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第3章 北の都市スウェトルノーツ
21.お返事は…
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更新しました(^-^)ゝ゛
ペットのインコも今のところ穏やかに過ごしておりますm(_ _)m
─────────────────
ちょっとだけ自分の耳を疑ったが、ワインドさんがもう一度先程の言葉を言ってきたので、聞き間違いではなかったのがわかった。
冗談……と思いたいがワインドさんの表情を見れば本気とわかる。
…うん、本気ならば本気でお返事しないと失礼ですね。
でも、返事をする前に隣にいる彼を落ち着かせなければいけない。
「アヴィ、殺気を抑えて。
ここの従業員さん達がアヴィの殺気で青くなって気絶…………あれ?
青くはなってるけど気絶はしてないね?!
実は実力者揃い?!
えー、凄い………っとと、脱線しかけたー。
ごほん…今からワインドさんにお返事するのでその殺気を抑えて。
抑えないと………今後一切私、アヴィのご飯とデザート作らないからね?」
「?!」
アヴィが勢いよく私を見ると共に肌に針が刺さるような殺気も霧散した。
よし、ではお返事を…と体と目をワインドさんに向けた。
「アヴィがすみませんでした。
それと、先程の私への求婚のお返事なのですが…………
お断りします」
「そう……残念です。
私の求婚を断った理由を聞いても良いかな?」
私の断りの言葉を聞いても特に残念そうな素振りを見せず質問をしてきた。
ただ、ワインドさんの雰囲気は変わったようには感じた。
少し…体にヒヤッとしたものが通り抜けていくようなそんな感じ、かな?
「そ、うですね、理由は単純にワインドさんを恋愛対象の男の人としては好きではないので。
もっと言うなら、そういう対象として見られない、というのが理由です」
「理由を教えてくれてありがとう。
今回は残念でしたが、次の求婚の時の参考にさせてもらいます」
次…今度好きになった人に求婚する時の参考にするの?
こんな理由でもはたして参考になるのかな?
「え、あ、はあ。
えーと、私の理由が参考になるなら良かったです?」
「ええ、ふふふ」
おおぅ…何か言葉に違和感を感じた。
…が、ワインドさんからの妖艶な笑みという圧力で違和感の正体を考えることができなくなってしまった。
* * *
く、苦しい…。
アヴィ、今日は少々締め付けがキツいです。
というか、昨日に引き続き今日もとか……色々あったから一人で寝たかったのだけれどね。
思わずため息が出てしまった。
「ごめん…少し力が入ってたな。
リアが…あいつの求婚を断って良かった…」
私を抱き締めていた腕を少し緩め、暗がりの中でお互いの視線を合わせた。
「ん、別にいいよ。
…あのね、実は求婚を断った理由ね、他にもあるの。
ワインドさん、同じなの。
私の血の繋がった父の瞳の色に…」
「リアは…もうあまり両親の事を覚えていないんだと思ってた。
でも、違ったんだな…」
私の事が心配なのか、頭をゆっくりと撫でてきた。
アヴィの優しさに心がほわんと温かくなる。
「ううん、あまり覚えてはいないの。
でもね、両親の瞳の色は忘れられないの。
私がこの世界で見た初めての色だったから…」
そう…この世界に生まれて初めて両親を…というより両親の瞳の色を見た時の衝撃からか、今でも忘れられないでいる。
顔は覚えてないのにねー……あ、クズなことは覚えてるよ?
あふっ…
う~ん…アヴィの頭なでなでで眠くなってきちゃった。
「瞳の色だけ…。
それにこの世界で初めて…か」
「うん…前の世界に…は…ない瞳の色合…いだったもの…私なんて髪も…瞳も…黒い人種……だったから……とくに………ね……………」
「っ!!!
黒っ?!
リアそれは……………………ってー、寝てるのか?」
なんかー…アヴィが言ってる…?
