生まれ変わっても変わらず好きでいてくださいね

なかた

文字の大きさ
上 下
8 / 14

俺は今世も一緒にいたい

しおりを挟む
葉月さんとのデートの日は三日後だ。
こないだ会った時は制服だったけど、デートに制服はまずいだろう。
出来るだけおしゃれしたいし、並んでも恥ずかしくないような格好でいたい。
でも、残念ながらそういう美的センスは持ち合わせてない。
兄さんに頼むしかないのか。いや、デートするのがバレる。でも、葉月さんとデートするならおしゃれしたい。
初めてだし、ちょっとでもよく思われたいし。
でも兄さんにバレたくない。絶対に揶揄う。
兄さんにバレるか。デートでおしゃれか。
うん。デートの方が絶対、大事だな。

「兄さん。デートに行くような服を選んでください」

「いいけど。デートね。青春だねぇ」

「真面目なの!お願い」

「でもさ、優雨っておしゃれな服持ってないじゃん」

あれ、思ったより揶揄われなかった。
そういえばそうだそもそもおしゃれな服を持ってない。

「明日、買いに行くか」

「でも、お金ない。デートの時に使うかもしれないから取っておきたいし」

「しょうがない。ちょっとダボつくけど、俺のを貸すか」

「いいの?」

「かっこよくはならないかもだけどおしゃれだったらいい?」

「いいけど」

普段、兄さんの着てる服はかっこいい系なのになんでだろう。かっこよくならないけどおしゃれって何?
全く見当がつかない。

「優雨の系統だとこの辺かな」

おしゃれな服が次々に選ばれてく。

「中の服はこれ、アウターはこれ、下はこれ履いてバッグはこれ。着てきて」

「うん」

数分後

「うん。いいじゃん可愛い」

「可愛いより、大人っぽいのがよかった」

「大丈夫。優雨のこと好きになるやつは可愛いの多分好きだから」

「どういう意味?」

「そのまんま」

「いつもよりマシ?」

「似合ってるし、大丈夫」

「じゃあ、いいや」

本当は並んでもお似合いって思われるくらい大人っぽくして欲しかったけど、しょうがない。いつもの普段着よりはいいだろう。

「これ、土曜日まで借りてていい?」

「うん。デート楽しめよ」

「ありがとう」

「髪は当日やってやる。今度教えるから自分で覚えろよ」

「うん!」

これで服は大丈夫だし。
後は三日待つのみ!楽しみだな。

三日後

「兄さん、髪やってー」

「ちょっと待ってて」

いつもより、少し早めに起きてデートの準備をしてる。休日はいつも遅く起きてるからお母さんにびっくりされた。
それにいつもは絶対着ないような服を着てたからすぐにデートだってバレた。

