泡沫の欠片

ちーすけ

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怒涛の催事

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会場最短ホテルに、車は到着。
晩御飯はブッフェバイキングですと言われて、何を喜べばいいのか?
下のお子ちゃまはお菓子一杯食べたからもういらないと言い出し、上の気にしいの娘さんは2人で部屋に行ってる?といらん気遣いを見せる。
そこにかかる「人質には一緒に来ていただかないと」とにこやかに言った眼鏡。
お前、少しは隠せ。
上のお子様は16歳!
微妙なお年頃!
不穏な空気にどうすればいいのかと、私の腕に縋りついていた。
下のお気楽娘は、ホテルのお泊り、そこに芸能人がいるという朧げな情報にルンルンだけど。
当然、何度も耳タコで言ってやった。
迷惑をかけるな大人しくしろ。
芸能人だって騒ぐな近寄るな。
基本黙って私に張り付いてろと。
それが、通用、するといいなぁ。
相手、清牙、だからなぁ。
まあ、無礼で暴れん坊な娘達ではないので、馬鹿なことはしないと信じたいが、ポジティブ強気娘の下が心配である。
案内されるがままに歩けば、ホテル内は皆、同じようなTシャツ着た人でゾロゾロ。
到着した時間が、本日ラスト公演真っ最中だった為か、スタッフはゾロゾロ居ても、芸能人様はあまりいない。
まあ、飲み食いは近場ではなく、どこぞで盛り上がってる連中のが多いだろうしと、案内されたお食事会場。
その隅っこで、嫌でも目に付く一団が1つ。
バイキングの大皿そのまま抱えて食べる奴、初めて見たわ。
取り皿に取り分ける事すら放棄したとか、ちょっと有り得ない。
「カエちゃん、あれ、SPHYの人!」
下の娘さんもご存じなのね。
まあ、知ってるとは思っていた。
だが、誰も、事情説明してないらしい。
その人の所に今から行くんだよ。
決して行きたい訳ではないんだけど、ね。
「あ、横のお兄さんカッコイイ」
どれだよ?
舞人君かと見れば、希更は駆郎君を見て目をキラキラさせている。
そう言えば希更、カッコいい系より可愛い系。
俺様系より優しい系が好きだったけ。
自分の気が強いからな。
激しいのとは相性が悪い。
見た目はともかく、駆郎君だってある意味激しいのも間違いではないんだけど。
「清牙、お連れしましたよ」
ガン無視である。
近付く机に、芸能人、テレビで確実に見たことある人がいて、希更は目を輝かせてニコニコ。
ミーは不安そうに私とそっちをチラチラ忙しそうに見ている。
どうして、ここ迄対照的かな?
まあ、ミーは気にしいってだけで、気が弱い訳ではないんだけど。
「駆郎君お疲れ」
「はは…もう、カエさん、何とかして下さい」
さっきから、トレーの唐揚げ只管食べ続けている生き物をどうにかしろと言われてもさぁ。
「舞人君は?」
気を遣っているのか、退避しているのか、テーブルに清牙と駆郎君2人。
広々と、食べこぼし中。
口が緩い早食い大食いの為、奴はお零しが多いのだ。
まあ、その他色々も緩いらしいが。
「清牙の機嫌が悪いから、あっちに逃げてます」
そう言って指さした方を見れば、なんか見覚えのある人が。
「あ、永井博人」
「希更」
俳優兼、ロックバンドボーカル。
まあ、かなり有名だよね。
言いたくなる気持ちは分かるが、本人、フルネームの呼び捨ては止めなさい。
距離あるように思えて、結構聞こえるもんなんだからと頭を叩けば、「ごめんなさい」と顔色を窺ってくる。
だから、嫌だったのだ。
まだ、ミーは分別はあるけど、希更はガキ過ぎて…。
「本当にちっさ…くないんだけど?」
駆郎君?
貴方、どこ見て言ってますか?
