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「~序章~ 波乱の恋心」

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街を探し、彷徨っている天白楓は、
鼻歌を歌いながら、闊歩しているようだ…

「ルンルン…ふふん♪」

「あれ?ここ何処なんだろ…
 誰か~街が何処にあるのか教えてよぉ…」

「カーン!!ガシーン!!」

「んっ?何処かで、誰か戦っているのか?」
 あれは…盗賊か!?」

近くで、誰かが盗賊に襲われているようだ…
気付かれないように近付き、
敵の人数を確認した。

「盗賊の数は10人…
 狙われているのは馬車に乗っている人か…
 馬車を守っているのは2人…厳しいな。
 このままじゃ、人数差で殺られるだろう…
 どうにか助けてあげれないか…」

天白は盗賊の意識を自分に、
向かせる案を模索した…

「よし…偽善者の天白楓!
 初戦闘と行こうか!!

 策は、盗賊の注意を私に向ける…
 その間に、あそこで戦闘している護衛が、
 動いてくれれば、丸く収まる…

 最終的にリーダー格を屠る。

 恐らく、盗賊を率いているのは、
 あそこにいる大柄な男が、
 リーダーだろう…
 あいつだけ馬車を護衛している人達を、
 攻撃していない…舐めプってやつか?」

馬車を守っている人が刺されてしまった…

「グサッ…ガハッ…不意打ちに飛び道具か…
 これしきで、倒れるわけにはいかない!!
 盗賊よ!!俺の血肉になるんだな!!
 ガハハハッ!!オラアァァ!!」

「ブオオオオォォォン!!」

「護衛が本気になったか…
 それで、俺達に勝てると思っているのか?
 俺の手で屠ってやる!!来い!!」

「フィリップ…後の事は任せた…
 なんとしてもを御守りするのだ!」

「ハッ!!このフィリップが命を懸けて、
 を御守り致します!
 ユリアさん必ず帰ってきてください!」

「あぁ…行ってくる!!…ガハハハッ!!
 お前の首を斬り落としてやる!!」

「ボキッ…」

「あっ・・・ああぁぁぁぁっ!!
 誰か~お助け~!!」

天白楓が木の枝の上で、
長い事観察していたため、
枝が悲鳴をあげて折れてしまったようだ…

「あいつは誰だ?」

「シュッ!!ボトッ…」

「盗賊さん、隙ありだよ…
 戦闘中に余所見はいけないなぁ…」

 想定外ののおかげで、
 あっさりと仕留められたよ…

「「「「リーダーっ!?」」」」

「リーダー…即死している!!」
「首を一刀両断か…あの乱入者は何者だ?」
「舐められたものだな…あの方を攫え!!」
「乱入者を殺せ!!」

「ガハハハッ!!油断大敵…
 犯罪者に情け無し!!殲滅してやる!!」

「うわーー!!ドサッ…ふぅ…
 リーダーは屠れたが、残党が
 馬車と私の方に向かってきているわね…
 馬車の所まで移動するか…
 いや、正体を明かす方が、
 相手の集中力を削げるよね!!」

 馬車を襲いに行った残党の下に、
 天白は走った…それを追うように、
 天白に狙いを定めた残党も走った…

「はぁはぁ…ちょ、ちょっと待って!!
 攻撃ストップ!!」

「「「「「女!?」」」」」

「「「「「「ドタドタ!!」」」」」」

「「こいつは、乱入者だ!!殺せ!!」」

「いきなり、殺されるのは嫌です!!
 私の身体を好きにしても良いですよ?
 取引しませんか?」

「下着を脱げ!!取引はそれからだ…」

「貴方達も男なのね…仕方ないわ…
 脱ぐからこっちを見ないでね!」

「あぁ。振り返らない…」

「ありがとう…バサッ…しゅるる…
 もういいわよ。こっち向いて…」

 取引を興奮していた男性は、
 意気揚々と振り返った。
 だが、振り返った目の前には、
 鋭利な金属が待ち構えていた…

「死ね!ブツッ…」

「ガハッ!?グハッ…ボサッ・・・」

「「「このやろう!!
 よくも殺したな!!」」」

「人の身体を好きにするなら、
 自分の身体も犠牲にするってことでしょ?
 甘えたことでは、生きていけないわよ…」

「ふぅ…その通りだな!」

「おい!お前も返事しろよ…んっ?!?
 息をしていない…死んでいるのか!!」

「貴様がそこにいるお嬢さんと楽しく、
 お話している間に、斬り殺したぞ!」

「貴様…背後から攻撃するなんて、
 卑怯ではないか!
 正々堂々と攻撃しろよ!!」

「命懸けの戦いだ!
 勝たなければ、死ぬだけ…

 俺はお前の部下の戦いを真似ただけだぞ!

