始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第3章 北の都市スウェトルノーツ

※ 他 視点

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遅くなりましたm(_ _)m
短めです(>.<)

─────────────────



「はぁ…」


「セリ、まーたため息吐いてるぞ」


「だってぇー」


「またすぐ会いに来るって言ってただろ?」


「うん…そうなんだけど、ほぼ毎日会ってたリアに会えないのが寂しいの」


寂しさを少しでも無くなるようにと、ジャックがぎゅっと抱き締めてくるのがここ最近まるで日課のようになっている。

そこからラブラブモードに変化するが、新婚だしいいよね!


ぐぅー…


ジャックのお腹から音がしたのでラブラブタイムを終了し、夕食となった。


「「いただきます」」


パク


料理を一口入れた後二人とも無言で咀嚼し飲み込んだ。


「「味がない(わ・な)」」


お互い何とも言えない微妙な顔を見詰めあい、ジャックがいい事を言った。


「なあセリ、アルノアさんに料理を教わってみないか?

あ、お義母様の方がいいのか?」


「いや、お母様は熱が入るとちょっと…。

アルノアさんかー…明日頼みに行ってみようかな?

…お母様には内緒で」


「そうだな」







      *  *  *







「ただ今戻りました」


「ああ帰ったか…で、あの件はどうだったんだ?」


「無事解決しましたよ」


そうにーっこり笑うナイファに背筋がゾワゾワしてしまった。

無表情のこいつがこんな顔するなんて何があったんだ?!


「スウェトルノーツで愛しのラフィリアさんに偶然お逢いしまして、此度の件の依頼をしました。

あ、報酬はすでに向こうで支払い済みですのでご安心を。

それでですね、解決後にラフィリアさんを食事に誘いましてそこで求婚を致しました」


…あん?

今なんつったこいつ?


「まあ、今回は振られてしまいましたがね」


ラフィリアに求婚して、振られた…………ってこいつ何してんだよっ?!


「おっまえー!

手を出すなと言っただろーが!

…あの黒の番狼は怒らせたりはしてないだろうな?」


「怒ってましたね」


「おいっ!」


こいつ何うっすら笑みを浮かべながら話してやがる?!

黒の番狼が牙を向けたらヤバイだろうが!


「大丈夫ですよ。

ラフィリアさんが狼さんを無害な犬っころにしてくれましたからね。

さあて、次の求婚までに色々と考えなくては………ギルマス今日はこのまま帰宅しますので失礼します」


パタン


ナイファの野郎、一方的に喋って出ていきやがった。


「振られてもまだ挑む気かよ…」


はあ…この先を考えると思わずため息が出るなぁー。







      *  *  *







『ヤバイヤバイヤバイー!』


いつものメンバーと違う精霊が慌てて飛んできた。


『ヤバイの!

監視対象の1人のDが動き始めたの!』


『え!Dが?!』


『や、ば』


『警…戒…ラン…ク…引き…上げ』


『『『了解!』』』


いつもキャッキャとのんびり精霊たちも、この日はは顔を引き締めてきびきび動いているのでした。





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