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第5章 幻々の森
6.『ラフィリア』のため④
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よしよし、体調を崩さず更新できました(^-^)/
────────────────
アヴィに恋してるって気付いてから、アヴィに寄って来る女性達に対してたまーに感じたモヤモヤっとしたものが『嫉妬』だったのだというのもわかった。
何で気付かなかったんだろう……って私が蓋をしていたからか。
はぁー、好きってわかってもとりあえず普段と同じくアヴィに今まで通り接して…接して……あれ?
普段通りっていうとー、私達の場合抱っこやら添い寝とかしてる、よね?
え、どうしよう!
そんな事したら絶対ドキドキしちゃうし、そもそも今アヴィの顔を見られるかどうかの精神状態なんだけど?!
いつも通りの態度じゃないと絶対に不審がられるよね?!
「梨沙ったらコロコロと表情が変わって面白いわ~。
たぶんアヴィルトくんとこれからどう接したら良いかわからなくなってるのね、きっと」
「そうだろうなー、梨沙が恋に気付いて蓋が取れたことはすごく喜ばしい事だが…父親としてはちょっとだけ複雑な気持ちもあるなぁ」
「あ~、それは僕もかもー。
姉ちゃんには幸せになって欲しいけど、なんか寂しい気持ちもあるみたいな?」
おお!お母さん正解!
お父さんは…うん、コメントに難しいから放置でいいな。
理人ってば実は軽ーくシスコンだったの?
「お母さん、何でわかったの?
でも、本当にこれからどうしたらいいのか…」
「ふふん♪
そんなの決まってるじゃなーい!
こ・く・は・く しちゃいなさい♪」
「うえぇぇえっ?!
無理無理無理ー!
絶対無理!!」
「梨沙。
女は度胸よ!
告白しちゃって甘々ラブラブを楽しみなさい♪」
甘々ラブラブ…?
アヴィと…?
…
……
ボンッ
「うっわぁー、姉ちゃん顔真っ赤…」
…ん?
でも待てよ。
甘々ラブラブ展開になるには…
「そもそも告白が成功しないと甘々な展開事態ないよね…?」
一気にズンッと気持ちが沈んだ。
「お、今度は暗くなったな。
なぁ、梨沙の周りにキノコが生えてきてないか?」
アヴィはいつも私に凄く優しくて色々甘いけど、それは…家族愛的なものだと思うんだよね。
家族愛…家族的な気持ちを恋愛感情に変えるってさ、初心者の私には無理ゲーじゃないか?
「随分暗くなってるけど、私達の梨沙はそんなに弱い子だったかしら?
私達の知ってる梨沙はいつも前向きで、少々の失敗なんかでは心が折れることなんてなかったと思うんだけど?
それは『ラフィリア』になっても変わっていないのは神様から聞いて知っているわ。
それに告白して一度振られたくらいで諦めることができるの?
いいえ、あなたはきっとまた相手にぶつかっていくわ。
だって、梨沙の時がそうだったでしょ?」
私、アヴィに振られたら諦めれる?
ううん、きっとお母さんが今言ったようにまたアタックすると思う。
決定的に諦める何かがない限りは向かっていくだろうな、うん。
パァッと視界が開けた気がする。
「うん、そうだね。
お母さんの言う通り、きっと諦めずに向かっていくと思う。
うん…うんっ、私アヴィに告白してみる!」
「ふふ、それでこそ私達の梨沙よ!
あら、そろそろ時間のようね」
「時間…?」
何だかお母さん達の輪郭が少し曖昧になってきてる?
「あぁ、梨沙の…『ラフィリア』の蓋が完全になくなったんだろうな。
だから、役目を終えたこの空間が消えようとしている」
「もう、皆とお別れなのね…」
ここで別れたら今度こそもう会うことはないだろう。
この一時だけでも奇跡だったんだろうけど…やっぱり寂しいよ。
「そうね、一旦お別れね」
…んん?
一旦お別れ?
なんか言葉が変じゃなかったか?
「すぐには会えないけど、今度はそっちの世界で、だな」
「そっちの世界??」
「そーそー。
姉ちゃんが転生した世界、ね!」
「は?
私の転生した世界って……こっちの世界?!」
「そうなのよー。
なんでも私達が亡くなったらお嬢さんと同じ世界に転生しないかって神様から言われてね?
でも、私達が亡くなってから転生しても梨沙がいないんじゃあ…って言ったら『ラフィリア』はものすっごく長生きさんになると思うから会えますよって言われたの。
だから、私達もそれなら…って」
いや、それなら…って。
いやいや、それも気になるけど私がものすっごく長生きになるって何?!
「あ、もう時間切れね。
梨沙、何年後…ううん何十年後かもしれないけど会いに行くから待っててね~」
「ちゃんと『ラフィリア』の姿を覚えたからなぁ~」
「姉ちゃんとこの世界楽しみー!
じゃあまたな!」
会いに行くとか私の姿を覚えたとか私のとこの世界が楽しみとか色々言ってるけど!