「確かに、小学生の姪より、私の方が小さいが、姉は私よりさらにちっさいから!」
そう、私は小学校6年生の希更よりちっさい。
だが言わせて貰おう。
「こいつら発育良過ぎなんだよ!」
姉の旦那が高いんでな。
まあ、清牙には到底敵わないが、180超えている。
あの夫婦の身長差もなかなかエグイ。
「カエちゃん、この人、SPHYの人。テレビで見た」
今更ながらに、また、駆郎君に目を輝かせる単純娘希更。
「良かった。俺の方が高い」
立ち上がった駆郎君は希更を見てにっこり。
だが甘い。
「ミーとはそんなに身長代わらんね」
立ち上がって挨拶しようとしたのが運の尽き。
私にしがみ付いて背を丸めていたミーが、挨拶の為姿勢を正したら、駆郎君とさほど視線が変わらず。
「ちょっと、いや、待って! 大丈夫! 俺の方が高いから」
「ウチの娘は、絶賛成長期なのだよ」
「そんな事ないよ。もう、止まる。きっと止まるから」
ミーは伸び過ぎた身長気にしてたもんね。
170超えた辺りから「もういらない」言い続けてたし。
「拝田希更です!」
そして元気で正しいご挨拶ではあるんだけど、とりあえず後頭部をもう一発。
「不特定多数がいる場所で名乗るなって、学校で指導入ってるだろうが」
「ううっ、だって、カエちゃんのお友達、だよね?」
まあ、そうなんだけどね。
ここバイキングフロア。
知らない人一杯。
不特定多数過ぎて、善悪判断が藪の中である。
「そういう時は、下の名前とか呼ばれたい名前名乗ってればいいんだよ」
「希更です!」
よく出来ました。
今度は頭を撫でてやれば、なぜか、駆郎君が涙ぐんでいた。
「どうしよう。普通の子供だ」
普通じゃない子供が、まずそうそういないのだから、涙が出てくる理由が意味不明。
「子役の子って、怖い子多いから、ホント、和む」
どんな目に遭ったんだろうね?
まあ、情操教育上良くなさそうだから、この場では突っ込んでは聞かんけど。
「こっちは姉の方ね。挨拶」
「美凉華、です」
ぺこりと頭を下げて、私の後ろに下がるのは、芸能人に会えて、ちょっとばっかし照れてるらしい。
まあ、駆郎君は芸能人様だけど、怖い感じはない。
別に、キラキラオーラが出てないとか言わないよ?
まあ、少な目ではあるとは思うが。
「お腹空いてない? ココにあるの、好きなモノ食べていいんだよ?」
「ジャイゴにオヤツ一杯貰ったからお腹空いてない」
「健吾、ダメじゃん。おやつでお腹一杯になると、後でお腹痛くなったり気持ち悪くなるよ? お味噌汁とかもあるし、ちょっと見てこようか」
なんだろう?
駆郎君が嫌に甲斐甲斐しいんだが。
「ああ、美凉華ちゃんも一緒に行こうね。飲み物も色々一杯あるから」
にこやかに、爽やかに、娘二人を連行。
「これって、清牙を何とかしろって言われてませんか?」
「宜しくお願いします。まだ仕事が残ってますんで。後で、ウチのモノが部屋にご案内します」
そうだよね。
それしかないよね。
溜息吐きつつ、唐揚げから春巻きに移っている清牙の隣に座る。
周りは汚いが、皿と云うかトレーは見事にすっからかん。
相変わらずの食欲にうんざりしながら声をかける。
「お疲れ」
「……」
無視ですか。
ご機嫌斜めですか。
「呼び出しといてその態度なら、私は娘達連れて帰るぞ」
がしっと音がしそうな勢いで、清牙の左手が私の腕を掴んでくる。
まあ、逃がす気はないわな。
そのつもりなら、今現在、娘達込みで捕獲されることもなかった訳だし。
「明日…今から、フェス終わる迄、ここらから出る予定、ないんだけど?」
「……食う?」
箸がぶっ刺さった春巻き。
一応のお許しの印なんだろうな。
それは、まあ、何となく分かるんだが。
「最近胃もたれ激しくてな。油もんはいらん」
「もともと食わねぇじゃん」
分かってるんなら食わそうとするな。
「カエちゃんは、お野菜のが好きなんです!」
そして戻りの早かった希更が私の隣に座り、フォークにぶっ刺したトマトを口に運んできたので咀嚼する。
希更ヨ。
お前サラダの野菜取り損なって、嫌いなトマト入ってしまったから私の口に運んだな?
