泡沫の欠片

ちーすけ

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踏み躙られてこそ花は香る

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そんな中、メグさんが申し訳なさそうに舞人君に頭を下げる。
「ごめん。余計な手間かけさせて」
「俺は別に、良いけどよ」
舞人君の苦笑いに、メグさんは駆郎君を睨み、駆郎君が目を逸らし、メグさんは溜息。
駆郎君、何やったの?
まあ、聞かんけどと、汗が出ている清牙の首をハンドタオルで拭っていたら、メグさんが清牙を見下ろす。
「メイク、どうすんの? 私、特殊メイクは出来ないからね」
まあ、この清牙の顔をどうにか出来たら、大抵の人が美人になってしまう。
「メイク落とし」
「え? あんた、ノーメイクでテレビ出るの?」
ギナちゃんの驚きの声に、清牙がダルそうにメグさんからコットン受け取って顔を抑えている。
「まあ、その顔にメイクしても意味はねぇわな」
「アイドルの時はともかく、昔はメイクしてなかったんだし、どっちでも良いんじゃない? それより今日は歌えるの?」
駆郎君の冷たい突込みに、メイクを拭き終えた清牙が、化粧水貰ってまたコットンで顔を抑えていたけど、ふらりと立ち上がる。
「タオル」
顔洗った方が早いって結論に達した模様。
そこにまた、ノックと同時に扉を開ける、無礼者が。
「あ、やっぱいた。鈴鹿。お前、いい加減こっち来いよ」
「永井さん。私はカエちゃんと」
「楓さん、鈴鹿、こっちで引き取った方が良いですよね?」
それはどうなのか?
思わず、部屋の隅にいた浅見さんを見れば、にっこり笑われた。
「今は問題ありません。ですが、収録時はどうしますか?」
その質問は清牙に。
「連れてく」
「でしたら、その時は永井さんにお願いした方が良いでしょう」
スタジオなら、扉の開閉が嫌でも分かる。
分かるけど、スタッフやら関係者の出入り把握するのが難しいって事、なんだろうなぁ。
浅見さんと塩野君の2人で、私に希更にメグさんに美凉華迄の護衛は回らないだろうし。
「あら。SPHY到頭、殺人予告でも来ちゃった?」
ギナちゃん、貴方の発想は素敵です。
ニヤニヤ笑っている永井君の性格も、なかなかですが。
「楓さんに質の悪いストーカーがついて、犯人捕まってないんだと」
「あらやだぁ」
「カエちゃん!!」
そこでなぜ、美凉華が怒りだす…。
「ごめん。そう言えば、美凉華に連絡し忘れた」
「事務所には連絡来てますんで問題無いですよ。ただ、護衛増員は明日以降になるそうです」
永井君の言葉に、美凉華が半泣きでくっついてきた。
「私、聞いてないよ?」
「うん。昨日、清牙が…あ、ミー。清牙の冷凍ストック、病人食ある?」
「病人食になるのはないよ」
「菓子ばっか」
清牙にすれば大抵の食糧が、菓子となる。
「ちゃんと、清牙さんに言われて、作ったじゃないですか」
だよね。
「肉とコメ」
「ドリアとか、ミートパイとか」
「オヤツな」
まあ、どれも、清牙からすればオヤツだろうな。
清牙大好きなガッツリとは、程遠いだろうし。
「清牙、口の中切れてない? 飯食える?」
「食う」
そこはまあ、変わらずなのね。
「じゃあ、帰りに買い物かな」
まず間違いなく、清牙におかゆを作っても、キリがない。
本人の要望を聞いた方が無難だろう。
「それなら今、リストを頂ければ、用意しますので」
浅見さんの苦笑い。
まあ、私がウロウロするよりかは安全か。
そんな暢気過ぎる言葉に、ギナちゃんが震えた。
「やだ。ナニ、その意味深な発言。まさかあんたら、なんか芽生えちゃったの!?」
なんで、ギナちゃん嬉しそうなんですかね?
