始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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最終章 西の都市オロモルア

2.え、あれが門?

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文章も更新もノロノロですみませんm(_ _)m
暑くて体調崩してました…北海道なのに暑い…キツイです(+o+)

────────────


さて、西の都市オロモルアに到着しましたがー……ここが都市?

360度見渡す限り木木木…ですよ?

えー本当にここが都……ん?


ジー……


あの二本の木が心なしか門っぽく見えるような見えないような…?


「ほ~、リアは初見で気づいたようじゃな!

あれが西の都市オロモルアの入口になる門じゃ」


「うぇ?

あれってやっぱり門なの?」


「そうじゃよ~。

なんじゃ自信がなかったのかのぅ?

さぁそれより、都市に入るのを認めてもらう為にまず門へ向かうぞ~」


ロド兄はスタスタと門だという二本の木へ向かって歩いて行った。

暫し呆けてはいたが私もロド兄の後を追った。

近くで見ても門っていうよりどっちかって言うと限りなく木そのものに見える。

そして門を見る私を置いて、ロド兄が何をするでもなくスッと門を通過したので、私も何の疑いもなく続いて通ろうとした所で捕らわれた。

拘束された身体を見れば、植物の蔓がグルグルっと巻き付き…そう今私は蓑虫みのむし状態となっていた。

ただ…この状態なのに私の魔防が作動してないってことは、この蔓に悪意や殺意といったものがないというのはわかった。

わかったけどさぁー…


「な、何これー?!?!」


ってな感じに、普通に訳わかんなくて叫んじゃうよねー…心では冷静なのに。


「リアや、それは敵ではないから攻撃するでないぞ?

ちょっとカプッてされたり、ジーッと見られたりするだけじゃから大人しくしておるんじゃよ~?」


カプッとされたり、ジーッと見られたり?

え、何それ?と疑問符が顔に張り付いていただろう私の眼前にそれは現れた。


ジー…


が、眼球が、拳大くらいのまん丸グリンピースみたいなものに収まった眼球が宙に微動だにせずに浮いていた。

ほんの僅かな間に、瞬きで一度目を閉じた一瞬で目の前に現れた。


ジー…パチッ


あ、目を閉じたからとりあえず見られるのは終了かな?っていうか目蓋まぶたあったんだなぁ……と思ってたら、目が開い…え?!

眼球がなくなってて、ちっちゃな犬歯みたいなのが二本見えるから口になった?!?!

いや待て、さっきロド兄はカプッととジーッて言っててジーッは終わったからあとは…───


カプッ


オウ…首に噛み付くとか吸血鬼のようじゃないですかー…っていつの間にか蓑虫みのむし拘束が解かれてるし、首にいたあの物体もいなくなっていた。

首を触りながら辺りをキョロキョロと見るもいない、触れている首も痛くないし触った感じ傷もなさそうだ。


「リアや、周りを見てもアレはおらんぞ~。

次のアヴィルトを見ていればわかるからこっちに来い来い♪」


ロド兄の言う通り、次のアヴィ見れば私の疑問は解決だね!

タタッと駆け足でロド兄の元へ行って、アヴィ観察のスタンバイをした。










見た結果、アレは終了と同時にふわっとクウキニ溶け込むように消えていた。

ロド兄曰く、あれは認証登録なんだそうだ。

ジーッと見ているのは目の虹彩を記録する為で、カプッと噛みつかれるのは血液を採取して魔力も合わせて登録するからとのこと。

都市に見えないのにものすごくハイテクだという…違和感が凄いわぁー。


ちなみに門以外から入ろうとしても壁があってあのロド兄でも無理らしい。

でも以前、都市への入り方がわからない者が無理くり突破しようと突っ込んでいったらしいんだけど、壁がゴムのような弾力でもって遠くへと弾き飛ばしたんだって。

飛距離は、ここ西の都市から広大な迷々の森を飛び越えて東の果ての端まで飛んでったって目撃者兼追跡者であるロド兄が話してくれたよ。

弾き飛ばされた者の結末?


「無傷じゃ、無傷。

着地でものすごい転がりようじゃったのに、転がるのが止まったらパッと立ち上がってスタスタ歩いて行ったんじゃよ」


凄いよねー人族で魔法使わずに無傷って……どういう身体の作りしてるんだろうね?








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