「えっと、一応お茶、持ってきたけど、アルコールもあるんだって」
そして上の娘さんは自分の分の…多分カフェイン抜きのお茶と私の為の同じお茶を運んできてくれた模様。
「ありがとう」
トマトは良いんだけど、仕事帰りの直行で、色々心構えも必要で一切飲み物口にしてなかったので有り難い。
ゴクゴク飲んでいれば、なぜか、清牙の目が座ってきた。
「俺の春巻きは断った癖に」
こいつ、馬鹿だろうか?
「分かった! 酒だな! ビールも日本酒も焼酎もあるからな!」
清牙の振り切れ具合が異常過ぎる。
「お酒の前にご飯だよ!」
そしてなんで、希更が対抗しだした?
「カエちゃん、何か先に食べないと、すぐお腹一杯になっちゃうんだから! お酒だけでお腹一杯になっちゃうんだからね!」
「知ってます! こいつ、喰わない癖に延々、酒飲み続けるんだぜ! 普通に、酒だけ飲んで、こっち潰しにかかるからな」
「清牙」
お前未成年。
一応は気にして、ここでは炭酸飲料飲んでた意味、なくなるだろうが。
バレているのは分かっていても、不特定多数いるんだから、言質渡すな。
「怒られた」
「いつもの事だよ!」
そこで胸を張るな清牙。
すげぇ、絵面になってるから。
「駆郎君に聞いたんだからね! カエちゃん困らせてるって! 芸能人でも許さないんだから! カエちゃん困らせちゃダメ!!」
「馬鹿が。楓は喜んでるんだよ」
「困らせて、さっきだって無視して、喜ぶわけないじゃない! ばかあ!」
「馬鹿って言った方が馬鹿だって知らないのか?」
「大人の癖にばかばか!」
「大人じゃありません。酒だって飲めないしな」
「おっきいくせにっ!」
「小っちゃく…?」
そこで固まるな?
清牙、そこまで同レベルの喧嘩してたんだから、もっと頑張れ。
「お前、幾つ? 胸全くないけど、そこそこでか「最低っ!」」
あ、希更が真っ赤。
「信じらんないっ! 最低! な、む…ばかばかばかばか!!!」
「ああ、本当にガキなのか。身長がそこそこあるから、なんか調子狂う。胸真っ平らだし」
「あるもん! カエちゃんほどないけどあるもん!!」
「どこに?」
「カエちゃん!!!」
ああ、希更が負けた。
嘘泣きでしがみ付いてくる希更は。可愛いんだけどさ。
注目の的よ?
芸能人といきなり口喧嘩始めた妹の暴虐武人さに、ミーがどうしていいか分からず固まってるから。
「駆郎君、笑ってないで助けて」
君、清牙の機嫌の悪いの何とかしようとして煽ったね?
時々黒くなるの止めないかな?
まあ、意識して黒くなってるんじゃないみたいなんだけど。
「清牙。お前がカエさんの休み奪うから、希更ちゃん達カエさんに遊んで貰えなかったらしいよ」
ようやく機嫌が直ってきたらしい清牙に、くすくす笑いながら駆郎君が話す。
それを受けて清牙はまたちょっとブスくれる。
「こいつら、いつでも会えんじゃん」
「会うのと遊ぶのは違うし、お前、やり方汚い」
あ、言い切った。
正に、その通りなんだけど。
「こうやって来てくれたんだから、カエさんも、明日からはちゃんと、俺達のを聞いてくれるって。流石に、分かるだろ」
あ、なんか、駆郎君が若干、また、黒くなってきた気が…。
初日から来いと、言われてますよね?
仕事は分かるけど、普通、初日から来るよなって言われてますよね?
やっぱりそうですよね?
そしてごめんなさい。
明日も、他所に浮気するつもり満々です。
さあ、どうやって誤魔化そうか?
