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第4章 ルモォンの村
12.少年の恋心…?⑧
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更新です(*^^*)
────────────────
えー……まず、ヒナは逃げませんでしたが無事です。
なぜ無事なのかは、跳んでいった種を自らの力で撃退をしたからでしてー…。
「ヒ、ヒナ?
いつから魔法が使えるようになってたの?」
「ピュピュピューイピュ~ピュ!」
「少し前から森で自主練してたの?
でも、高熱の炎は結構難しい術の部類なのにもうできるなんて………うちの子天才なんじゃ?
あ、でもそれだけ頑張って練習したのかも?!
どっちにしろヒナすごいね!
あと無事で良かった~…っ!」
手のひらにヒナを乗せふわふわボディに頬を寄せスリスリ~♪
「あれ?
ヒナの尾羽と翼の先が茶色じゃないね。
あー…だから魔法が使えるようになったのかぁ~。
そっかそっかぁー、ヒナももう少ししたら成鳥になるんだね。
うん…巣立ちは寂しいけど、ヒナならちょくちょく会いに来てくれそうだから今生の別れにはならなさそうかな?」
「ピューピュピュン」
「え?
いや、でも…」
「ピュー!」
「…………はぁ。
わかったよ。
成鳥になった時に私がヒナの真名を聞いて『主従契約』をすれば良いんでしょ?
でも私は……ヒナは家族だと思ってるから契約はしたくなかったんだけどなぁー」
私の了承を聞き手のひらの上でヒナはぴょんぴょんと跳ね喜んでいる。
うむ…うちの子可愛ゆいですな~♪
「リアや、ヒナとは契約をしておく方が良いぞ?
なんせ、極彩鳥は狙われやすいからのぅ~」
「それは知ってるけどさー…」
「そんなに気にせんでも良いことじゃと思うがのぅ。
そもそも『主従契約』とは主の望む形で契約が結ばれるのじゃから、リアが家族として望むのなら契約もお互いの繋がりを感じる以外は自由なのではないかのぅ?
まぁ、だいたい『主従契約』をする者は主に逆らわないように契約が結ばれていることが最も多いがのぅ…」
「うん、わかってはいるよ?
私の気分的なもの、なんだよねー。
でも、ヒナが強く望んでるから成鳥になった時には気持ちの整理をつけてちゃんと契約するよ」
「ぅ………ん…?」
背後でシューリュくんの声が聞こえた。
起きたのだろうか?
というか、ヒナに集中していたせいで肝心のシューリュくんを忘れていた……ごめんよ。
振り返りシューリュくんを見れば、少しだけ起き上がりこちらを見て首を捻っていた。
「あ、の?
僕…なんでここに?
たしか…森にいた、と思うんだけど……夢?」
「夢じゃないよ。
ただ、休憩中にシューリュくんがチューベローズっていう植物のせいで異常な行動を起こしちゃってねー。
危険だったので、少々意識を刈り取らせてもらいました。
それで、今は投薬後なのだけどー…体は大丈夫かな?」
シューリュくんは体を捻ったり触ったりして自分の状態を確認していた。
あ…腰にあった種が抜け出した後の傷は、ちゃんとロド兄が薬を塗って治したっぽい。
だって、歯を見せて笑いながら薬の容器をプラプラさせて親指立てるという主張を、ロド兄ってばシューリュくんの斜め後ろにてしているんだもの。
「んー…体を動かしてみた感じでは特に違和感とかはないみたいなので、大丈夫だと思います」
「そう、それなら安心したわ。
あー…あのね、一つ言っておかなければならないことがあるの。
そのー、シューリュくんの治療に使ったお薬にはある副作用が出ちゃうんだよね。
その副作用っていうのが数日くらい微かにクサイ………って周囲の人に思われちゃうの」
「クサイ…ですか?
自分ではわからないのですが…」
シューリュくんはクンクンと鼻を自分の体にしていますが、この副作用自分ではわからないんだよなー。
「自分ではそのニオイがわからないんだよね。
一応周囲の人にニオイフィルター的なものを渡しておくけど…それも絶対じゃないの。
だから、もしかしたらシューリュくんが周りの人と接する時にその相手が少し引いたり、遠巻きになったりしてお互いに嫌な思いをするかもしれない。
……力になれなくてごめんなさい」
「そんなっ?!
謝らないで下さい!
僕が何か不注意でなったことを治療してくださったのですから文句などありません!
むしろ、助けていただいてありがとうございますっ!」
うーん、シューリュくんも良い子だよねー。
でも、ヒナは眼中にない模様…。
まぁ、好みは色々あるしこればっかりはしょうがないよねー。
それから、村の人たちにシューリュくんの副作用の事など説明しその日は解散となった。
なかなかに忙しい1日だったなぁ~。
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えー……まず、ヒナは逃げませんでしたが無事です。
なぜ無事なのかは、跳んでいった種を自らの力で撃退をしたからでしてー…。
「ヒ、ヒナ?
