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一章
閑話 1−10 彼女
しおりを挟むリタ視点
私が上級氷魔法のフロストフラワーを放って河の水面を凍らせ、足場を作り相手の動きを阻害する。
バンは初撃でジェネラルリザードを直ぐに討伐したみたいね。打ち合った時の音のせいで耳が痛いわ…
奥のシュガーとソルトの戦いに目をやると氷上でリザードマンと1対1同士で戦っているわね。
ケルピーがまだ氷で身動きが取れないうちに接近して攻撃しておびき出したみたい。
中々やるわね!
相手の槍を小さな動きで躱しながらカウンターを合わせて攻撃するスタイルか。
槍と剣の間合いの差を感じさせない戦闘だわ
双剣なだけに手数も多いし…でも決め手に欠けるみたいね。
マナポーションを飲んで魔力枯渇の症状も緩和出来てきたから弓で援護でもしようかしら。
私は弓に2本の矢を装填して構える。
風の精霊達 お願いね。
奥の2匹に狙いを定めて矢を放つと、それぞれにリザードマンの顔に目掛けて飛んで行く。
長距離だから気づかれて相手の槍で払われた。
しかしこれでいいのよ。わずかでも隙をつくるためなんだから。
シュガーとソルトはその隙を上手く活かしたわ。
リザードマンが矢を払った瞬間に相手の股を潜りながら両膝裏を切り裂き、膝をついたら槍を持っている腕を切り飛ばす。振り向いた首に双剣が交差し跳ねとばした。
二人共動きがシンクロしているのが面白いわね。
同じ師匠に習ったのか 双剣術の流派がおなじなのかな?
奥の戦闘が無事終わり、バカ三星の援護に向かう。少し苦戦しているみたいね…
こちらはケルピーごと氷から這い出て乗馬状態か…
せっかく動きを止めたのに接敵するのが遅いのよ!
彼奴等のランクじゃ仕方ないとわかっているけどイライラするわね…
まぁでも連携は上手ね。
三角形の陣をしいて乗馬したリザードマンを3方向で囲んでいる。
正面に大盾の奴で左右後方に他の2人。
大盾が距離を開けすぎず突進させないよう助走距離を潰し、2人がケルピーの後ろ足に攻撃をして機動力を殺す。
リザードマンが振り向くと直ぐに離れ大盾がシールドバッシュやバトルアックスで攻撃。
悪くないじゃない。
少し経ち耐えきれなくなったケルピーが膝をつく。すると、
「オルテ マシュ 仕掛けるぞ」
「「おう」」
陣形が変わり大盾の後に他の2人が並んで1列になった。なにするの?
「「「突風連続陣」」」
なんで揃って叫ぶのかな?
そんな暇あったらさっさと仕留めなさいよ。
でもあれじゃ後の2人はリザードマンから見えないしちゃんと考えているみたいね。
ケルピーを乗り捨てたリザードマンに1列に突撃を開始するバカ三星。
相手も警戒して槍を突きの構えで待ち受ける。
大盾がリザードマンの槍の間合いに入る寸前に直ぐ後のレンジャーがジャンプして投げナイフを顔に向かって投擲。
リザードマンが槍で払うと透かさずシールドバッシュを放ちリザードマンの態勢を崩した。
そして最後の魔法剣士が槍を持ってる右手首を狙って剣を振るう。
しかしリザードマンはその斬撃を左腕で庇うようにして防いだ。
あの子の剣技と武器じゃリザードマンの皮はきついでしょうね…
槍の反撃をバックラーで防ぐが力負けして飛ばされる魔法剣士。その間に庇うように大盾が入りまた1列に3人並んだ。
仕方ないわね…
私も身体強化をして近づいた。
「もう一度行くぞ 次は2番だ」
「「おう」」
いくつか攻撃パターンがあるみたいね。
今度はレンジャー 魔法剣士 大盾の順番に並び突撃を開始した。
間合いに入るとレンジャーは右に、続いて魔法剣士は左に素早く移動してリザードマンの意識を逸らす。
そして左右同時に攻撃をするが皮に浅い傷をつけるので精一杯。最後に大盾の子がバトルアックスを横薙ぎに振るった。
でもリザードマンの左腕を切断したが身体には刃が通らない。
リザードマンは痛みを堪え右手の槍を逆手に持ち直し掲げて刺そうとした。
あっヤバい!
「ちょっとごめんね」
「ぐふぉっ」
私は後から大盾の子を踏み台にして高くジャンプし掲げているリザードマンの槍を右手のレイピアで弾き左手のレイピアで脳天を貫いて空中で前に回転してリザードマンの背後に着地した。
「「すげーーー」」
「ごめんなさいね 手を出させてもらったわ」
「「「ありがとうごさまいした バンさんの彼女さん」」」
なぁんだぁ~バカだけど良い子達じゃない。
「ちゃんとケルピーに止めを刺しなさいよ」
「「「はい!」」」
シュガーとソルトの方も片付いた用だしもう大丈夫ね。
バンの所に行ってこようっと♪
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