94 / 110
第4章 ルモォンの村
※ロナジェス視点 ③
しおりを挟む
季節の変わり目のせいか、元々体の弱いうちのインコさんが体調を崩しました( ´△`)
皆さんも気をつけてくださいね(>_<)
────────────────
リアの弟ライツェフ(名前を聞き出した)から胸飾りを誰からもらったのか教えてもらったわ。
なんでも一番上の兄がお守りにとくれたらしいの。
その兄はラフェクという名前とのこと。
今は身体強化をしてラフェクさんに会いに行く途中ですのよ…うふ。
ライツェフは嫌だと言いましたがリアに会えるかも…的なことをほのめかしまして釣りました。
リア様様ですわね!
「ねえ、ライツェフはなんでリアにそんなに懐いてるの?
だってリアと直接接していた時あなたは1歳だったのでしょう?
ほとんど記憶にないはずなのに、そこまで懐くのが不思議でならないのよねー」
「僕、生まれた時から記憶があるから1歳の時のことももちろん覚えてる。
…とは言っても生まれた時は声の記憶だけど。
その生まれて初めての声は僕にとっては親に当たる奴らだった。
意味はわからずとも言葉を覚えていたから、後々あいつらが言っていた初めての言葉の意味を知ったよ。
あいつらこう言ったんだ《お、なかなか綺麗な顔だぞ。こいつ》《まあ、本当ね。これなら高く値がつくわね!》…最低なクズ人間たちだよな」
「そうね…でももう関わり合うことは絶対にないから忘れる…ことは無理だろうから、幸せなことをたくさん心に蓄えて嫌な記憶は隅っこに追いやってしまいなさい。
そうしたらもしかしたら記憶力が良いあなたでも思い出すことがなくなるかもしれないわよ?
まあ、嫌な話はここで終わりにしてリアに懐いてるのがなぜなのかの話の続きをしましょう?」
「なんで、か。
んー…あの家でラフィリア姉さんが一番愛情を持って僕の世話をしてくれていたから、かな」
「リアが一番?
他の兄姉もあなたのお世話をしてくれていたのよね?
それなのになんでそう思ったのかしら?」
「他の兄姉も僕の面倒は見てくれてたよ。
でもラフィリア姉さんが一番だったと思う。
んーと、ラフィリア姉さんの始まりもやっぱり声の記憶からなんだけど…
《はじめまして~わたしはあなたのあねのラフィリアよ~ここはいいかんきょうとはいえないけど、わたしのおとうとにうまれてきてくれてありがとう~。
えーっと、あのおやはどうせきめないだろうからわたしがかんがえたんだけどきにいってくれるかなぁ?
あなたのおなまえはね ライツェフ というのよ。
げんきいっぱいにそだってね!》
《んん~?
おなかがちょっとゆるめかな?
ここすこしさむいからきょうはわたしのふくとかもなんまいかかけてだっこすればすこしはあたたかくなるかなぁ?》
《きょうはねぇねとおそとにおさんぽにいこうか?》
とか常にそばに居てくれた。
目がちゃんと見えるようになってからは、ラフィリア姉さんは僕に柔らかな温かい笑顔を向けていたこともわかった。
あんな家の状態だったのに、僕たちに全然悲しい顔を見せなかったっていうのも理由の1つになってるかもしれない。
あ…でも、少しだけラフィリア姉さんがいなくなる数日前からたまに僕たちを見て悲しげな表情をしていたっけ」
「そうなの…リアは小さな頃から優しい子だったのねー…。
ねえ?リアが家出してあなた達は置いていかれた訳だけどその辺はどう思っているの?」
彼は歩みを止めずにほんの少し空を見上げ遠くを、過去を見つめるようにして口に出した。
「ラフィリア姉さんがいなくなったのを知ったあの日はいないことが理解できずにいた。
でも、時間が経つにつれぽっかり空いた空間にじわじわと心に冷たいものが広がるみたいになってずっと泣いてた。
始めは 〝悲しい〟〝寂しい〟でもだんだんそれだけじゃなくてあの家から逃げてくれて〝良かった〟って思いも成長するに従って生まれたよ。
だって、あのままいたらラフィリア姉さんが奴隷商に売られていたからね。
だから、皆ラフィリア姉さんが逃げたことに対して恨んだりといった感情はないよ」
「うん、そうよね。
そんな感情があったら懐いてないわよね。
それじゃあ、あと一つだけ質問!
もし、リアに恋人や伴侶ができたらあなたその人を認められる?」
さあ、ライツェフあなたはこの質問にどう答えるかしら?
皆さんも気をつけてくださいね(>_<)
────────────────
リアの弟ライツェフ(名前を聞き出した)から胸飾りを誰からもらったのか教えてもらったわ。
なんでも一番上の兄がお守りにとくれたらしいの。
その兄はラフェクという名前とのこと。
今は身体強化をしてラフェクさんに会いに行く途中ですのよ…うふ。
ライツェフは嫌だと言いましたがリアに会えるかも…的なことをほのめかしまして釣りました。
リア様様ですわね!
「ねえ、ライツェフはなんでリアにそんなに懐いてるの?
だってリアと直接接していた時あなたは1歳だったのでしょう?
ほとんど記憶にないはずなのに、そこまで懐くのが不思議でならないのよねー」
「僕、生まれた時から記憶があるから1歳の時のことももちろん覚えてる。
…とは言っても生まれた時は声の記憶だけど。
その生まれて初めての声は僕にとっては親に当たる奴らだった。
意味はわからずとも言葉を覚えていたから、後々あいつらが言っていた初めての言葉の意味を知ったよ。
あいつらこう言ったんだ《お、なかなか綺麗な顔だぞ。こいつ》《まあ、本当ね。これなら高く値がつくわね!》…最低なクズ人間たちだよな」
「そうね…でももう関わり合うことは絶対にないから忘れる…ことは無理だろうから、幸せなことをたくさん心に蓄えて嫌な記憶は隅っこに追いやってしまいなさい。
そうしたらもしかしたら記憶力が良いあなたでも思い出すことがなくなるかもしれないわよ?
まあ、嫌な話はここで終わりにしてリアに懐いてるのがなぜなのかの話の続きをしましょう?」
「なんで、か。
んー…あの家でラフィリア姉さんが一番愛情を持って僕の世話をしてくれていたから、かな」
「リアが一番?
他の兄姉もあなたのお世話をしてくれていたのよね?
それなのになんでそう思ったのかしら?」
「他の兄姉も僕の面倒は見てくれてたよ。
でもラフィリア姉さんが一番だったと思う。
んーと、ラフィリア姉さんの始まりもやっぱり声の記憶からなんだけど…
《はじめまして~わたしはあなたのあねのラフィリアよ~ここはいいかんきょうとはいえないけど、わたしのおとうとにうまれてきてくれてありがとう~。
えーっと、あのおやはどうせきめないだろうからわたしがかんがえたんだけどきにいってくれるかなぁ?
あなたのおなまえはね ライツェフ というのよ。
げんきいっぱいにそだってね!》
《んん~?
おなかがちょっとゆるめかな?
ここすこしさむいからきょうはわたしのふくとかもなんまいかかけてだっこすればすこしはあたたかくなるかなぁ?》
《きょうはねぇねとおそとにおさんぽにいこうか?》
とか常にそばに居てくれた。
目がちゃんと見えるようになってからは、ラフィリア姉さんは僕に柔らかな温かい笑顔を向けていたこともわかった。
あんな家の状態だったのに、僕たちに全然悲しい顔を見せなかったっていうのも理由の1つになってるかもしれない。
あ…でも、少しだけラフィリア姉さんがいなくなる数日前からたまに僕たちを見て悲しげな表情をしていたっけ」
「そうなの…リアは小さな頃から優しい子だったのねー…。
ねえ?リアが家出してあなた達は置いていかれた訳だけどその辺はどう思っているの?」
彼は歩みを止めずにほんの少し空を見上げ遠くを、過去を見つめるようにして口に出した。
「ラフィリア姉さんがいなくなったのを知ったあの日はいないことが理解できずにいた。
でも、時間が経つにつれぽっかり空いた空間にじわじわと心に冷たいものが広がるみたいになってずっと泣いてた。
始めは 〝悲しい〟〝寂しい〟でもだんだんそれだけじゃなくてあの家から逃げてくれて〝良かった〟って思いも成長するに従って生まれたよ。
だって、あのままいたらラフィリア姉さんが奴隷商に売られていたからね。
だから、皆ラフィリア姉さんが逃げたことに対して恨んだりといった感情はないよ」
「うん、そうよね。
そんな感情があったら懐いてないわよね。
それじゃあ、あと一つだけ質問!
もし、リアに恋人や伴侶ができたらあなたその人を認められる?」
さあ、ライツェフあなたはこの質問にどう答えるかしら?
0
お気に入りに追加
314
あなたにおすすめの小説
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。


最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる