魔女に心を奪われて

焼魚圭

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前夜の告白

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 晩ごはんの後に待っているそれ、風呂の時。十也は奈々美の家で生活を始めたばかりの頃こそは奈々美が風呂に入って来ないか怯えつつ警戒していたものの、流石に実行までには至っていなかった。特に何が起こるわけでもなく風呂から上がった十也は居間へと向かう。そこでは奈々美が正座をして湯呑みを持っていた。緑茶を啜り、十也に微笑みかける。
「どう? 気持ちよかった?」
 純粋に訊ねただけなのかふざけて言っているのか、少しばかりいやらしさを感じる。きっとふざけているに違いない、そう思った十也は質問に質問で返すことにした。
「変なこと考えながら訊いてない?」
「ごめんなさいね、いつもアナタのことばかり考えているものだから自然とそのような感情が出てしまっていたかも知れないわね」
 つまり悪意はない、そう言いたいわけであった。
 奈々美は緑茶を飲み終えて、台所へと向かった。そして片付けを迅速に済ませて十也の元へと戻って来た。
「それじゃあ、十也。どうしても見せたいものがあるの」
 そう言葉にする奈々美の顔は楽しみと言うよりは影が差しているようで。
 一度大きく息を吸ってそして吐いて。奈々美は服を脱ぎ始めた。その瞬間十也は目を覆うも奈々美はそれを取り払う。
 十也が次に見た愛する人の表情は少し厳しいものであった。
「お願い、別にエッチなこととかではないの。学校に行くよりも前に私のことで……大切なこと、教えたいことなのだから」
 そう語った上でローブを脱ぎ、美しい身体、そこに付けられた、というよりも広く侵食して爛れた跡、火傷の跡が痛々しく刻み付けられていた。
「以前四大元素の内の3つが扱える、そう言ったのは覚えているわよね。これが火を使った結果よ…………痛々しいでしょ。十也には受け止め切れるかしら」
 しばらくの間、揺れながら火傷の跡を眺めていた十也であったがふと顔を緩めて奈々美の顔を見つめるのであった。
「大丈夫、どんな姿でも奈々美は奈々美だから。とても綺麗で優しい歳上のボクの最愛の彼女だよ」
「ありがとう」
 それほどまでに美しい奈々美の貌、いつも妖しい表情をする奈々美の晴れた貌を見て十也はただただステキだと感じていた。
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