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風使いと〈斬撃の巫女〉
一真との甘い時間
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那雪は仲間の住むアパートへと足を運ぶ。道を通りすれ違う人々、小さな女の子を連れて歩く若い女性は明るい茶髪とメガネがよく似合っていて女の子が手を上げて繋いでいる様子、そんなふたりがとても微笑ましく思えていた。
-私もいつか、あんな感じで過ごせるのかな、ふふふ-
魔法の事、もしも那雪がその世界から縁を切ろうとすればきっと彼は笑って手を離すだろう。なゆきちが望むなら、それだけ残してきっと目の前からいなくなってしまう。そんな気がしていた。しかし、那雪はもう魔法の世界から手を離すつもりなど毛の先程もありはしなかった。
歩道の固い感触を愉しみながらアパートへと向かっていく。階段を一段一段踏みしめて、疲れ気味の身体を引き摺って、そしてたどり着いたそこでひと息おいて呼び鈴を鳴らす。
ドアが開き、出迎えた頼りない顔、しかし整った顔立ちをした男の姿を見て那雪は瞳を輝かせた。
「一真!」
「なゆきちー! 来てくれたのかっ! やった」
未だ冷めぬ恋の炎。それは一真も同じ事。
「やれやれ、キミらホント容赦なくイチャつくな。私みたいにホンモノの非モテだっているんだと肝に銘じておくんだね、何なら焼きごて持って『非モテの前でイチャつかない』って焼印肝に焼き付けるかい?」
「黙れ頭刹菜」
那雪を家に上げて一真は大人な女性、真昼に手を合わせて頼み始める。
「お願いだ、車貸して」
「なんで? ああ、デートね」
真昼は何かを見上げ思い浮かべて、そして言った。
「普通に運転しな」
刹菜が口を挟む。
「まあ良いじゃないか、本性さらけ出して冷められちゃいな」
一真は普通に運転することを誓うことで真昼から鍵を借りるのであった。
-私もいつか、あんな感じで過ごせるのかな、ふふふ-
魔法の事、もしも那雪がその世界から縁を切ろうとすればきっと彼は笑って手を離すだろう。なゆきちが望むなら、それだけ残してきっと目の前からいなくなってしまう。そんな気がしていた。しかし、那雪はもう魔法の世界から手を離すつもりなど毛の先程もありはしなかった。
歩道の固い感触を愉しみながらアパートへと向かっていく。階段を一段一段踏みしめて、疲れ気味の身体を引き摺って、そしてたどり着いたそこでひと息おいて呼び鈴を鳴らす。
ドアが開き、出迎えた頼りない顔、しかし整った顔立ちをした男の姿を見て那雪は瞳を輝かせた。
「一真!」
「なゆきちー! 来てくれたのかっ! やった」
未だ冷めぬ恋の炎。それは一真も同じ事。
「やれやれ、キミらホント容赦なくイチャつくな。私みたいにホンモノの非モテだっているんだと肝に銘じておくんだね、何なら焼きごて持って『非モテの前でイチャつかない』って焼印肝に焼き付けるかい?」
「黙れ頭刹菜」
那雪を家に上げて一真は大人な女性、真昼に手を合わせて頼み始める。
「お願いだ、車貸して」
「なんで? ああ、デートね」
真昼は何かを見上げ思い浮かべて、そして言った。
「普通に運転しな」
刹菜が口を挟む。
「まあ良いじゃないか、本性さらけ出して冷められちゃいな」
一真は普通に運転することを誓うことで真昼から鍵を借りるのであった。
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