始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第4章 ルモォンの村

3.感動の再会…?

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騎士達の到着を村の拓けている所で皆で待っていると、から声がした。


「ラフィ────!!!!!」


「え…?

ラト兄?!」


あんな高い位置から、あ、危なっ!!

思わず怖くなって目を瞑ったら、抱き締められてふわっと体が浮いた。

この腕はアヴィだね。

ゆっくり目を開けると、兄は無事地面に立っていた。

ホッとしたもののあの天使な兄の顔が険しいことに気付いた。


「ラフィを抱っこしてる君…誰かな?」


あれ?

アヴィのこと紹介していたはずなんだけどな?


「誰って…前に紹介したじゃない。

アヴィルトだよ?」


「アヴィルト?

それは狼の名前だろう?」


「うん、そうだよ?

あ、そっか紹介した時狼の姿だったね!

あのね、彼は妖精族狼種で16歳の成人後は人化も出来るようになったの。

つまり、あの狼と私を抱っこしてる人は同じなの」


これでよく知らない奴が抱っこしてるっていうのから、知ってる狼が人化して抱っこしてる、に変わったよね。

これで兄の顔の険しさも無くなるはず……無くならないねぇ?

あれー?


「君…いや、アヴィルト君いつまで妹を抱っこしてるのかな?」


ああ…この抱っこか。

アヴィ下ろしてー、と抱っこしている腕をポンポン叩いて促すも下ろす気配が一向にないです。


「君が下ろしてくれないと、僕はいつまで経ってもラフィを抱き締められないじゃないか………ラフィを お ろ せ」


「嫌だ」


おーぅ…兄とアヴィがバッチバチ火花散らしてるよ…どうしよう。

それに…だんだんと精霊さん達が集まってきてるんだよねー、何でだ?

火花バチバチーのやら精霊ワラワラーのやらで、おろおろしていたら助け船が来た。


「ラフィート…落ち着きなさい。

そのままの状態でいくと妹さんがことになるぞ?」


「アヴィルトや、暴走させない為にも少しは触れ合いが大事じゃ」


んん?

私が壊れるとは何ぞな??

それに暴走させない為に触れ合いが大事とは???

私がワケわからない状態に陥っている間に、兄とアヴィの火花バチバチ状態はなくなった模様……意味がわからないんだけども?

舌打ちしつつもアヴィは私を地面へと下ろしてくれた。

何だかんだ下ろしてくれたのでアヴィの頭を撫でておいた。

アヴィの雰囲気が柔らかくなったのでもう大丈夫だろう。

さて、久々の生兄と対面です。


「ラト兄、実際に会うのは小さい時以来だね!

背も高くなったし、騎士だしモッテモテでしょ?」


「別にモテてはいないよ。

というか、ラフィ以外どうでもいいし。



ああ…生のラフィが目の前に…っ!

ラフィ、抱き締めてもいい…?」


うーん…長く会えなかったせいかシスコン度が酷くなった?


「えーと…どうぞ?」


ぎゅっと抱き締めてきた兄の体は、何だか懐かしい匂いがした気がした。

私もぎゅっと抱き締め返したら、兄の体が震えているのに気がついた。


「ラト兄震えてる…もしかして泣いてるの?」


兄の体がビクッとして私の顔を胸板に押し付けてきた。

泣いてる顔を見られたくないのかな?







     *  *  *







「おい、あいつ鼻血出してるぞ」


「あー…生のリアに相当興奮しちゃったんじゃなぁー。

鼻血が出てることを気付かれないようにリアの頭を押さえたのぅ」


「うちのラフィートがすみません…。

あれ、端から見たら変態に見えないか心配だ…顔が良いから大丈夫か?」


「いや、顔が良くてもギラギラした目をさせて鼻血出してたら駄目だと思うわ」







      *  *  *







『あ~あ、とうとうリアに接触しちゃったよ』


『ん、でも、アレ、まだ、まし』


『そ…うだ…ね…アレの…弟…の方が…ヤバ…い』


『そうだけどさー。

ま、アレがヤバそうだったら私達が動けばいいよね』


『『うん』』


ロドクス達や精霊達がこんな話をしているのを、リアとラフィートは気付かずに抱擁し続けるのだった。



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