
「トウモロコシが甘くて美味しいですね……チーズの塩気も柔らかいです」
これ胃に優しいけどお腹に溜まるし、美味しかったので作り方を教えて貰いましょう。
掌返し?掌は引っくり返す為にあるのです。
「ほれ、このグリンとレッドのサラダも食べてみるかい?」
おお……レタスにトマトだけとはいえチーズを溶かし混ぜたドレッシングが掛かっていて、凄く美味しいです。
しかもトマトが甘くて美味しい。
でも名前が……多分ですけどグリンはレタスで、レッドがトマトの事でしょうが覚えるのが大変そうです。
さて、この村はお風呂がないそうですし、身体を拭くにしても朝は早目に起きた方が良さそうですしすぐに寝て……ってその前にする事がありました。
「スミマセンが祈りを捧げられる場所はありますか?」
「それならそこの部屋が空いてるから、そこでするといいよ」
「ありがとうございます」
では早速……
親愛なるトゥグア様、本日は最初の村から祈りを捧げています。
初めての戦闘もそつなくこなせ、水晶についても知る事が出来ました。
ですがモンスターの詳細や水晶についてや、食べ物の名前の違いなんかは最初に説明して欲しかったです。
それとまだぎこちないながらも兄を名前で呼べる間柄になれました。
2年後の結婚式の仲人は是非ともトゥグア様にお願い致します。
「ふんぐるい むぐるうなふ トゥグア ほまる はうと うがあ ぐああ なふる たぐん…… ふんぐるい むぐるうなふ トゥグア ほまる はうと うがあ ぐああ なふる たぐん……」
「ちょっと待て!それは邪神を呼び出す呪文じゃないのか!というかそれ、唱える必要あるのか!?」
0
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説

ダークナイトはやめました
天宮暁
ファンタジー
七剣の都セブンスソード。魔剣士たちの集うその街で、最強にして最凶と恐れられるダークナイトがいた。
その名を、ナイン。畏怖とともにその名を呼ばれる青年は、しかし、ダークナイトをやめようとしていた。
「本当に……いいんですね?」
そう慰留するダークナイト拝剣殿の代表リィンに、ナインは固い決意とともにうなずきを返す。
「守るものができたからな」
闇の魔剣は守るには不向きだ。
自らが討った聖竜ハルディヤ。彼女から託された彼女の「仔」。竜の仔として育てられた少女ルディアを守るため、ナインは闇の魔剣を手放した。
新たに握るのは、誰かを守るのに適した光の魔剣。
ナインは、ホーリーナイトに転職しようとしていた。
「でも、ナインさんはダークナイトの適正がSSSです。その分ホーリーナイトの適正は低いんじゃ?」
そう尋ねるリィンに、ナインは平然と答えた。
「Cだな」
「し、C!? そんな、もったいなさすぎます!」
「だよな。適正SSSを捨ててCなんてどうかしてる」
だが、ナインの決意は変わらない。
――最強と謳われたダークナイトは、いかにして「守る強さ」を手に入れるのか?
強さのみを求めてきた青年と、竜の仔として育てられた娘の、奇妙な共同生活が始まった。
(※ この作品はスマホでの表示に最適化しています。文中で改行が生じるかたは、ピンチインで表示を若干小さくしていただくと型崩れしないと思います。)


出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。

美少女に転生して料理して生きてくことになりました。
ゆーぞー
ファンタジー
田中真理子32歳、独身、失業中。
飲めないお酒を飲んでぶったおれた。
気がついたらマリアンヌという12歳の美少女になっていた。
その世界は加護を受けた人間しか料理をすることができない世界だった

RD令嬢のまかないごはん
雨愁軒経
ファンタジー
辺境都市ケレスの片隅で食堂を営む少女・エリカ――またの名を、小日向絵梨花。
都市を治める伯爵家の令嬢として転生していた彼女だったが、性に合わないという理由で家を飛び出し、野望のために突き進んでいた。
そんなある日、家が勝手に決めた婚約の報せが届く。
相手は、最近ケレスに移住してきてシアリーズ家の預かりとなった子爵・ヒース。
彼は呪われているために追放されたという噂で有名だった。
礼儀として一度は会っておこうとヒースの下を訪れたエリカは、そこで彼の『呪い』の正体に気が付いた。
「――たとえ天が見放しても、私は絶対に見放さないわ」
元管理栄養士の伯爵令嬢は、今日も誰かの笑顔のためにフライパンを握る。
大さじの願いに、夢と希望をひとつまみ。お悩み解決異世界ごはんファンタジー!

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる