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第4章 ルモォンの村
5.少年の恋心①
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やっと更新できました(*´ω`*)
────────────────
ルモォン村で過ごし始めて数日経ち、今日も村の人の体調チェックをしていた。
村の人の体調も良くなってきてるし、そろそろ大丈夫とロド兄から言われるんじゃないかな?
今日の体調チェック最後の家から帰ろうと玄関扉へ向かったところ、ここの家の男の子から声をかけられた。
「あ、あの!」
「んー?
どうしたんじゃ?
どこか痛みや怠さなど見逃しておったじゃろうか?」
「い、いえ!
そうではなくて…あの子とお話がしたくて………ダメですか?」
んん?
私ですか??
「あの子…リアと話したいのかのぅ?」
「いえ、その~…ラフィリアさんの頭の上にいる子とお話がしたいんです」
な~る、確かに目線は私ではなく少し上のヒナに向けられてるね。
さて、ヒナはお話しOKなのかな?
「ピューイーイー」
「だ、だめですかー…」
あ、お断りしちゃったんだね。
それにしても…年齢的に私のように精霊の儀式をした訳でもないのにヒナの言葉がわかってるね。
やっぱり鳥族だからわかるのかなー?
「ま、まだです…。
まだ初めて話しかけただけ、だから…僕諦めない!
あっ、自己紹介がまだだったね!
僕、シューリュ・トリーブっていうんだ。
これからよろしくね!」
「…」
んー、ヒナは無言だね?
私の頭の上にいるから、今ヒナがどんな顔をしてるかわからないなー…。
この日からヒナVS少年の恋の攻防(?)が始まった。
* * *
「ヒナちゃん、これ僕たちが大好きな穀物のスープなんだ~。
良かったら飲んでみて?」
「ヒナちゃん、今日は鳥族に人気の綺麗なお花を持ってきたんだ~」
「あ、ヒナちゃん!
これヒナちゃんに似合いそうだなって思ってつい買ってきちゃった。
いらなかったら捨ててもいいから受け取って?」
うーん。
少年が立派な貢ぎ師になっている。
それに対してヒナは全っ然靡かない。
うん、まぁその理由はわかってるけどね…。
今日も今日とて心が揺れ動く素振りのないヒナを見ても、全然へこたれずに去っていく少年。
そして────
「あー、やっぱり今日も見てるね、あの子」
「ピュイ」
少年がヒナへ会いに来るようになって、私達はあの子の存在にすぐに気付いた。
少年へ向ける熱視線、それと控えめにヒナへ向ける嫉妬。
村の健康チェックをしているので、その少女がナミリィ・バーティスという名でシューリュ少年とは幼馴染であるという情報は得ていた。
少女は大人しい子で、なかなかアピールがシューリュ少年に伝わらず苦戦中とも聞いた。
狭い村の中の事なので、本人達以外皆知っていて見守っているそうだ。
この話を聞いた時、ロド兄とロナが〝わかるわぁ~〟みたいな顔をしてうんうん言っていたのが気になったけど、あの生温い目を向けられ結局聞くに聞けなかった。
「んー…ねえ、ヒナ?
どうしよっかね?」
「ピュピュイ」
「とりあえず〝何もしない〟一択なんだ?」
「ピューピューイ」
「あー…確かに巻き込まれるのは嫌だよねー。
恋って色々複雑で大変だもんね~」
そんな事をヒナと話していたら側にいたアヴィに突っ込まれた。
「リア…恋したことがないのに色々複雑で大変だ、だなんて何でわかるんだ?」
「へ?!
あーえー…あっほら、モルちゃんとかセリちゃんとかを側で見てきたからそう思ったんだよ!
うん!」
「ふーん…」
ぐっ…納得してないってアヴィの顔が、目が言ってくるけど今はこれで納得してもらいますっ!
もうちょっと…うん、なんかもうちょっとな感じがするの。
だから、もう少しだけ…お願い、アヴィ。
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ルモォン村で過ごし始めて数日経ち、今日も村の人の体調チェックをしていた。
村の人の体調も良くなってきてるし、そろそろ大丈夫とロド兄から言われるんじゃないかな?
今日の体調チェック最後の家から帰ろうと玄関扉へ向かったところ、ここの家の男の子から声をかけられた。
「あ、あの!」
「んー?
どうしたんじゃ?
どこか痛みや怠さなど見逃しておったじゃろうか?」
「い、いえ!
そうではなくて…あの子とお話がしたくて………ダメですか?」
んん?
私ですか??
「あの子…リアと話したいのかのぅ?」
「いえ、その~…ラフィリアさんの頭の上にいる子とお話がしたいんです」
な~る、確かに目線は私ではなく少し上のヒナに向けられてるね。
さて、ヒナはお話しOKなのかな?
「ピューイーイー」
「だ、だめですかー…」
あ、お断りしちゃったんだね。
それにしても…年齢的に私のように精霊の儀式をした訳でもないのにヒナの言葉がわかってるね。
やっぱり鳥族だからわかるのかなー?
「ま、まだです…。
まだ初めて話しかけただけ、だから…僕諦めない!
あっ、自己紹介がまだだったね!
僕、シューリュ・トリーブっていうんだ。
これからよろしくね!」
「…」
んー、ヒナは無言だね?
私の頭の上にいるから、今ヒナがどんな顔をしてるかわからないなー…。
この日からヒナVS少年の恋の攻防(?)が始まった。
* * *
「ヒナちゃん、これ僕たちが大好きな穀物のスープなんだ~。
良かったら飲んでみて?」
「ヒナちゃん、今日は鳥族に人気の綺麗なお花を持ってきたんだ~」
「あ、ヒナちゃん!
これヒナちゃんに似合いそうだなって思ってつい買ってきちゃった。
いらなかったら捨ててもいいから受け取って?」
うーん。
少年が立派な貢ぎ師になっている。
それに対してヒナは全っ然靡かない。
うん、まぁその理由はわかってるけどね…。
今日も今日とて心が揺れ動く素振りのないヒナを見ても、全然へこたれずに去っていく少年。
そして────
「あー、やっぱり今日も見てるね、あの子」
「ピュイ」
少年がヒナへ会いに来るようになって、私達はあの子の存在にすぐに気付いた。
少年へ向ける熱視線、それと控えめにヒナへ向ける嫉妬。
村の健康チェックをしているので、その少女がナミリィ・バーティスという名でシューリュ少年とは幼馴染であるという情報は得ていた。
少女は大人しい子で、なかなかアピールがシューリュ少年に伝わらず苦戦中とも聞いた。
狭い村の中の事なので、本人達以外皆知っていて見守っているそうだ。
この話を聞いた時、ロド兄とロナが〝わかるわぁ~〟みたいな顔をしてうんうん言っていたのが気になったけど、あの生温い目を向けられ結局聞くに聞けなかった。
「んー…ねえ、ヒナ?
どうしよっかね?」
「ピュピュイ」
「とりあえず〝何もしない〟一択なんだ?」
「ピューピューイ」
「あー…確かに巻き込まれるのは嫌だよねー。
恋って色々複雑で大変だもんね~」
そんな事をヒナと話していたら側にいたアヴィに突っ込まれた。
「リア…恋したことがないのに色々複雑で大変だ、だなんて何でわかるんだ?」
「へ?!
あーえー…あっほら、モルちゃんとかセリちゃんとかを側で見てきたからそう思ったんだよ!
うん!」
「ふーん…」
ぐっ…納得してないってアヴィの顔が、目が言ってくるけど今はこれで納得してもらいますっ!
もうちょっと…うん、なんかもうちょっとな感じがするの。
だから、もう少しだけ…お願い、アヴィ。
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