始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第4章 ルモォンの村

※ロナジェス視点 ①

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ロナジェスとリアの兄弟妹きょうだいを番外で少し書いていく予定です(・∀・)

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悪い者らをこれでもかというほど痛めつけてから捕縛し一件落着!…と思っていたら精霊たちからのお願いが待っていた。

どうやらリアに知られたくないみたいで、精霊たちはリアにバレないよう必死にコソコソとしていた。

普段鈍いくせに妙に鋭い時があるリアをどうにかこうにか避け、なんとかお願い内容を聞く場を作れた。


「ここなら大丈夫でしょう。

それで、あなた方のお願いとは何なのでしょうか?」


『ある少年をしてに連れ帰って欲しいの』


「保護して家に連れ帰って欲しい…ですの?」


『そう…だよ』


「それは、私じゃなくても良いのではないかしら?」


『あなた、じゃない、とだめ。

少年、も、あの子、ほどじゃ、ないけど、なかなか、に強いもの』



『あぁ、あの子とはリアのことよ?

それと、少年はリアの末の弟』


リアの弟…を保護して家に連れ帰れ、と。

そして、リアの弟のことなのにリアには内緒…ねぇ~。


「ねぇ?

なぜ、リアに直接言わないの?

両親はどうしようもない者達でしたが、兄弟妹きょうだいのことならリアはすぐにでも捜しに行きそうなのに」


『リアは知らないの。

次兄と末の弟のリアへの執着を』


「リアの次兄は会ったけれど……えぇおかしい位で特段には別に」


『次兄は要注意人物…だけど会ってもまぁ自制できてた……少し優しい兄の仮面が剥がれかけてはいたけどリアにバレてないから良い。

でも、末の弟は超超超要注意危険人物。

リアの言葉次第で状況が天から地に落ちる可能性大!』


ふぅん?

リアの言葉次第、ねぇー…んー…。


「そうね、その子を保護はするわ。

だけど、家に帰すかどうかはすぐに判断しないわ。

あなた方の言葉を信じていない訳ではないけれど、私自身がリアの末の弟に会ってみてどういう人物なのか判断したいの。

それに…場合によっては、リアに会わせてみた方が良いこともあるわよ?

だって、あのリアは少し他の者と違う感覚の持ち主なのですから」


そう言って少し変わっていてすごく優しくて可愛らしい友であるリアを思い浮かべて私は笑いその側で、精霊たちはまたあーでもないこーでもないという風に顔を突き合わせて話し合いを始めていたのだった。










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