もうほぼ白い光の空間に向かって私は精一杯の声を出した。
「いやっ本当に待ってってばぁぁぁあっっ!!!」
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アヴィに恋してるって気付いてから、アヴィに寄って来る女性達に対してたまーに感じたモヤモヤっとしたものが『嫉妬』だったのだというのもわかった。
何で気付かなかったんだろう……って私が蓋をしていたからか。
はぁー、好きってわかってもとりあえず普段と同じくアヴィに今まで通り接して…接して……あれ?
普段通りっていうとー、私達の場合抱っこやら添い寝とかしてる、よね?
え、どうしよう!
そんな事したら絶対ドキドキしちゃうし、そもそも今アヴィの顔を見られるかどうかの精神状態なんだけど?!
いつも通りの態度じゃないと絶対に不審がられるよね?!
「梨沙ったらコロコロと表情が変わって面白いわ~。
たぶんアヴィルトくんとこれからどう接したら良いかわからなくなってるのね、きっと」
「そうだろうなー、梨沙が恋に気付いて蓋が取れたことはすごく喜ばしい事だが…父親としてはちょっとだけ複雑な気持ちもあるなぁ」
「あ~、それは僕もかもー。
姉ちゃんには幸せになって欲しいけど、なんか寂しい気持ちもあるみたいな?」
おお!お母さん正解!
お父さんは…うん、コメントに難しいから放置でいいな。
理人ってば実は軽ーくシスコンだったの?
「お母さん、何でわかったの?
でも、本当にこれからどうしたらいいのか…」
「ふふん♪
そんなの決まってるじゃなーい!
こ・く・は・く しちゃいなさい♪」
「うえぇぇえっ?!
無理無理無理ー!
絶対無理!!」
「梨沙。
女は度胸よ!
告白しちゃって甘々ラブラブを楽しみなさい♪」
甘々ラブラブ…?
アヴィと…?
…
……
ボンッ
「うっわぁー、姉ちゃん顔真っ赤…」
…ん?
でも待てよ。
甘々ラブラブ展開になるには…
「そもそも告白が成功しないと甘々な展開事態ないよね…?」
一気にズンッと気持ちが沈んだ。
「お、今度は暗くなったな。
なぁ、梨沙の周りにキノコが生えてきてないか?」
アヴィはいつも私に凄く優しくて色々甘いけど、それは…家族愛的なものだと思うんだよね。
家族愛…家族的な気持ちを恋愛感情に変えるってさ、初心者の私には無理ゲーじゃないか?
「随分暗くなってるけど、私達の梨沙はそんなに弱い子だったかしら?
私達の知ってる梨沙はいつも前向きで、少々の失敗なんかでは心が折れることなんてなかったと思うんだけど?
それは『ラフィリア』になっても変わっていないのは神様から聞いて知っているわ。
それに告白して一度振られたくらいで諦めることができるの?
いいえ、あなたはきっとまた相手にぶつかっていくわ。
だって、梨沙の時がそうだったでしょ?」
私、アヴィに振られたら諦めれる?
ううん、きっとお母さんが今言ったようにまたアタックすると思う。
決定的に諦める何かがない限りは向かっていくだろうな、うん。
パァッと視界が開けた気がする。
「うん、そうだね。
お母さんの言う通り、きっと諦めずに向かっていくと思う。
うん…うんっ、私アヴィに告白してみる!」
「ふふ、それでこそ私達の梨沙よ!
あら、そろそろ時間のようね」
「時間…?」
何だかお母さん達の輪郭が少し曖昧になってきてる?
「あぁ、梨沙の…『ラフィリア』の蓋が完全になくなったんだろうな。
だから、役目を終えたこの空間が消えようとしている」
「もう、皆とお別れなのね…」
ここで別れたら今度こそもう会うことはないだろう。
この一時だけでも奇跡だったんだろうけど…やっぱり寂しいよ。
「そうね、一旦お別れね」
…んん?
一旦お別れ?
なんか言葉が変じゃなかったか?
「すぐには会えないけど、今度はそっちの世界で、だな」
「そっちの世界??」
「そーそー。
姉ちゃんが転生した世界、ね!」
「は?
私の転生した世界って……こっちの世界?!」
「そうなのよー。
なんでも私達が亡くなったらお嬢さんと同じ世界に転生しないかって神様から言われてね?
でも、私達が亡くなってから転生しても梨沙がいないんじゃあ…って言ったら『ラフィリア』はものすっごく長生きさんになると思うから会えますよって言われたの。
だから、私達もそれなら…って」
いや、それなら…って。
いやいや、それも気になるけど私がものすっごく長生きになるって何?!
「あ、もう時間切れね。
梨沙、何年後…ううん何十年後かもしれないけど会いに行くから待っててね~」
「ちゃんと『ラフィリア』の姿を覚えたからなぁ~」
「姉ちゃんとこの世界楽しみー!
じゃあまたな!」
会いに行くとか私の姿を覚えたとか私のとこの世界が楽しみとか色々言ってるけど!
もうほぼ白い光の空間に向かって私は精一杯の声を出した。
「いやっ本当に待ってってばぁぁぁあっっ!!!」
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