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第5章 幻々の森
5.『ラフィリア』のため③
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先週は体調不良で執筆ができず更新ができませんでしたm(_ _;)m
────────────────
「おっと、いかんいかん。
俺まで本題から逸れてしまった。
これじゃ母さんと変わらんなぁーあっはっは!」
「んもぅ、お父さんたらー」
「あはは、こんな場所でも僕達ってばいつもの流れ~」
「そうだね~、全然変わってないよーふふ」
家族が生前と何も変わらなすぎて自然と笑ってしまう。
そうだった、うん、こんなほのぼのお気楽仲良し家族だったよ。
「やっぱりうちの家族は仲良しだなぁ…」
「そうだろう、そうだろう。
うちはものすご~く仲良しだ。
だから、梨沙 大丈夫 だぞ?」
「え…?」
急にテンション高めから穏やかな声と表情で父が私に大丈夫と言ってきた。
大丈夫……って何が?
「お前が、ラフィリアの両親が子供を子と思わないクズだったから同じ血が流れてる自分も『恋』をしたら同じになるのではないか、そう思ってそういう感情から目を逸らして蓋をしていると神様から聞いた。
でもな、俺達は絶対にそうならないって断言出来る。
だって、お前はラフィリアになっても根源である魂は俺達の娘の梨沙なんだぞ?
それなら、俺達家族の愛情をいっぱい受けていて『愛』を知っているんだから絶対に大丈夫だ!」
「そうよー、それにひとつでも感情に蓋をしちゃったら絶対にどこかで歪みとなって出てきちゃうわよ?」
「そうだよ!
僕も…一時ある事を我慢してたんだけど、普段の行動がおかしくなってたみたいで周囲からすっげー心配されちゃってさー、我慢するのやめたんだ。
姉ちゃん、蓋は体にきっと良くないって!
開けちゃえ開けちゃえ!」
いや…そんな簡単に開けちゃえって言うけどさー。
『蓋』ってどう開ければいいの?
「ねえ、梨沙?
神様から聞いてるんだけど、梨沙から見てロドクスさんとアヴィルトくんってどんな人達なの?」
「ロド兄とアヴィ?」
「うん、その2人の事を教えてほしいの」
なぜにこの2人?とは思うけど、別に秘密にする理由もないし…まぁ教えましょうか。
「じゃあ、まずはロド兄から────…
…────と、こんな感じかな?」
二人について話終えるとなぜか家族みんながニヤニヤしていた。
なんでそんなニヤついてるんですか?!
「んもぅ!
梨沙ったら、相変わらずお鈍さんなのね。
比較するために2人の事を話してもらったけど、梨沙はもう『恋』をしているわ。
蓋を開けるには、たぶんあなたが気付くだけだと思うの。
そうねぇ…典型的だけど、今話してくれた2人の側にそれぞれ女性が寄り添うのを想像してみたらわかるかもしれないわよ?」
えー…想像?
想像できるかなぁ?と思っていたら、私の視線の先にロド兄と見知らぬ女性が親しげに寄り添う姿が見えた。
「え、ロド兄?
うわぁー…あんな蕩けた顔見たの初めてかも…すっごく幸せそうで私も嬉しいな」
心がポワポワ~っと温かくなったところでロド兄と女性が消えた。
そして、新たに現れたのは…アヴィと私も見たことがある女性が寄り添って立っていた。
あの女性はアヴィをいつも愛おしげに見て…───
「………」
「梨沙、あなた今泣いているって自分で気付いている?」
「え…あ、れ何で涙が?」
「何で…かは、あなたが彼と彼女を見たことで涙した。
ということは、梨沙はあの2人を見て何かを思ったはずよ。
なんて思ったの?」
アヴィと彼女を見たから涙を?
私は2人を見てなんて思った?
