迷宮探偵〜迷宮での事件を解決する最強探偵ここにあらわる〜

魔狼ちゃん

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第二章

25.

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✴︎
 俺は,執行室の扉の前に立って、ノックをした。

「入れ」

 その声を聞くと同時に俺は,扉を開けた。
 そこに合った光景は,迷宮に入る前と変わらない。
 いっぱい散らばった書類に埋もれる父上の姿があった。

「さて、なんの話かな?」

 父上は,椅子に座って事務作業をしながら,そう問いかけてきた。
 俺は,父上の事務作業をしている机の前に立って話し始めた。

「話は,以前した通りです。カレン王女との婚約破棄をお願いしているのです」
「あのなぁ、シスコンは,世の中で生きていけないぞ?」
「……」

 その一言で俺は,少しピキッとなった。
 別にシスコンというわけでは,ない。
 ただ、王女との婚約が嫌だったので、シスコンということで演技をしていたら、さらに皇女は,俺のこと好きになるし、妹までもが俺のことを好きになると言う不測の事態に陥ったと言う訳だ。

「あのですね……」
「なんだ?」
「変なタイミングで相槌打つのやめてもらっていいですか?」
「あぁ」
「それでですね。あれ全部演技なんですけど?」

 その時の父上の顔は、今まで見たことがなかった以上に衝撃を受けていた。
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