そこに、舞人君登場。
余計なのを引き連れて。
「姐さん、遅いわ。清牙も駆郎も、ご機嫌斜めで、俺が大変」
「今まで逃げといてよく言う…ってか、久しぶり? あれ? なんで?」
清牙も駆郎君もあんまり久しぶりって気がしないんだけど、なぜか舞人君だけ随分会ってない気が…?
「俺は間違いなく久しぶりでしょ。アンタが、清牙と駆郎の前で他の奴ら褒めた時、いなかったし」
そう言えば、なんか、私用がどうの言ってたようななかったような?
「私は、物凄く楽しかったんだけどね」
「それで地雷踏み抜きます?」
そんなつもりはなかったのよ?
まあ、色々やらかしたらしいのは認めるが。
そして今、更に実感。
にこやかに私の相手をしていてくれていたように感じていた駆郎君も、面白くなかったと。
他所のサポートを褒め称えるのではなく、今現在の自分達の音楽を褒め称えろと。
そら、嫌がらせされるわ。
不機嫌清牙押し付けられても仕方がなく?
「言わせて貰うなら、ELseedは別格なのよ。君ら生まれる前からファンなんだし」
「まだ言うか」
唸られてもねぇ。
希更が抱き着いているので清牙が突進してこないのは有難い。
いて良かった人質。
「生まれる前って、お姉さん幾つなんです?」
ここで割り込んでくるか、永井博人。
「26」
「カエちゃん、まだ25だよ。自分の年、忘れちゃダメでしょ」
そして、細かい修正が下の娘さんから入りました。
ホント、ウチの娘、物応じし無さ過ぎじゃね?
目の前、芸能人ダラケだよ?
こうまでキラキラしいと、普通大人しくならんかね?
普通、突っ込みいれるか?
「へぇえ。本当に、見た感じ、俺らと変わらなさそうなんだけどなぁ」
そんな、御綺麗な顔で覗き込まんでくれるかな?
仕事疲れそのままに、ここにいるんじゃが。
「SPHYのPV出てた人、ですよね? あの時ともまた、雰囲気って言うか、年齢感違うし」
ホント、顔近いな。
そんなに近くで見ても、肌の粗が見えるだけじゃね?
まあ、あの時の肌荒れは治ってるんだけど。
「よく見ると、美人にはなりそう」
よく見ないと、美人になりそうには見えないんですね?
よく見て吐きそうな程不細工と言われないだけ、マシかな?
化粧で何とかはなりそうなレベルって馬鹿にされてます?
まあ、お綺麗な芸能人様からすればそんなもん、なんだろうけどさ。
「博人。こいつは俺の」
そう言って、近過ぎる永井博人を引き剥がしてくれたのは有難いんだけど、意味あり発言は止めてくれ。
「はいはい。なら、そっちは?」
そしてなぜか、ターゲットがミーに移り、芸能人様から見つめられたミーは真っ赤になって私の背中に隠れようとしている。
身長的に無理だから。
「化粧、してないよね?」
田舎者ですから。
周りのおばちゃん連中からしてないので、近所のドラッグストアの化粧品売り場の品揃えが、百均に負けてるのよ。
近所の店で化粧品なんぞ買った日には「あの子はマセてて」とか、一気に広がるようなド田舎なのよ?
正し、日焼け止めだけは豊富に年中置いてあるらしい。
農作業、焼けますよねぇ。
「すっぴんでそれはなかなかいないよね」
感心するように嫌っと笑うあたりは、若い。
って云うか、裏表はそんなに無さそう。
まあ、美凉華は美人だよね。
身内の欲目とか関係なく、上の娘さんは、幼女の頃からその手のスカウトの話がちょくちょく上がってはいたのだ。
私が全力で止めたから、毎回立ち消えになったけど。
ここで関心持たれても困るなぁと思っていたら、清牙がバッサリ。
「それも、俺のだ。余計な関心持つな」
「清牙、お前、相変わらず欲張り過ぎ」
「うるせぇ」
あれ?
なんか親しい感じ?
でも、駆郎君のような仲の良さは感じない。
信頼はないけど、付き合いはそこそこあるって感じ?
