始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第4章 ルモォンの村

2.解決…じゃないよ?

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今日はラフィリアよりロドクス多めになってるかも?
あと、次回あの人が出る予定です(^^)

─────────────────



「縁も所縁もない我々を助けていただき、大変感謝しております」


回復した村のおさ的な人が私達の目の前で深く頭を下げている。

うーん、ただ目の前で死にそうになっている人がいたから私達としては助けただけで…だからこういう深い感謝は少し苦手。

何だか胸がムズムズしてきて逃げ出したくなる。

ただ単に恥ずかしいだけなんだけどね。


「いや、たまたま気になって来てみたら危ない状態じゃったから助けただけじゃし、そんなに重く受け止めるでない。

危なかったけど助かってラッキー…てな位で良いと思うぞ?」


いや…それはそれで軽過ぎだと思うよロド兄。


「さて、聞きたいことがあるんじゃがいいかのぅ?」


「はい、なんでもお聞きください」


ロド兄の言葉に長的な人は居住まいを正した。


「あの衰弱化の呪いが懸かっていた魔石の玉が、ここの村になぜ置くようになったのか教えてくれるかのぅ?」


「魔石の玉…ですか?」


「ほら、あれじゃよ紫とピンクが混じったあまり趣味が良いと言えない色合いの玉じゃ。

わし、同じ色合いを見たことがあるが今回のあれは…ちょっと嫌じゃ」


あ、ロド兄もそう思ってたんだ。


「あの…私はそんな玉があるなんて知らなかったのですが…それはどこにあったのですか?」


「知らなかったじゃと?

…この村の中で小さな家は、そうじゃなこの家から…三軒隣じゃったかな?」


「…?

……ああ、もしかしたら物置小屋の事ですかな?

あそこは季節毎で使う物を入れております。

なので、あまり気にしていなかったのですが…先月私共が入った時はそんなものは見ませんでしたな」


んー…となるとこの村の人じゃない可能性もある?

でも、そんなことして何か得することでもあるのかな??

ここ、人が多いわけでもレアな種族って訳でもな………あれ?


「あのーお話し中すみません。

この村って女性はいないのですか?」


「え?おりますよ??

私の妻は今別の所で暮らす子供達の所へ遊びに行っていていませんが、この村には子供も含め6人程暮らしております。

まさか……見ていないのですか?」


「私達は、を看て回りましたが、女性と女の子は


ガタンッ


「そんな…っ!」


「あっ…まだ全快ではないのですから急な動きは駄目ですよ?」


長的な人は椅子から勢いよく立ち上がったが、ふらついたので支えてもう一度座ってもらった。


「ふむ…これは女性や女の子を狙った計画的犯行じゃな。

単独ではなく結構な人数が関わっておるじゃろうな。

あれと連絡をとるかのぅ」


あれ?とは誰でしょう??

ロド兄はカバンから水晶鏡を取り出し、私も知ってるあの人と話始めた。


「久し振りじゃなバルーチェス」


「お久し振りです…オルトゥム殿。

貴方様から連絡、ということは何かあったのでしょうか?」


「ああ、ちと聞きたいことがあってのぅ。

最近村や町から全ての女性がいなくなる…なんていう事件などなかったか聞きたくてのぅ…どうじゃ?」


「……あります。

ここ数週間で2、3村届け出が出ております。

その中の1つの村で残った村人全員がしております。

オルトゥム殿はどこで情報を?」


「なに…旅の途中たまたま寄った所で衰弱化の呪いにあっている村に遭遇してな、女性や女の子がいないというのを知ってお主に連絡したのじゃ」


ガタッ


「今さっき?!

それはどこの村ですか?!」


「えーと…なあ、ここの村の名前は何て言うんじゃ?」


「え…あ、ここはルモォンという名の村です」


「ルモォン……ああ、スウェトルノーツから東に行った所にある村ですね。

では、こちらから騎士が行きますのでお待ち頂ければと…」


「うむ、わかった」


「では、失礼します」


ロド兄が連絡を終え水晶鏡をカバンへと閉まった。


「どうやら既に他でも起きているようじゃのぅ。

……リアや、どうする?」


答えはわかりきってるだろうに聞いてくる。


「え?

もちろん関わったからにはやりますよー。

ロド兄とアヴィ、それにロナは?」


私もわかりきってるくせに聞き返す。


「もち、やるに決まっておろう?」


「やる」


「私もやるわよ」


思った通りの答えに思わず笑みを浮かべてしまう。


「じゃ、村の女性達の救出と悪者退治やっちゃおー!




あ、騎士の人達が来てからね?」


この後リアは、ずっと会っていなかったあの人と再会することとなる。



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