83 / 110
第4章 ルモォンの村
5.少年の恋心①
しおりを挟む
やっと更新できました(*´ω`*)
────────────────
ルモォン村で過ごし始めて数日経ち、今日も村の人の体調チェックをしていた。
村の人の体調も良くなってきてるし、そろそろ大丈夫とロド兄から言われるんじゃないかな?
今日の体調チェック最後の家から帰ろうと玄関扉へ向かったところ、ここの家の男の子から声をかけられた。
「あ、あの!」
「んー?
どうしたんじゃ?
どこか痛みや怠さなど見逃しておったじゃろうか?」
「い、いえ!
そうではなくて…あの子とお話がしたくて………ダメですか?」
んん?
私ですか??
「あの子…リアと話したいのかのぅ?」
「いえ、その~…ラフィリアさんの頭の上にいる子とお話がしたいんです」
な~る、確かに目線は私ではなく少し上のヒナに向けられてるね。
さて、ヒナはお話しOKなのかな?
「ピューイーイー」
「だ、だめですかー…」
あ、お断りしちゃったんだね。
それにしても…年齢的に私のように精霊の儀式をした訳でもないのにヒナの言葉がわかってるね。
やっぱり鳥族だからわかるのかなー?
「ま、まだです…。
まだ初めて話しかけただけ、だから…僕諦めない!
あっ、自己紹介がまだだったね!
僕、シューリュ・トリーブっていうんだ。
これからよろしくね!」
「…」
んー、ヒナは無言だね?
私の頭の上にいるから、今ヒナがどんな顔をしてるかわからないなー…。
この日からヒナVS少年の恋の攻防(?)が始まった。
* * *
「ヒナちゃん、これ僕たちが大好きな穀物のスープなんだ~。
良かったら飲んでみて?」
「ヒナちゃん、今日は鳥族に人気の綺麗なお花を持ってきたんだ~」
「あ、ヒナちゃん!
これヒナちゃんに似合いそうだなって思ってつい買ってきちゃった。
いらなかったら捨ててもいいから受け取って?」
うーん。
少年が立派な貢ぎ師になっている。
それに対してヒナは全っ然靡かない。
うん、まぁその理由はわかってるけどね…。
今日も今日とて心が揺れ動く素振りのないヒナを見ても、全然へこたれずに去っていく少年。
そして────
「あー、やっぱり今日も見てるね、あの子」
「ピュイ」
少年がヒナへ会いに来るようになって、私達はあの子の存在にすぐに気付いた。
少年へ向ける熱視線、それと控えめにヒナへ向ける嫉妬。
村の健康チェックをしているので、その少女がナミリィ・バーティスという名でシューリュ少年とは幼馴染であるという情報は得ていた。
少女は大人しい子で、なかなかアピールがシューリュ少年に伝わらず苦戦中とも聞いた。
狭い村の中の事なので、本人達以外皆知っていて見守っているそうだ。
この話を聞いた時、ロド兄とロナが〝わかるわぁ~〟みたいな顔をしてうんうん言っていたのが気になったけど、あの生温い目を向けられ結局聞くに聞けなかった。
「んー…ねえ、ヒナ?
どうしよっかね?」
「ピュピュイ」
「とりあえず〝何もしない〟一択なんだ?」
「ピューピューイ」
「あー…確かに巻き込まれるのは嫌だよねー。
恋って色々複雑で大変だもんね~」
そんな事をヒナと話していたら側にいたアヴィに突っ込まれた。
「リア…恋したことがないのに色々複雑で大変だ、だなんて何でわかるんだ?」
「へ?!
あーえー…あっほら、モルちゃんとかセリちゃんとかを側で見てきたからそう思ったんだよ!
うん!」
「ふーん…」
ぐっ…納得してないってアヴィの顔が、目が言ってくるけど今はこれで納得してもらいますっ!
もうちょっと…うん、なんかもうちょっとな感じがするの。
だから、もう少しだけ…お願い、アヴィ。
────────────────
ルモォン村で過ごし始めて数日経ち、今日も村の人の体調チェックをしていた。
村の人の体調も良くなってきてるし、そろそろ大丈夫とロド兄から言われるんじゃないかな?
今日の体調チェック最後の家から帰ろうと玄関扉へ向かったところ、ここの家の男の子から声をかけられた。
「あ、あの!」
「んー?
どうしたんじゃ?
どこか痛みや怠さなど見逃しておったじゃろうか?」
「い、いえ!
そうではなくて…あの子とお話がしたくて………ダメですか?」
んん?
私ですか??
「あの子…リアと話したいのかのぅ?」
「いえ、その~…ラフィリアさんの頭の上にいる子とお話がしたいんです」
な~る、確かに目線は私ではなく少し上のヒナに向けられてるね。
さて、ヒナはお話しOKなのかな?
「ピューイーイー」
「だ、だめですかー…」
あ、お断りしちゃったんだね。
それにしても…年齢的に私のように精霊の儀式をした訳でもないのにヒナの言葉がわかってるね。
やっぱり鳥族だからわかるのかなー?
「ま、まだです…。
まだ初めて話しかけただけ、だから…僕諦めない!
あっ、自己紹介がまだだったね!
僕、シューリュ・トリーブっていうんだ。
これからよろしくね!」
「…」
んー、ヒナは無言だね?
私の頭の上にいるから、今ヒナがどんな顔をしてるかわからないなー…。
この日からヒナVS少年の恋の攻防(?)が始まった。
* * *
「ヒナちゃん、これ僕たちが大好きな穀物のスープなんだ~。
良かったら飲んでみて?」
「ヒナちゃん、今日は鳥族に人気の綺麗なお花を持ってきたんだ~」
「あ、ヒナちゃん!
これヒナちゃんに似合いそうだなって思ってつい買ってきちゃった。
いらなかったら捨ててもいいから受け取って?」
うーん。
少年が立派な貢ぎ師になっている。
それに対してヒナは全っ然靡かない。
うん、まぁその理由はわかってるけどね…。
今日も今日とて心が揺れ動く素振りのないヒナを見ても、全然へこたれずに去っていく少年。
そして────
「あー、やっぱり今日も見てるね、あの子」
「ピュイ」
少年がヒナへ会いに来るようになって、私達はあの子の存在にすぐに気付いた。
少年へ向ける熱視線、それと控えめにヒナへ向ける嫉妬。
村の健康チェックをしているので、その少女がナミリィ・バーティスという名でシューリュ少年とは幼馴染であるという情報は得ていた。
少女は大人しい子で、なかなかアピールがシューリュ少年に伝わらず苦戦中とも聞いた。
狭い村の中の事なので、本人達以外皆知っていて見守っているそうだ。
この話を聞いた時、ロド兄とロナが〝わかるわぁ~〟みたいな顔をしてうんうん言っていたのが気になったけど、あの生温い目を向けられ結局聞くに聞けなかった。
「んー…ねえ、ヒナ?
どうしよっかね?」
「ピュピュイ」
「とりあえず〝何もしない〟一択なんだ?」
「ピューピューイ」
「あー…確かに巻き込まれるのは嫌だよねー。
恋って色々複雑で大変だもんね~」
そんな事をヒナと話していたら側にいたアヴィに突っ込まれた。
「リア…恋したことがないのに色々複雑で大変だ、だなんて何でわかるんだ?」
「へ?!
あーえー…あっほら、モルちゃんとかセリちゃんとかを側で見てきたからそう思ったんだよ!
うん!」
「ふーん…」
ぐっ…納得してないってアヴィの顔が、目が言ってくるけど今はこれで納得してもらいますっ!
もうちょっと…うん、なんかもうちょっとな感じがするの。
だから、もう少しだけ…お願い、アヴィ。
0
お気に入りに追加
314
あなたにおすすめの小説
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる