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第一章

21.

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 俺の目の前には,ギルド長がいる。
 そのギルド長は,俺を見て

「んで,どこまで行ってきた?てか,どこから帰ってきた?てか,その嬢ちゃん誰?」
「待ってくださ……」
「私はっ!メ……」
「お前ちょっと黙ってようか?」

 俺は,頭を掴んで,そう言った。
 そして,ギルド長に向き直って,

「まず,迷宮は,全て探索し終わりました」
「おお……」
「ただ,百五十層が入口のみで出口がなく,出られなくなったので,上に穴を開けて,道案内をお願いして帰ってきました」
「それが彼女かい?」
「まぁ,それが一つの理由です。もう一つは,言いません」
「まぁ,いい。それが,迷宮の出入り口から帰ってこなかった理由だな。じゃあ,次だ。その嬢ちゃんは,誰だ?」

 俺は,カラミラを見て,

「う?私か?私は,暗黒天使カラミラ。訳あって出てきたわ。あぁ,立ち位置は,助手ってことにしといてもらえるかしら?」

 そう言って,ギルド長を睨みつける。
 俺の心の中では,お願いだから,騒ぎを起こさないでくれと言う気持ちでいっぱいだった。
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