「まあ、俺はどこ側でも、構わないんだけどね」
うわぁ、清牙と真逆で大人反応。
「明日、清牙の後なんで、序に聞いてってください」
手をヒラヒラさせてお仲間の方らしき席に戻っていく姿。
去り際も大人。
「オトモダチ?」
「違う」
まあ、即答ですわな。
分かってた。
「博人ン所は比較的まともなんだよ。現に、バイキングで晩飯終わらせようとしてんだろ」
「舞人」
咎めるような駆郎君の言いたいことも分かるけどね。
今、お子様居るし。
そうだよねぇ。
地方巡業。
地元の美味しいモノと地美人ではっちゃけたい奴らも多いんだろうし。
「私、永井博人嫌いかも」
多分、怖い感じと言うか、独特な感じに希更なりに気を遣っていたんだろう。
奴が離れてからやっと、身体を離した希更は、チラリと永井博人を見てから唇を尖らせる。
「芸能人だけど、はじめましてはしないと」
どうしよう。
希更が正論吐いてる。
真理と呼べるかもしれない。
顔が良かろうが、テレビに出ていようが、当然自分の事は知っていて当たり前の我が物顔で好き勝手喋っていった、勘違い野郎と、言われたらそれまで。
「お前、案外、賢いな」
「清牙もでしょ! 私は希更です! カエちゃんは私のカエちゃんです!!」
そして逆切れ。
「なんで、駆郎は君がついて、俺が呼び捨て?」
「じゃあ、セイちゃん!」
「ならよし」
良いの?
清牙の基準も良く分からん。
「何よりも、楓は俺の専属だから」
いつから、私はそんなものになったんだろう?
そんなドヤ顔の清牙は軽くスルー。
「もう、お腹一杯だから、カエちゃん遊ぼ」
遊ばない。
まだ寝るには早いが、遊ばない。
シャワー浴びさせて下さい。
「ちょっと待て。楓は俺と、大人の話があるんだ」
「さっき、大人じゃないって言った」
「明日の相談がある」
「カエちゃんは、私と明日廻るんだもん」
「まわる?」
あ、希更が余計な事言いだした。
「楓?」
視線が冷たいが、私は気にしない。
「私、お仕事後で疲れてるので、シャワー浴びてゴロゴロしたいなぁ」
「お部屋にはご案内しますが、清牙の相手はしてあげて下さい。明日また、何するか分からないので」
そこに当たり前にかかる健吾君の声。
どっから来た?
どんなタイミング図ってた?
「姐さん。俺ら、今回メインって事で、良い部屋宛がわれてる」
舞人君、その、裏しか感じない笑顔の言葉の何を受け取れと?
「清牙が暴走しないようにって、野郎3人部屋。良い部屋いらんから、1人にしてほしい」
まあ、そうなるか。
責任者、マー君だしね。
清牙が暴走しない様に、お前ら仲間内で確り見張っとけよって云う、心の声駄々洩れ。
「希更ちゃん、まだ寝ないよね?」
「うん。カエちゃんとswitchする」
「そうかぁ。俺も混ぜてほしいな」
駆郎君、案外上手いな。
それは分かるが、清牙の相手して下さい。
「カエちゃんは下手だからね。良いよ」
「じゃあ、決まりだな」
清牙?
何を偉そうに言ってるのかな?
「カエちゃん」
余計な抵抗は止めろと、敏いミーが首を振る。
ミーは人間関係の空気の流れに敏感だからね。
「遊ぶのは良いけど、お子様居るから日付が変わる迄、だからね」
仕方がないかと諦めたその先に、差し出される新たな呪いの物。
「引率お願いします」
引率言うな。
序に言うなら、スタッフ証はもういらない。
さらに二つ増える意味なんざ、考えたくもない。
「清牙に探し回られたいですか? お嬢さん達を言い訳にすれば、清牙が離しませんよ」
ですね。
物理的に確保されかねない。
何とか逃げ出したところで、スタッフ総出の大捜索なんて冗談じゃない。
探されるくらいなら、自分から出頭した方がマシですね。
明日、どうやって清牙を振り切ろう?
それが問題だった。
それ以上に、先にシャワー浴びさせて下さい。
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