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第4章 ルモォンの村
8.少年の恋心…?④
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もう少し早くしたいのですが…すみません(>.<)
─────────────────
村に戻るとすぐにロド兄のいる所へと向かった。
「なんじゃお前さん達、もう森から帰ってきたのかのぅ?
ん?アヴィルトの肩に担がれとるシューリュ坊じゃな。
意識がないようじゃが、具合でも悪くなったのかのぅ?」
「いや、俺が意識を奪った」
「…何かあったようじゃな?」
「うん、あのねロド兄。
森の泉で休憩中────…」
森でのシューリュくんの言動などをロド兄に話し終えると、ロド兄は顎に指を当て暫し黙り込みそれから口を開いた。
「うむ…。
いくつか当てはまりそうなものは思いついたが…まずは所持品と体に何か出ていないかの確認をしてみるかのぅ」
所持品をすべて机に出し見てみるも特に該当しそうな物はなく、ロド兄の中の選択肢のいくつかが消えたようだ。
お次は体に何か症状が出ていないかの確認になるのだが…アヴィが見るなとばかりに目隠しをしてきた。
「いやいやいや。
私、いつも村の診察で上半身裸とか見てるよ?
なんで今は駄目なの??」
「…なんとなく嫌だ」
「えぇー…」
「あー…リアはそのままでいるといい。
わしが見れば良いことじゃしのぅ」
納得いかないが、ロド兄がこの状況を見て一人で見るというので任せるしかない。
しかし…アヴィはなんで見ちゃ駄目だなんて言うんだろう?
…そういうお年頃?
いや、なおさら訳解んないや。
「うーむ…体の正面には特に何も出てはいないようじゃな。
さて、ひっくり返してーっと………んー?
あぁ、これか」
「あ、ロド兄見つけた?
シューリュくんの体に何が出てたの?」
「んー、ちと待っちー……よし、これならリアが見ても大丈夫じゃろ、アヴィルトや?」
「…しょうがないな。
見てもいいぞ、リア」
アヴィの目隠しが外され、寝かされてるシューリュくんの方へ目をやれば腰だけ素肌が見えてる状態になっていた。
素肌部分に何か出ているということだから近付いて見てみたら、親指の爪サイズの白のコブ…に見える種が腰にあった。
「これ…チューベローズを嗅いだ時に出来る白コブだね。
チューベローズって少し嗅ぐだけでも元々好きなものに執着しやすくなるんだけど…厄介なことに花の香りに中毒性があって何度も嗅ぎたくなるのよねー。
それで何度も何度も嗅いじゃうと、この白いコブから芽や根が出てきちゃって体が最終的にはミイラ化しちゃう…だったよね、ロド兄?」
「そうじゃよ。
呪いみたいじゃが呪いじゃない。
昔は呪いの代わりに使っていたが全世界で使用禁止されて、花に関しても見つけ次第燃やしていたし、徹底的に広く危険であると知れ渡っていたはずなんじゃが…だいぶ昔のことじゃから情報が薄れてしまったのかもしれんのぅ」
「私はロド兄の著書から危険な植物だって知ってるけどねー。
んー、見た感じ芽は出てないみたい。
根はどうだろう?」
「触った感じじゃとー…少しあるのぅ。
リアや、チューベローズの治療薬は忘れとらんか?」
「大丈夫!
きちんとばっちし記憶してる」
「んじゃ、まかせたぞ~」
「はーい!
ロド兄は、シューリュくんが起きた時に私達にしようとしたみたいな行動に移さないように見張りをお願いね?」
「大丈夫じゃ。
起きないよう眠りの魔法を掛けておくからのぅ~」
それなら大丈夫、と思い私達はチューベローズの治療薬の材料集めの為に再び外へと向かったのだった。
もう少し早くしたいのですが…すみません(>.<)
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村に戻るとすぐにロド兄のいる所へと向かった。
「なんじゃお前さん達、もう森から帰ってきたのかのぅ?
ん?アヴィルトの肩に担がれとるシューリュ坊じゃな。
意識がないようじゃが、具合でも悪くなったのかのぅ?」
「いや、俺が意識を奪った」
「…何かあったようじゃな?」
「うん、あのねロド兄。
森の泉で休憩中────…」
森でのシューリュくんの言動などをロド兄に話し終えると、ロド兄は顎に指を当て暫し黙り込みそれから口を開いた。
「うむ…。
いくつか当てはまりそうなものは思いついたが…まずは所持品と体に何か出ていないかの確認をしてみるかのぅ」
所持品をすべて机に出し見てみるも特に該当しそうな物はなく、ロド兄の中の選択肢のいくつかが消えたようだ。
お次は体に何か症状が出ていないかの確認になるのだが…アヴィが見るなとばかりに目隠しをしてきた。
「いやいやいや。
私、いつも村の診察で上半身裸とか見てるよ?
なんで今は駄目なの??」
「…なんとなく嫌だ」
「えぇー…」
「あー…リアはそのままでいるといい。
わしが見れば良いことじゃしのぅ」
納得いかないが、ロド兄がこの状況を見て一人で見るというので任せるしかない。
しかし…アヴィはなんで見ちゃ駄目だなんて言うんだろう?
…そういうお年頃?
いや、なおさら訳解んないや。
「うーむ…体の正面には特に何も出てはいないようじゃな。
さて、ひっくり返してーっと………んー?
あぁ、これか」
「あ、ロド兄見つけた?
シューリュくんの体に何が出てたの?」
「んー、ちと待っちー……よし、これならリアが見ても大丈夫じゃろ、アヴィルトや?」
「…しょうがないな。
見てもいいぞ、リア」
アヴィの目隠しが外され、寝かされてるシューリュくんの方へ目をやれば腰だけ素肌が見えてる状態になっていた。
素肌部分に何か出ているということだから近付いて見てみたら、親指の爪サイズの白のコブ…に見える種が腰にあった。
「これ…チューベローズを嗅いだ時に出来る白コブだね。
チューベローズって少し嗅ぐだけでも元々好きなものに執着しやすくなるんだけど…厄介なことに花の香りに中毒性があって何度も嗅ぎたくなるのよねー。
それで何度も何度も嗅いじゃうと、この白いコブから芽や根が出てきちゃって体が最終的にはミイラ化しちゃう…だったよね、ロド兄?」
「そうじゃよ。
呪いみたいじゃが呪いじゃない。
昔は呪いの代わりに使っていたが全世界で使用禁止されて、花に関しても見つけ次第燃やしていたし、徹底的に広く危険であると知れ渡っていたはずなんじゃが…だいぶ昔のことじゃから情報が薄れてしまったのかもしれんのぅ」
「私はロド兄の著書から危険な植物だって知ってるけどねー。
んー、見た感じ芽は出てないみたい。
根はどうだろう?」
「触った感じじゃとー…少しあるのぅ。
リアや、チューベローズの治療薬は忘れとらんか?」
「大丈夫!
きちんとばっちし記憶してる」
「んじゃ、まかせたぞ~」
「はーい!
ロド兄は、シューリュくんが起きた時に私達にしようとしたみたいな行動に移さないように見張りをお願いね?」
「大丈夫じゃ。
起きないよう眠りの魔法を掛けておくからのぅ~」
それなら大丈夫、と思い私達はチューベローズの治療薬の材料集めの為に再び外へと向かったのだった。
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