95 / 110
第4章 ルモォンの村
※ロナジェス視点 ④
しおりを挟む
あともう1話ロナジェス視点続きます(たぶん)
────────────────
私の質問にどんな答えが返ってくるかほんの少しワクワクした気持ちがあったのだが…彼の答えは、精霊たちから聞いていた印象で答えるだろうと思っていたものとは違い〝普通〟だった。
「ラフィリア姉さんが選んだ人なら僕は認めるよ。
だって、昔から人の良し悪しに敏感な姉さんが変な男に惹かれるはずがないしね」
「あら、もしかしたらその感覚が鈍って変な男に引っかかってるかもしれないのにリアが選んだ人だからってだけで認めちゃうの?」
「鈍るなんて絶対にないこと、だよ。
子供の時から今までそうだったからね。
手紙で書いた関わりある人物に対してまで善悪が分かっちゃうんだ。
姉さんがその人と距離を置いた方が良いっていうから距離を置くと、実は色々と悪いことをしていたりとかが出てくるんだ」
えー…?
リアにそんな能力あったかしら??
私はそんなリアの能力見たことないわ。
あーもしや今のところ、出会う人達に悪い人がいないからなのかしらねー…いつか生で見られるかしら?
「ふーん…。
そっかそっかぁ、あなたの口から認めるって言葉が出るとは思わなかったわ。
リアに執着しているって聞いていたからてっきり認めないものかと…」
「誰から聞いたのかは聞かないけど、僕ラフィリア姉さんに執着してるってことは事実だよ。
これから先、姉さんに会ったらもう絶対に離れる気ないからね。
姉さんが死んだら僕も後を追って死ぬし、僕が死にそうになったら姉さんを殺して一緒に逝ってもらうつもりなんだ」
んんー…これは、幼い頃にリアが突然いなくなったから離れたり死で別れることを恐れるが故に執着しているのかも?
それに…この子はリアを姉さんと言ってはいるけど、どちらかというと〝母〟として見ているような気がする。
だとしたらシスコンじゃなくて、マザコンね。
だけどそうねー、質問の回答は合格でもこのままでは私はこの子をリアへ会わせることはできないわ。
さて…どうしたものか────
ん?これは────
「あ、ロナジェスお姉さんあそこが僕たちの今の〝家〟だよ」
「ええ、そのようね…あの家から彼の匂いがするわ」
ああ…っ!
なんて良い香りなの!
爽やかでいて柔らかくて優しい…そして甘い、甘いとても魅惑的な香り。
私はなぜ、こんなにもこの匂いに心惹かれるのだろう?
なぜ…?
キィ…
「タイミング良く出てきた。
おーい、ラフェク兄さーん」
「ん?
おあっ?!
おっ前突然勝手に出ていきやがって、こっちがどれだけ心配したと思ってるんだ!!」
「え~?
ごめんね?
それより、兄さんに会いたいって言うからこの人連れてきた」
「それよりって…え?
うわー、これまた綺麗なお嬢さんだなぁ。
えーと、俺に会いたい?とのことのようですが何の御用でしょうか?」
なんてことなの…。
まだ、出会わないだろうと思って…でもいつかは出会えるだろうと思っていた相手。
まさかまさか、その相手がリアの一番上のお兄さんだったなんて…っ!
「あの…?」
「…初めまして、私龍人族のロナジェスと言いますの。
突然訪ねてしまい申し訳ありません。
ですが、あなたの匂いに惹かれて会ってみたくてライツェフに頼みましたの。
でも会ってみて正解でしたわ。
だってあなたは…
私の番なのですもの!
好きですっ!
愛してますっ!
私と結婚しましょう!」
「はあ…俺が番…つが…結婚…け……はえぇぇぇぇえっ?!?!」
────────────────
私の質問にどんな答えが返ってくるかほんの少しワクワクした気持ちがあったのだが…彼の答えは、精霊たちから聞いていた印象で答えるだろうと思っていたものとは違い〝普通〟だった。
「ラフィリア姉さんが選んだ人なら僕は認めるよ。
だって、昔から人の良し悪しに敏感な姉さんが変な男に惹かれるはずがないしね」
「あら、もしかしたらその感覚が鈍って変な男に引っかかってるかもしれないのにリアが選んだ人だからってだけで認めちゃうの?」
「鈍るなんて絶対にないこと、だよ。
子供の時から今までそうだったからね。
手紙で書いた関わりある人物に対してまで善悪が分かっちゃうんだ。
姉さんがその人と距離を置いた方が良いっていうから距離を置くと、実は色々と悪いことをしていたりとかが出てくるんだ」
えー…?
リアにそんな能力あったかしら??
私はそんなリアの能力見たことないわ。
あーもしや今のところ、出会う人達に悪い人がいないからなのかしらねー…いつか生で見られるかしら?
「ふーん…。
そっかそっかぁ、あなたの口から認めるって言葉が出るとは思わなかったわ。
リアに執着しているって聞いていたからてっきり認めないものかと…」
「誰から聞いたのかは聞かないけど、僕ラフィリア姉さんに執着してるってことは事実だよ。
これから先、姉さんに会ったらもう絶対に離れる気ないからね。
姉さんが死んだら僕も後を追って死ぬし、僕が死にそうになったら姉さんを殺して一緒に逝ってもらうつもりなんだ」
んんー…これは、幼い頃にリアが突然いなくなったから離れたり死で別れることを恐れるが故に執着しているのかも?
それに…この子はリアを姉さんと言ってはいるけど、どちらかというと〝母〟として見ているような気がする。
だとしたらシスコンじゃなくて、マザコンね。
だけどそうねー、質問の回答は合格でもこのままでは私はこの子をリアへ会わせることはできないわ。
さて…どうしたものか────
ん?これは────
「あ、ロナジェスお姉さんあそこが僕たちの今の〝家〟だよ」
「ええ、そのようね…あの家から彼の匂いがするわ」
ああ…っ!
なんて良い香りなの!
爽やかでいて柔らかくて優しい…そして甘い、甘いとても魅惑的な香り。
私はなぜ、こんなにもこの匂いに心惹かれるのだろう?
なぜ…?
キィ…
「タイミング良く出てきた。
おーい、ラフェク兄さーん」
「ん?
おあっ?!
おっ前突然勝手に出ていきやがって、こっちがどれだけ心配したと思ってるんだ!!」
「え~?
ごめんね?
それより、兄さんに会いたいって言うからこの人連れてきた」
「それよりって…え?
うわー、これまた綺麗なお嬢さんだなぁ。
えーと、俺に会いたい?とのことのようですが何の御用でしょうか?」
なんてことなの…。
まだ、出会わないだろうと思って…でもいつかは出会えるだろうと思っていた相手。
まさかまさか、その相手がリアの一番上のお兄さんだったなんて…っ!
「あの…?」
「…初めまして、私龍人族のロナジェスと言いますの。
突然訪ねてしまい申し訳ありません。
ですが、あなたの匂いに惹かれて会ってみたくてライツェフに頼みましたの。
でも会ってみて正解でしたわ。
だってあなたは…
私の番なのですもの!
好きですっ!
愛してますっ!
私と結婚しましょう!」
「はあ…俺が番…つが…結婚…け……はえぇぇぇぇえっ?!?!」
0
お気に入りに追加
314
あなたにおすすめの小説
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる