始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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最終章 西の都市オロモルア

6.西の主様

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前話にヒナさん出すと言いながら出していなかったΣ(゚Д゚)
今日のお話には出ていますので…(^o^;)あと、ヒナさんの鳥語をルビで人語にしてみました。
見辛いですかねー…?

─────────


ピュピュピューイリア様ー!』


西の主様とロド兄の待つ場所へ移動中に、ちょっぴりお留守にしていたヒナが私の元に飛んで帰ってきてアヴィの肩に止まった。

もう一度言いますが、飛んで帰ってきました。

あれ?ヒナって雛鳥だったんじゃ??って思いますよねー…でも、もう雛じゃなく成鳥になってるから普通に飛べちゃうんですよ。

前に少し色が変化してきたなぁって気づいてから一気に成長しちゃってねー…今じゃ立派な極彩鳥だよ。

『主従契約』はヒナの要望でもあるのでしました。

ヒナの真名は『ピピロッティーナ』っていうんだけど、普段はロティって呼んだりヒナって呼んだりしてるよ。

そうそう何で今まで留守にしていたかというと、ある実験のためなんだよね。

ヒナって極彩鳥だから狙われるでしょ?

だから、森に紛れれるようにカモフラージュできたらいいのにってポロッと言ったらねぇー…ロド兄とヒナが物凄い食いつきをみせました。

それで結果はというと…


ピュイーピィッピィー上手く騙せたっピー!』


「成功したなら作って良かった!

契約で繋がってるから無事だっていうのはわかってたけど、ケガもなく戻ってきてくれて安心したよ」


ピューピピ、ピュールルルピューイ私は無事よ、心配してくれてありがとうッピ


アヴィの肩から私の子猫なお腹にヒナはダイブしてきてスリスリと甘えてきた。

そういえば、何気にヒナも成鳥姿じゃなく幼鳥姿になってる…ここのルール魔法すごいなぁ。







   * * *







「おぉ~…木のお城だぁー…すっごくファンタジーな世界って感じよね」


「「ファ…?」」


「あ、アハハーなんでも無いから気にしないで~」


やっばー、木のお城がすごくてつい口に出ちゃってた。

笑ってごまかしたけど、ごまかされてくれるかな…?


「…リアがそう言うならごまかされてやる」


「ウン…何も聞いてないの…ヨ?」


「はぅ…」


アヴィからは何かが蓄積されていっているような圧力ある笑顔で言われ、毛玉っ子ちゃんからはものすごぉーく気を使ってますー的なものをヒシヒシと感じた。

え?

ヒナですか?

私の子猫ボディーの上でおねんね中です。







「主様、連れてきたの」


「ああ、客人の案内ありがとうコロル」


あの毛玉っ子ちゃん、コロルって名前だったんだね。

そして、あの人型の毛玉…綿毛さんが“西の主様”か。


「お、ちゃんと起きとるな」


「うん、起きて美味しいカレー食べてきたよ」


「カレーな!

なかなかうまいんじゃよー…何だか食べたくなってきたなぁーわしも後で食べてくるかのぅ~。

してアヴィルトや、いつまでリアを抱っこしとるんじゃ?」


うん、本当にね!

ロド兄もっと言って言って!


「家に帰るまで」


「…そうか。

じゃ、西の主殿、この妖狼族がアヴィルトでそのアヴィルトに抱っこされてるのが人族のラフィリア・オルトゥムでー…さらにラフィリアが抱っこしている極彩鳥はラフィリアの契約獣のロティじゃ」


え…ロド兄、流した?

ええー…このまま自己紹介とかー…。


「初めましてアヴィルトさんにラフィリアさんそれとロティさん。

私はここで西の主と呼ばれている綿毛族のウェイルダーです。

あと、ここまであなた達を案内してきたこの子は毛玉族のコロルと言います。

これから私達と仲良くしてくれると嬉しいです」


おおぅ…気にせず自己紹介してきたよぅ…。

というか、寝ているヒナにまで挨拶を……クッ、だが抱っこされてる状態をスルーするのはどうしてなのでしょうかね?!


「自己紹介も済んだことじゃし、本題といくかのぅ。

今回、わしらがここに来たのは西の主殿の病を治すよう神に頼まれたからなんじゃよ」


「私の病を……それは…ロドクス様でも無理だと…」


「わしではないぞ。

病を治すよう神に頼まれたのはこっちにおるラフィリアじゃ」


「え…ラフィリアさんが?」


あ…ははー…何故にロド兄じゃなく私なんだ?って目(毛に埋もれてるけど)がウェイルダーさんとコロルちゃんから向けられてるよ(たぶん)。

さて、どう言うべきかな?







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