いつから魔法が使えるようになってたの?」
「ピュピュピューイピュ~ピュ!」
「少し前から森で自主練してたの?
でも、高熱の炎は結構難しい術の部類なのにもうできるなんて………うちの子天才なんじゃ?
あ、でもそれだけ頑張って練習したのかも?!
どっちにしろヒナすごいね!
あと無事で良かった~…っ!」
手のひらにヒナを乗せふわふわボディに頬を寄せスリスリ~♪
「あれ?
ヒナの尾羽と翼の先が茶色じゃないね。
あー…だから魔法が使えるようになったのかぁ~。
そっかそっかぁー、ヒナももう少ししたら成鳥になるんだね。
うん…巣立ちは寂しいけど、ヒナならちょくちょく会いに来てくれそうだから今生の別れにはならなさそうかな?」
「ピューピュピュン」
「え?
いや、でも…」
「ピュー!」
「…………はぁ。
わかったよ。
成鳥になった時に私がヒナの真名を聞いて『主従契約』をすれば良いんでしょ?
でも私は……ヒナは家族だと思ってるから契約はしたくなかったんだけどなぁー」
私の了承を聞き手のひらの上でヒナはぴょんぴょんと跳ね喜んでいる。
うむ…うちの子可愛ゆいですな~♪
「リアや、ヒナとは契約をしておく方が良いぞ?
なんせ、極彩鳥は狙われやすいからのぅ~」
「それは知ってるけどさー…」
「そんなに気にせんでも良いことじゃと思うがのぅ。
そもそも『主従契約』とは主の望む形で契約が結ばれるのじゃから、リアが家族として望むのなら契約もお互いの繋がりを感じる以外は自由なのではないかのぅ?
まぁ、だいたい『主従契約』をする者は主に逆らわないように契約が結ばれていることが最も多いがのぅ…」
「うん、わかってはいるよ?
私の気分的なもの、なんだよねー。
でも、ヒナが強く望んでるから成鳥になった時には気持ちの整理をつけてちゃんと契約するよ」
「ぅ………ん…?」
背後でシューリュくんの声が聞こえた。
起きたのだろうか?
というか、ヒナに集中していたせいで肝心のシューリュくんを忘れていた……ごめんよ。
振り返りシューリュくんを見れば、少しだけ起き上がりこちらを見て首を捻っていた。
「あ、の?
僕…なんでここに?
たしか…森にいた、と思うんだけど……夢?」
「夢じゃないよ。
ただ、休憩中にシューリュくんがチューベローズっていう植物のせいで異常な行動を起こしちゃってねー。
危険だったので、少々意識を刈り取らせてもらいました。
それで、今は投薬後なのだけどー…体は大丈夫かな?」
シューリュくんは体を捻ったり触ったりして自分の状態を確認していた。
あ…腰にあった種が抜け出した後の傷は、ちゃんとロド兄が薬を塗って治したっぽい。
だって、歯を見せて笑いながら薬の容器をプラプラさせて親指立てるという主張を、ロド兄ってばシューリュくんの斜め後ろにてしているんだもの。
「んー…体を動かしてみた感じでは特に違和感とかはないみたいなので、大丈夫だと思います」
「そう、それなら安心したわ。
あー…あのね、一つ言っておかなければならないことがあるの。
そのー、シューリュくんの治療に使ったお薬にはある副作用が出ちゃうんだよね。
その副作用っていうのが数日くらい微かにクサイ………って周囲の人に思われちゃうの」
「クサイ…ですか?
自分ではわからないのですが…」
シューリュくんはクンクンと鼻を自分の体にしていますが、この副作用自分ではわからないんだよなー。
「自分ではそのニオイがわからないんだよね。
一応周囲の人にニオイフィルター的なものを渡しておくけど…それも絶対じゃないの。
だから、もしかしたらシューリュくんが周りの人と接する時にその相手が少し引いたり、遠巻きになったりしてお互いに嫌な思いをするかもしれない。
……力になれなくてごめんなさい」
「そんなっ?!
謝らないで下さい!
僕が何か不注意でなったことを治療してくださったのですから文句などありません!
むしろ、助けていただいてありがとうございますっ!」
うーん、シューリュくんも良い子だよねー。
でも、ヒナは眼中にない模様…。
まぁ、好みは色々あるしこればっかりはしょうがないよねー。
それから、村の人たちにシューリュくんの副作用の事など説明しその日は解散となった。
なかなかに忙しい1日だったなぁ~。
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