「ちょっと待て。なんで、清牙の部屋の冷凍庫の中身を、鈴鹿が把握してるんだよ。作ったってなんだ?」
不機嫌な永井君の言葉に、面倒臭そうにタオル首に下げた清牙が、また定位置…私を机に座らせてから椅子に座って胸に顔を押し付けてくる。
「うるせぇ」
「煩いじゃないわよ! なに、面白い事になってんの? あんた、何が芽生えて、今日の展開な訳!?」
「いや、あれ? そうなると、楓さん本妻で、鈴鹿愛人?」
永井君、頭沸いた?
まあ、大混乱だよねと見ていたら、またもや駆郎君に押し付けられようとしているヘッドホンを押し上げた希更が、端的に吐いた。
「カエちゃんに甘えられない代わりに、ミーがセイちゃんに甘えて。カエちゃんに放っておかれて拗ねたセイちゃん、カエちゃんを誘拐しようとして、怖い人達が出たから守ってるの」
「何よ、ママ。刺激的な事になってんのね」
なんでだろうねぇ。
私はそんなこたぁ、ちっとも望んではないんだけどね。
「ギナちょっと待て。カエちゃんを、誘拐しようとして? 怖い人達が、出た?」
あ、永井君が余計な事に気が付きやがった。
「誰が、楓さんを誘拐しようとして、誰が、怖い人達、なんだ? セイちゃんは、どこにかかってる?」
長い付き合いなのか、清牙の常軌を逸したアヤシイ独自の日本語文法言動に、何らかの耐性があるらしい。
微妙な希更の日本語を敏感に感じ取った模様。
「ブチ切れた清牙がカエさん誘拐しようとしたところで、先に、カエさんの部屋にストーカーが押し入って、その犯人がまだ捕まってないんだな」
舞人君?
そこ、律義に説明する、必要ある?
「つまり、誘拐未遂からの不法侵入されぇの、犯罪泥沼からの半同棲?」
ギナちゃん?
なぜにあなたは、そんなに嬉しそうなんですか?
「え? 楓さん、結構…」
永井君のその目は、何を確認しているんですかね?
「カエちゃん、清牙さんと、その…」
口ごもる可愛らしい美凉華の言葉に、溜息が出る。
「首輪を掛けられたくらいで、なにも…。あ、清牙。あんた、なんで、いきなり人の呼吸塞ぎにかかった? 死ぬかと思ったわ」
なぜに、肺活量勝負を野郎としなければならんのか?
野郎相手では勝てる気が全くしない中での、声量多めのV清牙様となんて、勝負になる筈もない。
「ちょっ、今、首輪って言った!? どんなプレイなのよ!!」
「ギナ!!」
駆郎君がまたもや希更の耳を塞ごうとして、ちょっと膨れた希更に拒否を食らっている。
「いっっ!!!」
そしてなんでか、私は清牙に首筋噛みつかれた。
「硬い」
そこ?
胸元周りの布が硬くて不満だからって、私は噛まれてるの?
「ちょっ、本気で痛いつっとんのじゃ!!」
べしべし背中を叩くが、腕が緩まない。
「馬鹿犬が飼い主に噛みついてる図、な」
「やだぁ。色気も何もないじゃない。脱がせなさいよ」
「ギナ、ほんと出てけ」
「セイちゃん! カエちゃん噛んじゃダメでしょ」
我慢出来なくなった…見ていられなくなった希更が、清牙の背中のシャツを引っ張ってやっと、清牙の動きが止まる。
「アンタ、頬、痛いんじゃなかったんか!!?」
口開いたら、それ、相当痛いよな?
なぜ噛む?
「セイちゃん! 歯形着いちゃってるよ」
「あ、痛そう」
ミーまで近づいてきて覗き込み、2人で清牙を睨む。
「セイちゃん!」
「清牙さん」
そこで区切り、娘達は言い切った。
「「カエちゃんは、私達の!!」」
それ、なんか違うからな?