私は…
『どうしてあそこにいるのは私じゃないの?』
『あの女性より私の方がアヴィをずっと大好きなのに!』
そう、思ったから涙が出たんだ。
ああ…なんだなぁーんだ。
私ったら、もうずっとこの思いをここに宿してた。
気付かない振りしてたけどアヴィにしっかり『恋』してたんじゃない。
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「おっと、いかんいかん。
俺まで本題から逸れてしまった。
これじゃ母さんと変わらんなぁーあっはっは!」
「んもぅ、お父さんたらー」
「あはは、こんな場所でも僕達ってばいつもの流れ~」
「そうだね~、全然変わってないよーふふ」
家族が生前と何も変わらなすぎて自然と笑ってしまう。
そうだった、うん、こんなほのぼのお気楽仲良し家族だったよ。
「やっぱりうちの家族は仲良しだなぁ…」
「そうだろう、そうだろう。
うちはものすご~く仲良しだ。
だから、梨沙 大丈夫 だぞ?」
「え…?」
急にテンション高めから穏やかな声と表情で父が私に大丈夫と言ってきた。
大丈夫……って何が?
「お前が、ラフィリアの両親が子供を子と思わないクズだったから同じ血が流れてる自分も『恋』をしたら同じになるのではないか、そう思ってそういう感情から目を逸らして蓋をしていると神様から聞いた。
でもな、俺達は絶対にそうならないって断言出来る。
だって、お前はラフィリアになっても根源である魂は俺達の娘の梨沙なんだぞ?
それなら、俺達家族の愛情をいっぱい受けていて『愛』を知っているんだから絶対に大丈夫だ!」
「そうよー、それにひとつでも感情に蓋をしちゃったら絶対にどこかで歪みとなって出てきちゃうわよ?」
「そうだよ!
僕も…一時ある事を我慢してたんだけど、普段の行動がおかしくなってたみたいで周囲からすっげー心配されちゃってさー、我慢するのやめたんだ。
姉ちゃん、蓋は体にきっと良くないって!
開けちゃえ開けちゃえ!」
いや…そんな簡単に開けちゃえって言うけどさー。
『蓋』ってどう開ければいいの?
「ねえ、梨沙?
神様から聞いてるんだけど、梨沙から見てロドクスさんとアヴィルトくんってどんな人達なの?」
「ロド兄とアヴィ?」
「うん、その2人の事を教えてほしいの」
なぜにこの2人?とは思うけど、別に秘密にする理由もないし…まぁ教えましょうか。
「じゃあ、まずはロド兄から────…
…────と、こんな感じかな?」
二人について話終えるとなぜか家族みんながニヤニヤしていた。
なんでそんなニヤついてるんですか?!
「んもぅ!
梨沙ったら、相変わらずお鈍さんなのね。
比較するために2人の事を話してもらったけど、梨沙はもう『恋』をしているわ。
蓋を開けるには、たぶんあなたが気付くだけだと思うの。
そうねぇ…典型的だけど、今話してくれた2人の側にそれぞれ女性が寄り添うのを想像してみたらわかるかもしれないわよ?」
えー…想像?
想像できるかなぁ?と思っていたら、私の視線の先にロド兄と見知らぬ女性が親しげに寄り添う姿が見えた。
「え、ロド兄?
うわぁー…あんな蕩けた顔見たの初めてかも…すっごく幸せそうで私も嬉しいな」
心がポワポワ~っと温かくなったところでロド兄と女性が消えた。
そして、新たに現れたのは…アヴィと私も見たことがある女性が寄り添って立っていた。
あの女性はアヴィをいつも愛おしげに見て…───
「………」
「梨沙、あなた今泣いているって自分で気付いている?」
「え…あ、れ何で涙が?」
「何で…かは、あなたが彼と彼女を見たことで涙した。
ということは、梨沙はあの2人を見て何かを思ったはずよ。
なんて思ったの?」
アヴィと彼女を見たから涙を?
私は2人を見てなんて思った?
私は…
『どうしてあそこにいるのは私じゃないの?』
『あの女性より私の方がアヴィをずっと大好きなのに!』
そう、思ったから涙が出たんだ。
ああ…なんだなぁーんだ。
私ったら、もうずっとこの思いをここに宿してた。
気付かない振りしてたけどアヴィにしっかり『恋』してたんじゃない。
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