「帰って来たら、色々聞かせてね」

「あー、うん」

男だって言っといた方がいいのかな。
こういうのって後々言っても面倒くさいことになりそうだし、偏見はないと思うけど言った方がいいよね。

「お母さん、今日、男の人とデートする」

「あら、聞いちゃってよかったの?」

「言っといた方がいいかなって」

「まあ、どっちでもいいわよ。危ない人じゃなきゃ」

「しかも、大人。五歳上だけど、危ない人じゃないから安心して」

「そう。じゃあ後でデートについて聞かせてね」

思ったより聞かれなかったし、何も言われなかったな。気にしすぎだったのかな。
まあ、とりあえずよかった。

「優雨、髪やるよ」

「今、行くー」

洗面所に急いで行く。

「ふわふわさせていい?服に合わせる感じで」

「お任せします」

どんな服装にどんな髪型が合うのか知らないし、そもそも髪型があんまり分からない。とりあえずマッシュにしちゃえって感じで今はマッシュだけど。

「はい。出来た」

「おおー、なんかおしゃれそう」

「これなら、完璧。普段の部屋着とは全然違う」

「言っとくけど、あれ部屋着じゃないんだけど」

「うん。まあ、いつもより全然違ってめっちゃいいから」

普通の服なのに。部屋着だと思われてたんか。そこまで酷かったか。

「待ち合わせより、五分早く行った方がいいよね」

「当たり前。初デートで遅刻は印象下がる」

「じゃあ、そろそろ行こうかな」

「いってらっしゃい。頑張れよ」

「うん」

あー。めっちゃ緊張する。
何話せばいいんだろう。もっと知りたいって言ったけど何話すのか考えてなかった。
いや、葉月さんがリードしてくれるはず。
あんなに大人っぽくてかっこいいんだから大丈夫。慣れてそうだし。
いや、それはそれでなんか嫌だな。
しょうがないと思うけどさ、慣れてる感あったら普通に嫉妬しそう。
重いかもしれないけど、なんか嫌だ。
しょうがないんだけどさ。
てか、よくよく考えたら、まだ付き合ってないし。
でも、海で会った時に手出すって宣言されていいよって言ったからもう付き合ってるのかな。
デートでそれっぽい雰囲気だったら、付き合ってくださいって言おう。
ちゃんとはっきりさせたいしね。
前世とか色々あるけど、今世は今世だし約束してるけど葉月さんはどう思ってるか分からないからちゃんと告白しよう。














しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

6回殺された第二王子がさらにループして報われるための話

あめ
BL
何度も殺されては人生のやり直しをする第二王子がボロボロの状態で今までと大きく変わった7回目の人生を過ごす話 基本シリアス多めで第二王子(受け)が可哀想 からの周りに愛されまくってのハッピーエンド予定

傷だらけの僕は空をみる

猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。 生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。 諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。 身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。 ハッピーエンドです。 若干の胸くそが出てきます。 ちょっと痛い表現出てくるかもです。

さむいよ、さみしいよ、

moka
BL
僕は誰にも愛されない、、、 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 人を信じることをやめた奏が学園で色々な人と出会い信じること、愛を知る物語です。

今世では誰かに手を取って貰いたい

朝山みどり
BL
ノエル・レイフォードは魔力がないと言うことで、家族や使用人から蔑まれて暮らしていた。 ある日、妹のプリシラに突き飛ばされて、頭を打ち前世のことを思い出し、魔法を使えるようになった。 ただ、戦争の英雄だった前世とは持っている魔法が違っていた。 そんなある日、喧嘩した国同士で、結婚式をあげるように帝国の王妃が命令をだした。 選ばれたノエルは敵国へ旅立った。そこで待っていた男とその日のうちに婚姻した。思いがけず男は優しかった。 だが、男は翌朝、隣国との国境紛争を解決しようと家を出た。 男がいなくなった途端、ノエルは冷遇された。覚悟していたノエルは耐えられたが、とんでもないことを知らされて逃げ出した。

嫌われ者の僕が学園を去る話

おこげ茶
BL
嫌われ者の男の子が学園を去って生活していく話です。 一旦ものすごく不幸にしたかったのですがあんまなってないかもです…。 最終的にはハピエンの予定です。 Rは書けるかわからなくて入れるか迷っているので今のところなしにしておきます。 ↓↓↓ 微妙なやつのタイトルに※つけておくので苦手な方は自衛お願いします。 設定ガバガバです。なんでも許せる方向け。 不定期更新です。(目標週1) 勝手もわかっていない超初心者が書いた拙い文章ですが、楽しんでいただければ幸いです。 誤字などがありましたらふわふわ言葉で教えて欲しいです。爆速で修正します。

偽物の番は溺愛に怯える

にわとりこ
BL
『ごめんね、君は偽物だったんだ』 最悪な記憶を最後に自らの命を絶ったはずのシェリクスは、全く同じ姿かたち境遇で生まれ変わりを遂げる。 まだ自分を《本物》だと思っている愛する人を前にシェリクスは───?

忘れ物

うりぼう
BL
記憶喪失もの 事故で記憶を失った真樹。 恋人である律は一番傍にいながらも自分が恋人だと言い出せない。 そんな中、真樹が昔から好きだった女性と付き合い始め…… というお話です。

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

処理中です...