迷宮探偵〜迷宮での事件を解決する最強探偵ここにあらわる〜

魔狼ちゃん

文字の大きさ
上 下
2 / 42
第一章

2.

しおりを挟む
「てか、あんた……」
「誰だって言いたいんだろ?」

 俺は,笑ってカラミラの顔を見た。
  
「ま、当たり前よね。あんたの……」
「自己紹介が終わってないからね」

 俺は、また、話を遮って先に言った。
 そして、またカラミラが、

「……」
「人の話を最後まで聞けって習わなかったかってか?」

 流石にドン引きされた。
 
「……」
「未来予知できる体に見えるか?」

 さらに引かれる。
 俺は,このパターンを知っている。
 いつものことだから。

「ま、ここまで言えば引かれるよな……メイデンだ」
「え?」

 今は,ただ恐怖を感じているらしい。
 だろうな、しか言えない自分が悪い気がしてきた。

「だ~か~ら、メイデンだって言ってんだろ?」
「あ!」

 そこで本題を思い出したかのような顔をしているカラミラがいる。
 これで暗黒天使名乗られたら、なんか、不安というか、なんというか、

「権威のための称号みたいだな……」

 俺は,小声でボソッと言った。

「さて、さらに一層降りるけど、どうするの?」

 俺は,カラミラに対して言った。

「え?まだ、降りるんですか?もう九十八層ですよ!」
「んなこと知ってるよ。次の次でエリアボス中級だなんてことぐれぇ」

 俺は,さらに続ける。

「あんさ、お前がどうするか聞いたけどよ、俺は,降りるから、上がんなら、一人で上がるか、銅貨一枚でワープくれでさせてやる。どうするだ?」

 俺は,そう言った。
 すると、カラミラは、

「いや、危険ですって」
「あ?何が危険なんだ?」

 まだ、一人でいると危険だとアピールしてくる。
 ここまで言ったのにも関わらず。

「あんな、俺は,仕事中なんだよ」

 俺は,そう言った。

「え?」

 カラミラは、変なとこから声を出した。

「テメェ、どっから声出してんだ?変な声出しやがって」

 俺は,ちょっと笑っていた。
 しかし,カラミラの顔は,真剣そのものだった。

「だから、引き返しましょう!」

 そこで俺は,何か引っかかった。

「なぁ、お前、なんで、こんなに引き返させようとすんだ?」
「危ないか……」
「いや、そうじゃない。確かに、危ないってのは,わかるけどよ。初めましての相手にそこまで言うやつそんなにいねぇだろ。要は、お前、仲間を殺したか、目の前で殺されたな」

 俺は,カラミラにそう言った。
 その時、カラミラの目から涙が溢れた。
 その様子は,まるで、水をいっぱい入れた風船が爆発したかのようだった。

「……目の前で百層のエリアボスに……」
「おっし、じゃ,今から言って殺しますか」

 俺は,立ち上がってそう言った。
 その様子を見て、カラミラが、さらに驚いていた。
 それを見て、俺は,カラミラに向けて、ニヤッと笑った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

傀儡といしの蜃気楼 ~消えた王女を捜す旅から始まる、夢の世界のものがたり~

遠野月
ファンタジー
これは、現実の裏側に存在する、≪夢の世界≫のものがたり。 殺された妹、その無残を乗り越えられずにいた冒険者ラトス。 死の真相を探るべく足掻いた先で、行方不明となっている王女の捜索依頼を受けることになる。 王女の従者メリーを連れて森に入ったラトスは、王女が消えたその場所から夢の世界に迷いこむ。 奇妙がうずまく夢の世界に王女も囚われていると知り、ラトスたちは救出に向かう。しかしそのためには、怪物が巣食う悪夢の回廊を通り抜けていかなければならないのだという。 ラトスは旅の途中で出会った協力者たちの助力を得て、様々な困難を乗り越えていく。 現実とつながっている夢の世界は、様々な思想、感情などで構成されている。 広大な草原に浮かぶ、巨大な岩山。 岩山の中には、現実世界に生きるすべての人間が持つ、個人の夢の世界がある。それらはすべて、個人の記憶、思想、感情で盛衰しつづけている。 個人の夢の世界をつなぐ悪夢の回廊は、悪しき感情で満ちている。 悪から生まれた怪物たちは、悪夢の回廊を通り抜けようとする者に襲いかかる。 さらに、七つの大罪の元となる「八つの悪徳」から生まれた怪物は、猛る爪と牙をラトスたちに向ける。 現実感のある不思議がうずまく、夢幻。 誰もが感じ、夢想した世界が、このものがたりで形となる。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

サディストの私がM男を多頭飼いした時のお話

トシコ
ファンタジー
素人の女王様である私がマゾの男性を飼うのはリスクもありますが、生活に余裕の出来た私には癒しの空間でした。結婚しないで管理職になった女性は周りから見る目も厳しく、私は自分だけの城を作りまあした。そこで私とM男の週末の生活を祖紹介します。半分はノンフィクション、そして半分はフィクションです。

光華諸学院奇譚~自分のわからない転校生は、謎の学院でイバラ姫を溺愛します。

此寺 美津己
ファンタジー
「とにかく、光華諸学院に転校しろ。」 立場的には、ぼくの義父なのだろうが無茶を言ってくれる。光華? 諸学院とはなんぞ? 「大丈夫だ! 行けばすべてわかるようになっている。青春ってやつを満喫してくるんだ、槇村龍斗(まきむらりゅうと)。」 リュートは、義理の父とはあまり、仲がよろしくなかった。 「なんなんですか? この光華諸学院というのは。」 「全寮制の中等教育機関だ。」 「どこにあるんです?」 「聞いてどうする。」 「行くんですよ。当然でしょう。」 「……知らんな。」 「そんなはずないでしょう。あなた、今、全寮制っていいましたよね。ということは、どこかにあるんでしょう?」 「ないものはない。」 「嘘をおっしゃい。それとも、ぼくには教えたくないんですか?」 「お前には関係ないことだ。」 「ありますとも! 学校に行くのはぼくですよ!」 「だったらなんだというんだ。」 「あなたはいつもそうだ。ぼく自分の都合のいいように利用して、都合が悪くなると放り出す。」 リュートは、遠い目をした。 「いや、都合が悪くなって放り出しても都合よく利用する。」 「それがどうした。お前がなにをするかは、行った先でお前が決めることだ。私は関係がない。」 「あなたのそういう態度が、ぼくの人生を狂わせたんです。」 「そうかもしれんな。だが、お前はそれを望んでいたんじゃないのか?」 「よく言う……!」 リュートは、思わず、笑いだした 笑うしかない状況だ。 突然、全寮制の学校に叩き込まれ、しかもそれがどこにあるのかも分からないときている!笑わずにいられるだろうか? いや、いられない。 だが、それはそれだ。 問題は、どうやって、この義父(とでも呼ぶしかあるまい)から逃げ出すかだ。 そのことだけを考えよう。 「わかりました。言われた通りにいたしましょう? で、いつ出立いたします?」 義父は、一抱えほどもあるトランクをよっこらしょと、言いながら取り出して、リュートに手渡した。 「なんて、行き届いた『親』なんだろう。準備は完璧だ。」 「まさか、今晩出立しろ、と。」 「まさか! 今晩のわけないだろう?」 「デスよね!」 二人は声をそろえて笑った。 「今すぐに決まってるだろう?」 はあ? リュートの周りで世界がぐるぐる回ったような気がした。

処理中です...