お馬鹿令嬢とその婚約者

引きこもりニート

文字の大きさ
上 下
4 / 11

4. 決心

しおりを挟む
(なんで私はこんなに色々とやらかすのでしょうか。だからブラッド様にも嫌われるのですわ、、。)

「はぁ、、。」

落ち込んで中庭のベンチに座っていると

「どうしたの?そんなため息ついて」

「え??」

いきなり話しかけてきたので驚いて声のする方を見ると、この国の第一王子アラン殿下がいた。ちなみにフルネームはアラン・ショーント・ロシナン様です。

「ショ、ショーント殿下!!失礼いたしました!!こちらにいるとは思わず、、。」

「いや、いいよ!そんなに謝らなくて、いきなり話しかけたのは僕だし」

 ニコッ

(た、たしかに笑顔が眩しいですわ。)

「それより何かあったのかい??君はホーキンス公爵家の娘リシェル嬢でしょ?何かあるなら相談にのるよ?」

「は、はい、、。ご挨拶が遅れて申し訳ありません。お初にお目にかかります。公爵家の娘リシェル・ホーキンスと申します。それと、相談するほどでは、、。あっ!!あります!相談!!あの、、男性はどういった女性が好みなのでしょうか!!」

・・・・・。

あ、、この間。もしかして今度は殿下の前でもやらかしてしまった??

「も、、申し訳ありません!やはり先程私が言ったことは忘れてください!!!」

急いで立ち上がって謝罪すると

「え?あ、、いやこちらこそすまない、聞いていた性格とだいぶ違うから驚いてしまった。」

私の性格??

「えっと、男性の好みのタイプだっけ??」

「あ、いえ、ほんとに大丈夫ですので忘れてください、、。」

「いや、僕から相談にのるっていったんだから相談に乗らせてよ。そうだね、、好みと言っても人によるからね、、。」

「やっぱりそうですよね、、。」

「ちなみに、好みのタイプとは誰か特定の男性で、その人のタイプが知りたいということかな??」

(こ、これ言ってもいいのかしら、、?)

少し考えてから
「その、、ブラッド・ローレンス様の好みが知りたいのです、、。」

「ブラッドの??あぁ!君はブラッドの婚約者か!」

ブラッド様と殿下は仲がいいのかしら?

「ブラッドの好みのタイプか、、。あ、そういえば前に聞いた時・・・」


~回想~

『タイプ??そんなこと聞いてどうするんですか。』

『えー気になるじゃん!教えてよ!!教えてくれないなら公務やらない!!』

『はぁ、、。いい加減にしてください。子供ですか、あなたは。』
『あるだろう?何か一つでも。言わないと本当にやらないからな!!』

『言えばいいんですよね、言ったらちゃんと真面目にやってくださいよ?!タイプ、、そうですね、、、。物静かで、お喋りじゃなくて、私のことを追いかけまわさず、、、小動物のような女性ですかね。ちなみ髪色は暖色系がタイプです。』


「って言ってたような、、。あまりにも具体的すぎて好き令嬢でもいるのかと思ったくら、、い、、。」

ハッ
「いや、ごめん!いないと思うよ!!うん、適当に言ったんじゃないかな?!!」

(私とは真逆ですわ、、。そりゃ私を好きになってくれるはずないですわね、、。)

「・・・・。殿下はもし好みのタイプとは似ても似つかない女性と無理矢理婚約させられたらどう思いますか??」

「えっ?!えっと、、そうだね、、うーん、僕は王族だし仕方ないなと思うかな。でも一緒に過ごしていくうちにその婚約者のことを好きなる可能性もあるんじゃないかな??」

「他に好きな人がいて、どうしても婚約者のことを好きになれない時どうですか??」

「うーん、、好きな人と一緒になれないのは辛いとは思うけど諦めるかな」

「やっぱり辛いですか??」

「まぁ、、好きな人と一緒になれないのは辛いんじゃないかな?」

「そうですよね・・。よし!私決めましたわ!!」

「・・・・うん??」

「私、ブラッド様との婚約を解消します!!!」

「・・・えっ?!!いや、そんなすぐ決めていいの?!!それにさっきのは僕の考えであって、、」

「いいえ!もう決めましたの!!それにすぐではありませんわ?前々から考えていましたの。婚約で縛っても意味がないと。それでも、、ただブラッド様の隣にいることを諦められなくて先延ばししてしまっていたんですの。」

そう告げていると、いつのまにか涙が止まらなくなっていました。

「あれ、、??な、涙が止まりませんわ、、?殿下の前でこんな失態。ブラッド様に知られたら、ない好感度がまたさらにマイナスになってしまいますわ!!?、うっ、、んっ、ヒクッ。」

