上 下
10 / 42
第一章

10.

しおりを挟む
「じゃ、まずな」

 そう言って、俺は、背表紙に二十二と書かれた本を取る。
 そして、その棚を一番右上から一番左下へと数え方で二十二番目に入れた。
 また、ある本は、背表紙に五と書かれていた。
 そして、同じ作業を繰り返す。

「赤の本は,合計二十冊だということは?」

 俺は,カラミラの方を見た。
 しかし、カラミラは,それどころじゃない様だ。

「では,一番右上の棚から一番左下の棚の数は,計八だ。じゃ、本の冊数は?」
「え?一つの棚にに以上?」
「どうしてそう考えられる?みてもないのに?」
「え?」

 そして、彼女は、本棚を見て、

「赤の本は,一、五、八、十一、十三、十六、二十、二十二、二十八、二十九、三十二、三十五、四十二、四十八、五十六、六十、六十六、七十、七十五、そして、八十番目のものがある」
「七十九冊しかないのに?」

 そうなのだ。
 彼女の言う通り、八十冊もないのに八十番目というのは、ありえない。
 否、有り得たとしても、おかしい。

「ということは?」
「もう一冊ある?」
「残念でした……」
「え?」

 俺は,歩き出して、彼女に背を向け、一冊ずつ本の番号を数える。

「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、十一、十二、十三、十四……六十八、六十九、七十、七十一、七十二、七十三、七十四、七十五、七十七」

 そこで、俺は,言うのをやめた。
 そして、彼女の方に向く。

「わかった?七十六番目の本が存在しない」
「ええ、それは,わかるわ。だけど、それが……」
「鍵の場所を開くための鍵」

 俺は,そう言って、七十六番目の本を置くはずのところを人差し指で押す。
 すると、カチッと音を立てて、本棚が横に動き始める。

「な、何が……」
「作動条件その一、すべての本を数字中に並べる。その二、赤の本の下には,重りを察知する魔法式があるので、間違っては,いけない。故に、赤の本を並べる。その三、ない本の番号を考え、その下に、スイッチがある。って言うだけの謎だよ?」

 俺は,そう言って、カラミラを見た。
 そして、俺は,ニヤッと笑った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

10のベッドシーン【R18】

日下奈緒
恋愛
男女の数だけベッドシーンがある。 この短編集は、ベッドシーンだけ切り取ったラブストーリーです。

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixabay並びにUnsplshの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名などはすべて仮称です。

獣人の里の仕置き小屋

真木
恋愛
ある狼獣人の里には、仕置き小屋というところがある。 獣人は愛情深く、その執着ゆえに伴侶が逃げ出すとき、獣人の夫が伴侶に仕置きをするところだ。 今夜もまた一人、里から出ようとして仕置き小屋に連れられてきた少女がいた。 仕置き小屋にあるものを見て、彼女は……。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

アダルトショップでオナホになった俺

ミヒロ
BL
初めて同士の長年の交際をしていた彼氏と喧嘩別れした弘樹。 覚えてしまった快楽に負け、彼女へのプレゼントというていで、と自分を慰める為にアダルトショップに行ったものの。 バイブやローションの品定めしていた弘樹自身が客や後には店員にオナホになる話し。 ※表紙イラスト as-AIart- 様(素敵なイラストありがとうございます!)

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

処理中です...