81 / 110
第4章 ルモォンの村
3.感動の再会…?
しおりを挟むネットの繋がりが悪く更新ができませんでしたm(_ _)m
────────────────
騎士達の到着を村の拓けている所で皆で待っていると、上から声がした。
「ラフィ────!!!!!」
「え…?
ラト兄?!」
あんな高い位置から、あ、危なっ!!
思わず怖くなって目を瞑ったら、抱き締められてふわっと体が浮いた。
この腕はアヴィだね。
ゆっくり目を開けると、兄は無事地面に立っていた。
ホッとしたもののあの天使な兄の顔が険しいことに気付いた。
「ラフィを抱っこしてる君…誰かな?」
あれ?
アヴィのこと紹介していたはずなんだけどな?
「誰って…前に紹介したじゃない。
アヴィルトだよ?」
「アヴィルト?
それは狼の名前だろう?」
「うん、そうだよ?
あ、そっか紹介した時狼の姿だったね!
あのね、彼は妖精族狼種で16歳の成人後は人化も出来るようになったの。
つまり、あの狼と私を抱っこしてる人は同じなの」
これでよく知らない奴が抱っこしてるっていうのから、知ってる狼が人化して抱っこしてる、に変わったよね。
これで兄の顔の険しさも無くなるはず……無くならないねぇ?
あれー?
「君…いや、アヴィルト君いつまで僕の妹を抱っこしてるのかな?」
ああ…この抱っこか。
アヴィ下ろしてー、と抱っこしている腕をポンポン叩いて促すも下ろす気配が一向にないです。
「君が下ろしてくれないと、僕はいつまで経ってもラフィを抱き締められないじゃないか………ラフィを お ろ せ」
「嫌だ」
おーぅ…兄とアヴィがバッチバチ火花散らしてるよ…どうしよう。
それに…だんだんと精霊さん達が集まってきてるんだよねー、何でだ?
火花バチバチーのやら精霊ワラワラーのやらで、おろおろしていたら助け船が来た。
「ラフィート…落ち着きなさい。
そのままの状態でいくと妹さんが壊れてしまうことになるぞ?」
「アヴィルトや、暴走させない為にも少しは触れ合いが大事じゃ」
んん?
私が壊れるとは何ぞな??
それに暴走させない為に触れ合いが大事とは???
私がワケわからない状態に陥っている間に、兄とアヴィの火花バチバチ状態はなくなった模様……意味がわからないんだけども?
舌打ちしつつもアヴィは私を地面へと下ろしてくれた。
何だかんだ下ろしてくれたのでアヴィの頭を撫でておいた。
アヴィの雰囲気が柔らかくなったのでもう大丈夫だろう。
さて、久々の生兄と対面です。
「ラト兄、実際に会うのは小さい時以来だね!
背も高くなったし、騎士だしモッテモテでしょ?」
「別にモテてはいないよ。
というか、ラフィ以外どうでもいいし。
ああ…生のラフィが目の前に…っ!
ラフィ、抱き締めてもいい…?」
うーん…長く会えなかったせいかシスコン度が酷くなった?
「えーと…どうぞ?」
ぎゅっと抱き締めてきた兄の体は、何だか懐かしい匂いがした気がした。
私もぎゅっと抱き締め返したら、兄の体が震えているのに気がついた。
「ラト兄震えてる…もしかして泣いてるの?」
兄の体がビクッとして私の顔を胸板に押し付けてきた。
泣いてる顔を見られたくないのかな?
* * *
「おい、あいつ鼻血出してるぞ」
「あー…生のリアに相当興奮しちゃったんじゃなぁー。
鼻血が出てることを気付かれないようにリアの頭を押さえたのぅ」
「うちのラフィートがすみません…。
あれ、端から見たら変態に見えないか心配だ…顔が良いから大丈夫か?」
「いや、顔が良くてもギラギラした目をさせて鼻血出してたら駄目だと思うわ」
* * *
『あ~あ、とうとうリアに接触しちゃったよ』
『ん、でも、アレ、まだ、まし』
『そ…うだ…ね…アレの…弟…の方が…ヤバ…い』
『そうだけどさー。
ま、アレがヤバそうだったら私達が動けばいいよね』
『『うん』』
ロドクス達や精霊達がこんな話をしているのを、リアとラフィートは気付かずに抱擁し続けるのだった。
0
お気に入りに追加
314
あなたにおすすめの小説
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる