運命なんて知らない[完結]

なかた

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毎年の楽しみ〜番外編〜

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今日はクリスマスイヴだ。
2人暮らしを始めた年から、クリスマスプレゼントを霜と交換している。
晩ご飯はどうしようか。毎年、買うか作るかで悩んでる。去年は作ったし、今年は買うか。
クリスマスと言ったらあのチキンだろう。
混んでるけど、買うならあそこ一択だ。
プレゼントはもう買ってあるし、お酒でも買おうかな。
いつものスーパーに行き、お酒をかごに入れる。
6本くらいでいいかな。
よし!お会計しよう。

「すみません。年齢確認出来るものありますか?」

マジか。また年確されるとは、いつになったらされなくなるんだろう。
一応持っている運転免許証を出す。完全なるペーパードライバーだけど。

「えっ!? あっ、ありがとうございます」

未成年に見えてたのか。悲しいな。
来年の目標は年確されない見た目になることにしよう。
ケーキは霜が買ってくるから、後は予約したチキンを取りに行くだけだ。

「ただいまー」
「おかえり。今年は晩ご飯買ったんだ」
「うん。ねぇ、霜。また年確された」
「マジか。いつになったらされなくなるんだろうね」
「おかしいよ!霜はもうされないのに」
「まあ、30になったら流石にされないよ」
「そうだね。チキンあったかいうちに食べよ!」
「うん」
行く前に作ったサラダを冷蔵庫から出して、いい感じに盛り付ける。
『いただきます』
「久しぶりに食べたけど美味しい!お酒のむ?」
「やめとこう。今日はあれがやるよ。誰が優勝するか最後まで見たいじゃん」
「確かに。じゃあお酒はまた今度でいいか」
お笑いが好きで、絶対に見るって決まってる。
今年は誰が優勝するんだろう。
「早く、お風呂入っちゃうか」
「うん。霜、先どうぞ」
「爆速で入ってくる」

霜へのプレゼントはスマホケースにした。
こないだ壊れたって言って、今はカバー無しで使ってる。
霜が好きな深緑のケースにした。下の部分に文字が入れられるやつで、名前を筆記体で入れてもらった。
それだけじゃ、物足りない気がしてAirPodsのケースも買った。これも深緑色で揃えた。
プレゼントは25日に交換すると決まっていてクリスマスイヴは夜更かしして25に渡している。

「上がったよ」
「はーい」
僕も急いで入ろう。

「もう始まってる?」
「まだ。あとちょっとで始まる」
「よかった」
霜の方がお笑いに詳しくて僕よりお笑いを見ている。

「今年も面白い」
「うん。ご飯とお風呂のやつ面白かったよね」
「あぁ。私以外で?」
「そうそう。思わず笑っちゃったよ」
「優勝したら、テレビにめっちゃ出るから楽しみ」
「ね、明日からひっぱりだこだよ」

決勝戦はやっぱりレベルが高くて面白かった。
霜が一番面白いって言ってた人が優勝して、思わずハイタッチした。
番組が終わって25日なるまでトランプをすることになった。負けた方がお酒を一口飲むっていう罰ゲームつきでやることになった。
飲みすぎると記憶が飛ぶから2人で1缶で勝負することになった。
2人でいつもやるのはスピード。
互角でいい勝負になっている。
少し酔ってからはぼろ負けしてしまった。
そこからは2人で大富豪をやっていた。2人だと革命が起きやすくてこれはこれで楽しかった。
酔いが覚めた頃にはすっかり25日になっていた。

「霜。これ」
「ん。ありがとう。雪も」
「ありがとう」
開けてみると、キーケースだった。
渋めの青色でかっこいい。鍵を引っ掛けるところは金色ですごく気に入った。
「霜!めっちゃ気に入った。ありがとう!」
「よかった。雪、鍵探すのいつも大変そうだったから」
「ありがとう!霜も開けてみて」
「スマホケースだ。しかも、俺好みの深緑。雪はやっぱり分かってる」
「壊れたって言ってたから。あともう一個あるよ」
「本当だ。緑系で揃えてるから嬉しい」
「よかった!」

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