ご主人様の安寧を守るのは当然です!

インスタントサーチャー

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本編

8、ご主人様の悩みの種を見つけろ

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チャイムが昼の時間を告げた。

「うっし、昼だ!…なぁ、佐藤も学食行くか?」
「うん。学食気になってたんだ。」
「ここの学食、元々有名ホテルのシェフやってた人が作ってんだって。美味いよ。」
「へぇ、気になるな…。」

椎葉が昼に誘ってくれたので、その誘いにのることにする。

「八重坂も行くだろ?」
「は?俺はキラキラしてる奴とは食べないよ!貴重なウォッチング時間なのに…それに、お前のファンに殺される!」
「毎回何言ってんだよ。ほら、行くぞー。」
「くっ、この馬鹿力………さ、佐藤助けて…っ、受けパワーでメロメロにして、俺の存在をかき消して…」

椎葉は、嫌がる八重坂の肩を掴み半強制的に連れて行こうとする。
この学園で初めての学友になり得る存在にこういうのも悪くないと、椎葉に加勢することとした。

「…ねぇ、八重坂くん。付き合って。」

八重坂の目を真っ直ぐみる。

「何それっ、やっっっば!攻め視点の体験。…んぁーーー、佐藤もいるとなると怖すぎるが…………おい、絶対食堂では隅っこの席確保だからな。」

ぐぬぬ、と言いつつ八重坂はどうやら一緒に行ってくれるようだ。まだ、椎葉を睨みつけながら、文句を言っているが、そんな文句はまるで聞こえていないというように気にせず、笑いながらずるずると連れていった。
そんな様子をくすりと笑って、俺も二人に着いて行った。


……
………
…………



「えっと…ここが、学食…?」
「そ、ここ。」
「驚いてるその顔もいい…。」


まるでどこかの高級ホテルのパーティー会場に迷い込んだようだった。
ウェイターまでいるようで、テーブルとテーブルの間をするりと抜け手際よく片付けをする姿に感心する。

「一カ月すると慣れてくるけど、最初はそうなるよな。…俺もそうだった。」
「学校…だよね?」
「もちろん。だけど、色んなご子息が通う…な。」

学生寮も息子の入学に合わせて新装する家庭もあるくらいだ。ここもきっと、財力を持ち合わせた家庭の支援があったのかなと想像する。

メニュー表をウェイターから受け取る。ぺことお辞儀をして、注文の列に足を進める。

「…おい、俺はあっちの方に席取りしてるからっ。Aランチな。」

背を丸め俺たちに隠れようとしていた八重坂から声がかかる。

「了解。悪いなー。」

列から抜ける八重坂に椎葉が手を挙げる。
八重坂の向かった方を見ていると、複数の視線が向いている事に気づいた。

「今日も、椎葉くんカッコいいね!」
「ね!イケメン!」
「こっち向いてくれないかなー」
「一緒にいるの誰だろ」

どうやら視線を集めていたのは椎葉のようだ。肩をとんと叩き、声をかける。

「ん?メニュー決まんない?迷ってんなら両方頼んで分ける?」
「や、違くて…椎葉くんのこと話してる人結構いるなって。」
「あぁ」

俺が見ていた方に椎葉も向く。
話していた生徒に椎葉が頭を下げると、きゃあと黄色い声といえばいいのか、歓声が上がった。

「…もしかして、僕が知らなかっただけで、椎葉くんって有名なアイドルとかだった?」
「や、普通の学生。…自分で言うのもアレだけど、ファンと言うか…応援してくれてんだよな。部活の練習とかも見に来てくれたりしてて。」
「へぇ、人気者だったんだね。」
「同じ部活の先輩のがやばいよ。…ま、所謂役職付きの人たちのが凄いけどなぁ。八重坂のが詳しいと思うよ。」

椎葉の話からすると、人気の生徒にはファンがつくらしい。

色んな初めてに混乱しながらも、ぐぅと鳴ったお腹にまずは食事だと、俺もAランチを頼むことにした。



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