始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

文字の大きさ
上 下
72 / 110
第3章 北の都市スウェトルノーツ

17.そうなの…?!

しおりを挟む

今日は寒いのでアラレが降ってカツカツ音がしていました(#^.^#)

─────────────────



解せん…。

なぜだかわからないけど、アヴィにお仕置きで再び添い寝させられた。

理由を聞いても…。



「浮気はだめだ」



浮気って…私、アヴィとお付き合いしてないし、浮気相手って誰?って言っても答えはもらえず、添い寝は無しにならなかった。

ヒナさんはロド兄の所にいます。

…ロド兄の所へピョコピョコ向かう途中振り返り、じーっと私を見ていた。

あの目は、浮気は駄目って言ってた。

だから、浮気って何??






      *  *  *






疑問を抱えたままギルドへ、ロナも一緒に行った。



「──…というわけで、女の子に触ってほしいトカゲが猫を被ってなりすまし、さらに魅了魔法も使って連れ去っていた…というのが真相でした。

女性達は魅了を解かれましたが、自分達の意思で残ることを希望したので、そのまま私は帰ってきました」



「トカゲが猫に…。

魅了を解かれたのにトカゲの元に残ったのですか?」



「あのトカゲ、猫を被らなくても可愛かったんですよ。

白くて丸いフォルムに大きなうるうる青色の瞳───」



ガタッ



私の横にいたロナが急に立ち上がり、驚いた顔を向けていた。

急にどうしたんだろう?



「リ、リア…。

そのトカゲ本当に白くて丸いフォルムで大きな青色の瞳なの?」



「う、うん。

そうだよ……な、何か問題でもあった?」



すごい顔力で迫られガシッと肩を掴まれた。

あれ?

つい最近同じことがあったような…。



「リア!

今すぐ私をその子に会わせてちょうだい!」



「あ…ハイデス」



わかった。

わかったから全身シェイクはやめてくださぁーいっ!!!







      *  *  *






ギルドでの報告もそこそこに、私達はトカゲくんの元へ急いだ……というか、急かされた。

また後日ちゃんと報告しないといけないなー。

うぷっ。

うー…まだちょっとシェイクの後遺症が…。



コンコン



「トカゲくーん、昨日会ったラフィリアでーす!

君に会いたいって人がいるのー!」



〝はぁい、ちょっと待っててぇ~〟



パタパタ…と扉へ近づいてくる音が中から聞こえてきた。



「はぁい昨日ぶりぃ。

でぇ、トカゲちゃん抱っこして連れてきたよぉ~」



「昨日のお嬢さん、おらに会いたい人がいるとか…──」



「ああ!

やっぱりそうだわ!!」



ロナの大きな声に皆が驚いて体を震わせた。

今日のロナ、変ね。

興奮してばっかりだ。



「あなた、トカゲじゃなくて龍人族よ!

8年前に卵の状態で行方不明になってずっと一族で探してたのよ!

両親の色を濃く受け継いでいるわ!


あ、君の両親に連絡しなきゃ……『伝魔鳥』」



ロナが伝魔鳥に興奮気味に言葉を言っている側で、私達ロナ以外頭が着いていけてません。

えと、とりあえず種族はトカゲじゃなくて龍人族であるのね…へぇーそうだったんだー。









え……ええ?!

トカゲじゃなくて龍人族?!?!

そ、そうかー……なら、両親は白いのかな?

龍体もぜひ見てみたいかも。






      *  *  *






『ねえ、あのちび白龍の親来るってー』



『えー、大丈夫?』



『どう…だろ…う?』



『んー…暴走しないといいね!』



リア達の知らないところで、不穏な会話をする精霊たちでした。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi
ファンタジー
ルル8歳 赤子の時にはもう孤児院にいた。 孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。 それに貴方…国王陛下ですよね? *コメディ寄りです。 不定期更新です!

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

【完結】貧乏令嬢の野草による領地改革

うみの渚
ファンタジー
八歳の時に木から落ちて頭を打った衝撃で、前世の記憶が蘇った主人公。 優しい家族に恵まれたが、家はとても貧乏だった。 家族のためにと、前世の記憶を頼りに寂れた領地を皆に支えられて徐々に発展させていく。 主人公は、魔法・知識チートは持っていません。 加筆修正しました。 お手に取って頂けたら嬉しいです。

処理中です...