「カエちゃん、そんな寒そうな格好だから、セイちゃん噛むんだよ」
寒かったら噛みつくとか、どんな性癖?
「ああ、胸に…最低」
白い目で睨まれるも清牙は平然と、面倒臭そうに希更を駆郎君へと押しのけ、美凉華を持ち上げて後ろに移動させると、また私の胸に懐く。
「セイちゃん!」
「清牙さん」
「うるせぇ」
熱が出て来てんね。
まだ微熱範囲だけど、元々、清牙お子様体温で高いからな。
「清牙、飲み物」
大人しく口を開けた清牙にペットボトルを押し込み、傾けてからペットボトルを回収して口元を拭う。
それから頭を抱えて背中を撫でる。
本番前だしね。
ヨシヨシぐらいはしてやりますとも。
「楓ちゃん。着替える?」
「まあ、メイクも落としたいんですけど」
清牙がなぁと背中を撫でていたら、抱きかかえられて、部屋の隅の衝立へ押し込まれた。
「メグ」
「はいはい。着替え手伝うわね」
ですね。
さっきから、このビスチェの硬さに、清牙はご不満なようですし。
さっさと脱がせたいんでしょ。
だがしかし、この、複雑な紐、自分ではどうしようも出来ないし。
「セイちゃん。カエちゃん好きなのは分かるけど、あんまり困らせちゃダメでしょ」
希更がなんか言っていても、清牙は聞いておらず不貞腐れてんだろうね。
「ミー。清牙の家にある食材は?」
「え? ああっと、お米とパスタと、インスタントラーメン。調味料は普通に一通りに。混ぜるだけのソースとかも。出汁の素、粉末ある。鍋とかお玉とか菜箸もあるよ。でも、お野菜とかお肉とか、日持ちしないのはない」
まあ、そうだろうね。
清牙は基本外食中心。
夜中に我慢出来なくなった時の、非常食ぐらいしかないだろうし。
「いやいや、だからなんで、清牙の家の調理器具、食材を鈴鹿が把握してんの?」
永井君の呆れ一杯の言葉に、舞人君も呆れ一杯で返した。
「無謀にも、清牙の部屋に一人で遊びに行ってたんだとよ。料理しに」
「え? 鈴鹿、料理出来んの?」
「出来ますよぉ」
ちょっと膨れっ面だろう美凉華の顔が思い浮かぶ声。
「失礼ですからっ」
本当にな。
「出来ないのは希更の方」
「だって、調味料とか、何入れたらいいか分からないし、レシピ見ても、かぶるとかヒタヒタとか少々とか、分かり難いんだもん。数値、はっきりして」
こっちはこっちで膨れっ面で尚且つ、耳まで赤くしながら言い訳まくし立ててる訳だ。
でもな、調味料はもう、匙加減なんだよ。
その時の気温湿度、身体状態運動量で、その日の美味しいの味が変わる。
ほんのちょっとの±が、大きく味に関わるんだよ。
毎回全く同じ分量では、日によって美味しい、何か足りない、味が濃いとなってしまう。
まあ、それが分からない、味音痴は、確かにいるけど。
ある意味一味足りない濃い、な、我がお姉様。
あの人の料理が普通に食べられる様になったのは、濃いのは水足すくらいしか出来ないけど、足りないのは後で自分の好みで…って丸投げ出来る事に気が付いたから、らしい。
我がお姉様はそんな腕前に関わらず面倒臭い。
一口も味確かめずに最初から調味料ぶっこむと、壮絶不機嫌になるらしい。
いや、薄めに作ってんならそれで良いじゃん?
何故、そこで怒る?