 俺が不意打ちで攻撃するのは卑怯で、
 お前の部下のやり方は、
 汚くないと言えるのか?」

「ふっ…俺らのやり方は俺らに適用される。
 そして、お前らは俺のターゲットだ!
 俺らの糧になるんだから、お前らが、
 生き延びようと足掻くのは、
 卑劣極まりない。」

「卑劣だから無残にも死ねと言うのか…?」

「あぁ、そうだ。お前らの行動は間違いだ!
 弱ってる相手に卑劣な攻撃を、
 する必要が無いだろ!!」

「弱っていようが敵は敵だ…
 情けは無用だ!」

「チッ…情に流されないか…
 こうなったら、目的完遂することが、
 俺が最優先するべきだ!!」

「そうか…いや、お前らはそうだったな…」

「・・・お前はもしや…」

「シュッ!!ドサッ…シュン…」

「要らぬことまで語るな、外道!!」

天白楓は残党が居ないことを確認して、
窮地にも関わらず、救ってくれた人に、
駆け寄った。

「助けていただき、ありがとうございます!
 私の名は、楓と言います…」

ここで私の名前を公開しちゃうと、
面倒だから名前だけ伝えとこ!

「俺の名は、ユリアです!
 こちらこそ、敵の視線を狂わせて
 いただき、ありがとうございます!
 お陰様で、敵を排除することが、
 できました!」

「あははは…いいですよ…
 それより、一つお聞きしたいことが…」

「はい!何でも訪ねてください!」

「では、あの馬車には、
 誰が乗っているのですか?」

「フィリップとの会話を、
 聞かれていましたか…
 気付けなかった俺の責任だな…
 馬車に乗っているのはお姫様です…
 ご案内いたします!」

 ユリアの案内の下、馬車に戻り、
 お姫様とご対面…

「初めまして、楓です!
 道に彷徨っていた時に、
 戦闘音が聞こえてきましたので、
 駆けつけました!!偽善者です!
 街に行きたいです!!」

「初めまして…シルベ・ローズマリーです!
 この度は助けていただき、
 ありがとうございます!
 この馬車を護衛していたのは、
 護衛兼側近のユリアとフィリップです!」

「フィリップと言います!!
 ユリアさんを助けていただき、
 ありがとうございます!
 ユリアさんが約束通り、
 帰ってきてくれたぞぉぉ!!」

「フィリップ…心配させたな…
 シルベ様…楓さんは敵の意識を、
 引き付けてくれたんですよ!」

「その節はありがとうございます!!」

「いえいえ…私は人助けをするために、
 生まれてきたのでしょう!!
 この偽善者わたしがいる限り、
 悪は許しませんぞ!!」

「ほう…偽善者と豪語するだけのことは、
 あるみたいね…
 街に行く方法を知りたいのだったかな…
 私達も街に行くから、一緒にどうかな?」

「よろしいのでしょうか?」

「遠慮しなくていいわよ!
 恩人にはお返ししているだけだもん!」

「ありがとうございます!
 是非とも、お願いします!
 それと、何故シルベ姫様は、
 盗賊に狙われていたんですか?
 最期の盗賊の発言にも気になります…
 もしや、ユリアさんは敵襲があるのを、
 知っていたのですか?」

「私が狙われている理由は、
 婚約者が原因だわ。

 その、婚約者は女好きな事が有名で、
 結婚すれば、一生表舞台に立てないと、
 噂されているわ。

 噂の裏取りは済んでいるわよ…
 噂通りの人だったわ…

 婚約者が盗賊や殺し屋に、
 私を攫うよう依頼したみたいでね…
 
 移動しているタイミングを見計らわれ、
 襲われてしまったわ…

 婚約者が私を攫って何をしたいのか、
 わかんないが攫われるわけには、
 いかないわ!!」

「はぁ…俺が盗賊のアジトに潜入調査したか
 ら、盗賊の動きを理解しているんだよ。」

「本当にそれだけですか?
 私には、あの盗賊に名前がバレることを、
 忌避していたように感じましたが…
 名前がバレると困ることが、
 あるのですか?」

「姫さんの護衛だから、バレると困るだろ…
 それに、俺は盗賊に顔が、
 バレているからな!
 気付かれた以上、殺さなければならない。
 生かしていれば、被害を被るからな!」

「・・・」

「シルベ様が狙われる前から、
 調べていて分かったことだが、
 盗賊は仲間の事を、ニックネームで、
 呼び、本名を隠していると判明している…

 なにより、先程の盗賊もニックネームで、
 呼ばれていたぞ!

 俺達の名前が盗賊にバレて、
 困るのはおかしいぞ!!」

「チッ・・・」

「裏切者かな~?
 誰に依頼されたのかなぁ~?」

「私は、ユリアに盗賊を調査するよう、
 依頼したことは無いわよね?」

「あぁ。シルベ姫に言われての、
 調査ではないからな!
 これは、姫さんの婚約者からの意向だ!」

「婚約者…あいつが…
 盗賊と何をするつもりだ!!」

「征服だよ…俺が襲われていたのも、
 自作自演だよバーカ!
 俺がシルベ姫の移動手段、移動経路、
 スケジュールをすべて姫さんの婚約者に、
 渡していたんだからな!!」

「情報を売るとは裏切者で間違いないな。
 私を攫って何をするつもりだ!!」

「さぁな。俺は何も知らないぞ。
 俺の本業は殺し屋だからな…
 それと…楓と言ったか……
 何故俺の正体に気がついた?」

「えええぇぇぇぇぇっっ!?殺し屋なの!?
 ヤバいヤバイ!!逃げなくては…」

「おいっ!!質問に答えろ!!」

「先程もお伝えしましたが、
 盗賊の発言が気になって、
 問いかけただけです!!
 正体をバラすとは思わないでしょ…」

「ユリアさん…何故裏切った!!」
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