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第5章 幻々の森
1.まぼろし
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この次話を明日更新できればしたいですが、出来なければまた来週になりまーす(^ー^;A
────────────────
東へ進む途中でロナから伝魔鳥が来た。
なんと番を見つけたので一緒に旅が出来なくなったというのと、番の彼を口説き落としたら連れて行くから会ってね!との面会予約をされました(笑)
口説き落とすのに時間がかかるのでは?と通常なら思いますが、超美形な龍人族である彼女に惚れないなんてことないと思うのできっとすぐ番の彼には会うことになるのでしょう。
まぁ…たまに、美形だろうと惚れない者もいるけどね~。
ロナの性格もめちゃくちゃ良いので会うのは本当にすぐでしょう。
ロナからの伝魔鳥は私だけでなくロド兄にも来ていたがー…なんだか微妙な顔をしていたので私とはまた違った内容だったのかも?
でも、そっかー…ロナも恋を知ったんだねー。
私は…───
「はぁ……」
「どうした?」
気付かれないように小さくため息を吐いたのだが、アヴィには気づかれてしまった。
さすが狼の聴覚だ。
「んーとね、ロナが番と出会ったって聞いて何だが空虚…ううん、置いていかれた…っていう表現の方がしっくりくるかな?
私はまだ恋を知らないから………というか私自身それを…───」
「それを…?」
「ううん、何でもない。
あ、ロド兄あれって森?」
何でもないって言っても追求してきそうなアヴィを躱すために、ちょうど良く視界に森らしき木々が映った。
私自身それを望んでもいない…なんて事を口にしたら、優しいアヴィが困るってわかってるからね。
…うん、納得してないぞっていう視線がビシバシ横から刺さってきてるが…耐えろ、私!
「そう森じゃよ。
ただ、人によっては少々厄介な森でもあるのぅ~」
「人によって厄介?」
「んー、『幻々の森』というんじゃがー名の通り幻を見せるんじゃ。
じゃが、魔力が高いわしらは幻に惑わされることはないから安心せぃって事で森に入るぞ~♪」
「はーい」
「あ、れ?
私確か……」
確か……森に入って?
あれ?
でも、ここ………あぁそっか私は幻を見ているんだね。
んん?
幻って気づいたのに幻が消えない…なんで?
「確かってなぁに?」
そ…んな……まさか………。
もう決して会うことが出来ない人…。
ゆっくりと声がした方を見れば…───
「……………お、母さ、ん?」
「ええ、あなたのお母さんだけど?
………本当にどうしたの、梨沙?」
そこに立っていたのはもう朧気な記憶しかない、私の前世の〝母〟だった。
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東へ進む途中でロナから伝魔鳥が来た。
なんと番を見つけたので一緒に旅が出来なくなったというのと、番の彼を口説き落としたら連れて行くから会ってね!との面会予約をされました(笑)
口説き落とすのに時間がかかるのでは?と通常なら思いますが、超美形な龍人族である彼女に惚れないなんてことないと思うのできっとすぐ番の彼には会うことになるのでしょう。
まぁ…たまに、美形だろうと惚れない者もいるけどね~。
ロナの性格もめちゃくちゃ良いので会うのは本当にすぐでしょう。
ロナからの伝魔鳥は私だけでなくロド兄にも来ていたがー…なんだか微妙な顔をしていたので私とはまた違った内容だったのかも?
でも、そっかー…ロナも恋を知ったんだねー。
私は…───
「はぁ……」
「どうした?」
気付かれないように小さくため息を吐いたのだが、アヴィには気づかれてしまった。
さすが狼の聴覚だ。
「んーとね、ロナが番と出会ったって聞いて何だが空虚…ううん、置いていかれた…っていう表現の方がしっくりくるかな?
私はまだ恋を知らないから………というか私自身それを…───」
「それを…?」
「ううん、何でもない。
あ、ロド兄あれって森?」
何でもないって言っても追求してきそうなアヴィを躱すために、ちょうど良く視界に森らしき木々が映った。
私自身それを望んでもいない…なんて事を口にしたら、優しいアヴィが困るってわかってるからね。
…うん、納得してないぞっていう視線がビシバシ横から刺さってきてるが…耐えろ、私!
「そう森じゃよ。
ただ、人によっては少々厄介な森でもあるのぅ~」
「人によって厄介?」
「んー、『幻々の森』というんじゃがー名の通り幻を見せるんじゃ。
じゃが、魔力が高いわしらは幻に惑わされることはないから安心せぃって事で森に入るぞ~♪」
「はーい」
「あ、れ?
私確か……」
確か……森に入って?
あれ?
でも、ここ………あぁそっか私は幻を見ているんだね。
んん?
幻って気づいたのに幻が消えない…なんで?
「確かってなぁに?」
そ…んな……まさか………。
もう決して会うことが出来ない人…。
ゆっくりと声がした方を見れば…───
「……………お、母さ、ん?」
「ええ、あなたのお母さんだけど?
………本当にどうしたの、梨沙?」
そこに立っていたのはもう朧気な記憶しかない、私の前世の〝母〟だった。
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