「シェリル嬢」

殿下は心配そうにこっちを見ている。

「私、初めて会った時からずっと好きだったんですの。ブラッド様に釣り合うために嫌いな勉強もダンスも礼儀も全て頑張ってきたんです。そのおかげで、教養は身についていい方向にに変わったのですけど。ブラッド様は私を正しい方向に導いてくれる太陽のような存在です。彼を思うと彼が正しくあるように、私も正しくいようと思うことができるんです。
それにブラッド様は冷たいように見えてとても優しい方なんです。この前なんか花壇のお花が元気がないのに気がついて、お水をあげていて今でも定期的に面倒を見てるんです。またある時は、嫌いな婚約者とのお茶会にも必ず出席してくださるんです。私のつまらない話も聞きたくないだろうに、ちゃんと聞いてくれるんです。ぶっきらぼうにいつも相槌を打つので聞いてないように思えますが彼はちゃんと聞いてくれてるんです。それに見た目も素敵ですしね!!ヒクッ、、。
そんな彼だから私は諦められなかったのですけど、、、今日で決心がつきましたわ!!
こんな長々と話を聞いてくださりありがとうございました!!お礼はいつか必ずいたします!!
私、この決心が揺らがないうちにここら辺で失礼しますね!!!」

私は喋るだけ喋って失礼だとは思ったが、急いで家に帰った。

(嵐みたいな子だったんだな。それに表情がくるくる変わって、、かわい、、。)

「・・・え??可愛い??いや、、ダメだろ。うん。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

年増令嬢と記憶喪失

くきの助
恋愛
「お前みたいな年増に迫られても気持ち悪いだけなんだよ!」 そう言って思い切りローズを突き飛ばしてきたのは今日夫となったばかりのエリックである。 ちなみにベッドに座っていただけで迫ってはいない。 「吐き気がする!」と言いながら自室の扉を音を立てて開けて出ていった。 年増か‥仕方がない‥‥。 なぜなら彼は5才も年下。加えて付き合いの長い年下の恋人がいるのだから。 次の日事故で頭を強く打ち記憶が混濁したのを記憶喪失と間違われ、ならばとそのまま記憶喪失のフリをしたまま離縁しようと画策するが……

すれ違ってしまった恋

秋風 爽籟
恋愛
別れてから何年も経って大切だと気が付いた… それでも、いつか戻れると思っていた… でも現実は厳しく、すれ違ってばかり…

みんながみんな「あの子の方がお似合いだ」というので、婚約の白紙化を提案してみようと思います

下菊みこと
恋愛
ちょっとどころかだいぶ天然の入ったお嬢さんが、なんとか頑張って婚約の白紙化を狙った結果のお話。 御都合主義のハッピーエンドです。 元鞘に戻ります。 ざまぁはうるさい外野に添えるだけ。 小説家になろう様でも投稿しています。

蔑ろにされた王妃と見限られた国王

奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています 国王陛下には愛する女性がいた。 彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。 私は、そんな陛下と結婚した。 国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。 でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。 そしてもう一つ。 私も陛下も知らないことがあった。 彼女のことを。彼女の正体を。

【完結】少年の懺悔、少女の願い

干野ワニ
恋愛
伯爵家の嫡男に生まれたフェルナンには、ロズリーヌという幼い頃からの『親友』がいた。「気取ったご令嬢なんかと結婚するくらいならロズがいい」というフェルナンの希望で、二人は一年後に婚約することになったのだが……伯爵夫人となるべく王都での行儀見習いを終えた『親友』は、すっかり別人の『ご令嬢』となっていた。 そんな彼女に置いて行かれたと感じたフェルナンは、思わず「奔放な義妹の方が良い」などと言ってしまい―― なぜあの時、本当の気持ちを伝えておかなかったのか。 後悔しても、もう遅いのだ。 ※本編が全7話で悲恋、後日談が全2話でハッピーエンド予定です。 ※長編のスピンオフですが、単体で読めます。

むしゃくしゃしてやりましたの。後悔はしておりませんわ。

緑谷めい
恋愛
「むしゃくしゃしてやりましたの。後悔はしておりませんわ」  そう、むしゃくしゃしてやった。後悔はしていない。    私は、カトリーヌ・ナルセー。17歳。  ナルセー公爵家の長女であり、第2王子ハロルド殿下の婚約者である。父のナルセー公爵は、この国の宰相だ。  その父は、今、私の目の前で、顔面蒼白になっている。 「カトリーヌ、もう一度言ってくれ。私の聞き間違いかもしれぬから」  お父様、お気の毒ですけれど、お聞き間違いではございませんわ。では、もう一度言いますわよ。 「今日、王宮で、ハロルド様に往復ビンタを浴びせ、更に足で蹴りつけましたの」  

それぞれのその後

京佳
恋愛
婚約者の裏切りから始まるそれぞれのその後のお話し。 ざまぁ ゆるゆる設定

婚約者とその幼なじみの距離感の近さに慣れてしまっていましたが、婚約解消することになって本当に良かったです

珠宮さくら
恋愛
アナスターシャは婚約者とその幼なじみの距離感に何か言う気も失せてしまっていた。そんな二人によってアナスターシャの婚約が解消されることになったのだが……。 ※全4話。

処理中です...