でも…眠くて…も…う……
「眠たくてつい言ってしまっただけかもしれないが、少しだけ俺に心を許してくれた…と思ってもいいか、リア?」
ペットのインコも今のところ穏やかに過ごしておりますm(_ _)m
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ちょっとだけ自分の耳を疑ったが、ワインドさんがもう一度先程の言葉を言ってきたので、聞き間違いではなかったのがわかった。
冗談……と思いたいがワインドさんの表情を見れば本気とわかる。
…うん、本気ならば本気でお返事しないと失礼ですね。
でも、返事をする前に隣にいる彼を落ち着かせなければいけない。
「アヴィ、殺気を抑えて。
ここの従業員さん達がアヴィの殺気で青くなって気絶…………あれ?
青くはなってるけど気絶はしてないね?!
実は実力者揃い?!
えー、凄い………っとと、脱線しかけたー。
ごほん…今からワインドさんにお返事するのでその殺気を抑えて。
抑えないと………今後一切私、アヴィのご飯とデザート作らないからね?」
「?!」
アヴィが勢いよく私を見ると共に肌に針が刺さるような殺気も霧散した。
よし、ではお返事を…と体と目をワインドさんに向けた。
「アヴィがすみませんでした。
それと、先程の私への求婚のお返事なのですが…………
お断りします」
「そう……残念です。
私の求婚を断った理由を聞いても良いかな?」
私の断りの言葉を聞いても特に残念そうな素振りを見せず質問をしてきた。
ただ、ワインドさんの雰囲気は変わったようには感じた。
少し…体にヒヤッとしたものが通り抜けていくようなそんな感じ、かな?
「そ、うですね、理由は単純にワインドさんを恋愛対象の男の人としては好きではないので。
もっと言うなら、そういう対象として見られない、というのが理由です」
「理由を教えてくれてありがとう。
今回は残念でしたが、次の求婚の時の参考にさせてもらいます」
次…今度好きになった人に求婚する時の参考にするの?
こんな理由でもはたして参考になるのかな?
「え、あ、はあ。
えーと、私の理由が参考になるなら良かったです?」
「ええ、ふふふ」
おおぅ…何か言葉に違和感を感じた。
…が、ワインドさんからの妖艶な笑みという圧力で違和感の正体を考えることができなくなってしまった。
* * *
く、苦しい…。
アヴィ、今日は少々締め付けがキツいです。
というか、昨日に引き続き今日もとか……色々あったから一人で寝たかったのだけれどね。
思わずため息が出てしまった。
「ごめん…少し力が入ってたな。
リアが…あいつの求婚を断って良かった…」
私を抱き締めていた腕を少し緩め、暗がりの中でお互いの視線を合わせた。
「ん、別にいいよ。
…あのね、実は求婚を断った理由ね、他にもあるの。
ワインドさん、同じなの。
私の血の繋がった父の瞳の色に…」
「リアは…もうあまり両親の事を覚えていないんだと思ってた。
でも、違ったんだな…」
私の事が心配なのか、頭をゆっくりと撫でてきた。
アヴィの優しさに心がほわんと温かくなる。
「ううん、あまり覚えてはいないの。
でもね、両親の瞳の色は忘れられないの。
私がこの世界で見た初めての色だったから…」
そう…この世界に生まれて初めて両親を…というより両親の瞳の色を見た時の衝撃からか、今でも忘れられないでいる。
顔は覚えてないのにねー……あ、クズなことは覚えてるよ?
あふっ…
う~ん…アヴィの頭なでなでで眠くなってきちゃった。
「瞳の色だけ…。
それにこの世界で初めて…か」
「うん…前の世界に…は…ない瞳の色合…いだったもの…私なんて髪も…瞳も…黒い人種……だったから……とくに………ね……………」
「っ!!!
黒っ?!
リアそれは……………………ってー、寝てるのか?」
なんかー…アヴィが言ってる…?
でも…眠くて…も…う……
「眠たくてつい言ってしまっただけかもしれないが、少しだけ俺に心を許してくれた…と思ってもいいか、リア?」
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