言えば怒涛の様に文句が出てくるのが分かっているので、私もあえて話を振りませんが。
「大丈夫。そのうち覚えるから」
そして当然の様に、駆郎君のフォローが入るのまでがお約束。
「そう言ってるお前だって、料理出来ねぇだろうが」
「良いんだよ。外で食べれば、片付けもしなくていいし」
「そうじゃなく! なんで、俺には差し入れの一つもないのに、清牙の家で飯作ってんの? ドラマでも一緒だったよな?」
「寮で料理出来ないから、清牙さんのキッチン借りてたんです」
「いや、簡易キッチン、ついてるだろ」
「狭いし、オーブンとか無いですもん。火力とか、全然足りないし、調理出来るスペースが、道具置くスペースが、そもそも無いですし」
「あら、何? 結構本格的な感じなの?」
ギナちゃん迄参戦?
「ミー、パティシエ? なる予定だったから、お菓子の方が得意だけど、料理は、ママより上手なの」
「え? 菓子作れんの? なのになんで、差し入れは?」
拘るねぇ、永井君。
もしかして、甘いもの好きか?
「アレ? じゃあ、清牙が紙袋で寄越したお菓子って、もしかして美凉華ちゃんの?」
そこに何げなくぶっこむ、駆郎君が流石。
当然そうなると、SPHY関係者は、一通り食べてることになるのだろう。
「は? だからなんで、此奴ら食ってんのに、俺に無いの? 俺、結構甲斐甲斐しく面倒見てるよな?」
「そう云う押しつけがましい態度に、嫌気さしてたんじゃない? 可哀想だから、私が何か恵んであげましょうか?」
「いらない。毒入ってそうだし」
「やあねぇ。そんな分かり易い事しないわよ」
「分かり難い事はするの? どんなのが分かり難い?」
希更の発言に、一瞬で空気が静まった。
「無垢なる瞳。怖いわよねぇ」
「お前がな」
なんか、あっち楽しそうだな。
ちゃっちゃと着替えてメイクを落とした私は、洗面台に行こうとして清牙に捕まる。
「どこ行く?」
「顔洗わせろよ。大人しく待つ」
そこで腕が離れ、顔を洗い、顔を上げれば、皆様の視線が突き刺さる。
「ナニ?」
「いや、本当に、ママなのね」
そうだよね。
私、なんか、甲斐甲斐しく、清牙の面倒見てるよね?
無駄に。
「まあ、その顔の責任の一端が、私にあるのも事実なんで、仕方無いし」
私が無理に止めに入らなければ…どうなっていたやら?
清牙も壮太も、これより酷い殴り合いになっていた?
それとも、その前に飽きて停戦した?
いや、停戦は無いな。
2人とも沸点低い上に、馬鹿みたいに負けず嫌いだし。
絶対に、どっちも自分からは退かない。
手だけではなく足まで出て、壮絶な事になっていそうな予感…。
「清牙」
定位置に戻って汗で濡れる額を首のタオルで拭ってやれば、それを嫌がるようにまた抱き着いてくる。
「セイちゃん、甘えてるね」
なあ?
「まあ、痛いんでしょうし、それに伴う不快感を、どうして良いのかも分からんのでしょ。ミーも熱出して愚図るとやたら甘えてくるしね」
「そ、そんなこと、ないもん。今は」
「眠いお腹空いた暑いって、泣いて愚図って抱き着いていたミーも、成長するんだもんねぇ」
「カエちゃん!!」
「希更はしょっちゅう熱出してたから、体調不良に耐性あって、愚図らん代わりに、用意周到で構われるの嫌がるんだよね」
枕周りに着替えやら飲み物やらタオルやら用意して、淡々とやり過ごす。
何か欲しいモノとか聞かれるのも煩わしいらしく、「いい」しか答えないのでほっとくに限るのだ。
ミーは寝るまでここにいてとか、手を繋いでてとか、結構愚図る。
「あれ、セイちゃん歌ってる?」
か細い声で、実に清牙らしくなく小さく歌いながら胸に懐く姿に、希更が興味津々。
「喉使うなら、水分」
またペットボトルを宛がえば、自分で傾けて飲んでから、蓋してテーブルに置いて、また胸に。
「なあ。清牙、そこ変わんない? ちょっとで良いからさ」
「やだ」
歌を一瞬だけ止めてはっきりと、そこだけは告げる清牙は、ワザとのように人の胸に顔を擦りつけてくる。
「愚図ってないで、大人しくしなさい」
「いや、ママ? シャツのボタン外されてるけど?」
「ちょっと清牙!」
「ボタン痛い」
そら、そこに顔押し付けてグリグリやってたら痛かろう。
「清牙さん。子供の振りしても、カエちゃん脱がしちゃダメですからね」
「どうせなら、もうちょい、斜めに腹側引っ張って」
「永井さん最低」
本当にな。
「でも、姐さんが清牙の機嫌取ってくれると助かるわ」
「清牙が、丸くなったとかではないんだよな?」
「違うわよ。私だって、毒吐いて喧嘩売って殴ったり蹴ったりするより、そのおっぱいに顔沈めていた方が楽しいって思うもの」
「カエさん。まさか、ギナ迄?」
どうしてそこで、駆郎君に疑いの目を…って。
「なんで、腹をつねるの」
清牙、歌いながら腹をつねらない。
「でも、カエちゃん。ストーカーとか不法侵入って、大丈夫なの?」
心配そうな美凉華の言葉に、溜息が出る。
「不法侵入し放題のボロ過ぎる危険賃貸から出たから、安全度は上がったよ」
「不法侵入し放題のボロ賃貸って、また面白い表現が出て来たわね?」
「身体的危険から言えば、清牙の隣は安全ですし」
舞人君も駆郎君も、フォローの言葉がね、おかしいと思う訳よ。
「そう云う訳だから、お前自身も気を付けろよ」
舞人君の言葉に、美凉華は神妙に頷きかけて止まる。
「何をどう、気を付ければ良いのかな?」
「1人にならない。トイレでも撮影でも、誰かに付き添わせろ。護衛とマネの指示には従え」
永井君の思ったよりもまともな言葉に、美凉華は素直に頷く。
「そして、今度俺のトコにも料理を作りに来い。なんで、清牙の部屋なんだよ」
「博人、馬鹿になった? 美凉華ちゃん、絶対に行かない様に」
なんだかんだと、駆郎君は美凉華の事も、猫っ可愛がりだよね。
あまり怒らない美凉華が、清牙と駆郎君には、慣れてきたのか甘えなのか、普通にブーブー言ってるのもあるんだろうけど。
お利口さんが自分達だけには素で甘えて、我が儘言って…って、男心にクるのがあるんだろうねぇ。
そもそもが、ミーの我儘は希更と違って、基本可愛らしいので。
「私が、1人暮らしする方が早いと思うんですけど」
「今は無理だな。姐さんの所為で」
だよね。
身の安全を考えれば、ミーの今すぐこれからの1人暮らしってのは、ちょっとばっかし厳しい。
だけど、な。
私が、悪い訳じゃないじゃん。
だが、今は、危ないし我慢しろとしか言えないしで申し訳ない。
でも保護者立場から言えば、未成年の間くらい、監視管理がある寮で暮らしてほしい。
1人でやっていける稼ぎはあるんだとしても。
「じゃあ、今度俺の部屋で集まって、鈴鹿が作った料理食べるとかは?」
「博人、あんた、そう云う、陽キャ? パリピ? なイベント好きよね? このメンツでそれがまともに成立するとでも?」
ギナちゃんのしらけた突込みに、永井君も同じ事を思ったのか、視線が流れる。
そんな微妙な空気の中、お子様は無邪気だった。
「大勢でご飯、美味しいよね」
その一言に、ギナちゃんが呟く。
「なんか、泣けてきたわ」
「空気清浄機、かな」
永井君、貴方、どんだけ煩悩に苛まされてんの?
私でも、そこまでありませんけど?
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