地下牢に閉じ込められていたシリアスキラーが20年後に突然解放されたら、勇者は、雑魚だった。

2

俺は、そのまま歩き続けた。
その時、モンスターらしい動物が通っていた。
俺は、その動物に石を投げつけた。
石は、頭に当たった。

「ｧ… … 」

頭は、粉砕した。
動物は、倒れて、頭から血を流し、血溜まりを作っていた。

その時、なんで殺したんだろう。
そんな気持ちが入ってきた。

殺したことに理由なんているのだろうか。
そんなことも今の俺には、わからない。
快感もないし、達成感もない。
ましてや、悲しむことさえもできない。

その時、俺は、こう感じた。


俺って、人間じゃない。


それだけだった。

人間じゃないから、悲しめないし、生きたいとか、死にたいとか、殺したいとか、守りたいとか、俺には、感じないんだろうな。

俺は、そのまま、歩き続けた。
意味がないのに。

その時、目の前をキラキラした鎧を着た人たちが歩いていた。
1人は、剣を持って。
もう1人は、盾を持って。
もう1人は、杖を持って。
そして、最後の1人は、キラキラと輝く光に包まれていた。

その人たちは、俺を見て近づいてきた。

「だ… … か？」

聞こえない。
聞き取れない。
耳も死んだ。
俺は、世界から離れたところにいるのだろうか。
俺に生きている価値なんてあるのだろうか。