始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第3章 北の都市スウェトルノーツ

17.そうなの…?!

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今日は寒いのでアラレが降ってカツカツ音がしていました(#^.^#)

─────────────────



解せん…。

なぜだかわからないけど、アヴィにお仕置きで再び添い寝させられた。

理由を聞いても…。



「浮気はだめだ」



浮気って…私、アヴィとお付き合いしてないし、浮気相手って誰?って言っても答えはもらえず、添い寝は無しにならなかった。

ヒナさんはロド兄の所にいます。

…ロド兄の所へピョコピョコ向かう途中振り返り、じーっと私を見ていた。

あの目は、浮気は駄目って言ってた。

だから、浮気って何??






      *  *  *






疑問を抱えたままギルドへ、ロナも一緒に行った。



「──…というわけで、女の子に触ってほしいトカゲが猫を被ってなりすまし、さらに魅了魔法も使って連れ去っていた…というのが真相でした。

女性達は魅了を解かれましたが、自分達の意思で残ることを希望したので、そのまま私は帰ってきました」



「トカゲが猫に…。

魅了を解かれたのにトカゲの元に残ったのですか?」



「あのトカゲ、猫を被らなくても可愛かったんですよ。

白くて丸いフォルムに大きなうるうる青色の瞳───」



ガタッ



私の横にいたロナが急に立ち上がり、驚いた顔を向けていた。

急にどうしたんだろう?



「リ、リア…。

そのトカゲ本当に白くて丸いフォルムで大きな青色の瞳なの?」



「う、うん。

そうだよ……な、何か問題でもあった?」



すごい顔力で迫られガシッと肩を掴まれた。

あれ?

つい最近同じことがあったような…。



「リア!

今すぐ私をその子に会わせてちょうだい!」



「あ…ハイデス」



わかった。

わかったから全身シェイクはやめてくださぁーいっ!!!







      *  *  *






ギルドでの報告もそこそこに、私達はトカゲくんの元へ急いだ……というか、急かされた。

また後日ちゃんと報告しないといけないなー。

うぷっ。

うー…まだちょっとシェイクの後遺症が…。



コンコン



「トカゲくーん、昨日会ったラフィリアでーす!

君に会いたいって人がいるのー!」



〝はぁい、ちょっと待っててぇ~〟



パタパタ…と扉へ近づいてくる音が中から聞こえてきた。



「はぁい昨日ぶりぃ。

でぇ、トカゲちゃん抱っこして連れてきたよぉ~」



「昨日のお嬢さん、おらに会いたい人がいるとか…──」



「ああ!

やっぱりそうだわ!!」



ロナの大きな声に皆が驚いて体を震わせた。

今日のロナ、変ね。

興奮してばっかりだ。



「あなた、トカゲじゃなくて龍人族よ!

8年前に卵の状態で行方不明になってずっと一族で探してたのよ!

両親の色を濃く受け継いでいるわ!


あ、君の両親に連絡しなきゃ……『伝魔鳥』」



ロナが伝魔鳥に興奮気味に言葉を言っている側で、私達ロナ以外頭が着いていけてません。

えと、とりあえず種族はトカゲじゃなくて龍人族であるのね…へぇーそうだったんだー。









え……ええ?!

トカゲじゃなくて龍人族?!?!

そ、そうかー……なら、両親は白いのかな?

龍体もぜひ見てみたいかも。






      *  *  *






『ねえ、あのちび白龍の親来るってー』



『えー、大丈夫?』



『どう…だろ…う?』



『んー…暴走しないといいね!』



リア達の知らないところで、不穏な会話をする精霊たちでした。



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