始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第3章 北の都市スウェトルノーツ

13.なぜここに?

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更新できた(^_^)
サイトつながるまでが重いです…(?.?)

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色々あってやっと結婚できる事になったセリちゃんとジャック。

セリちゃんが、ウェディングドレスを悩んでいたのでこんなデザインはどう?と、描いたものを見せたら物凄く気に入られました。

私が作っても良い?って聞いてみたら、出来るの?と返されたので以前作ったワンピースを見せたら、肩をガシッと掴まれ作って欲しいと言われた。

…少々、興奮していたのか迫力のあるお顔で言われたので恐かった。

あとで、お風呂に入った時に気づいたが掴まれた時の手形がくっきりと残っていたのを見て、セリちゃんがココロンさんの血筋だと実感した。

ジャック、ファイト!

そんなこんなで割と平穏に過ごしていたら、少し前に知り合ったあの人と再開した。



「ここでお会いできるとは…ラフィリアさん」



えーと、リアーシュのギルドの受付兼副ギルマスのナイファ・ワインドさんだったよね?

なるほどー、だからか。

私は今、アヴィに抱っこされてるんだよね。

さっき急に抱き上げられたから驚いたんだよ。

理由が判明してスッキリです。



「ビックリしました。

リアーシュの副ギルマスであるワインドさん…でしたよね?

なぜスウェトルノーツにいるのですか?」



北にあるこのスウェトルノーツは、リアーシュより気温が低いのに…蛇族って寒いのが苦手ってロド兄著書に書いてあったし。

…リアーシュにいた時より着込んではいるか。

少し、いや結構な着込み具合なのかも。

以前は服込みでスラッとした印象だったもんね!



「ギルマスにちょっと頼まれ事をされまして…。

ああ、貴方達ならちょうど良いかもしれません。

少々、手を貸していただけませんか?」



あれ?

最後に疑問符付いてたけど、断りませんよね?って圧があって首を縦に振るしかなかった。

アヴィは断らなかったかって?

私が頷いちゃったから付き合ってくれるみたい。

ごめんよ、アヴィさん。







      *  *  *







「え?

最近スウェトルノーツで、行方不明者が増えてきているんですか?」



なにそれ、私そんな事全然耳にしたことなかったんだけど。



「たくさん、という程ではないのですが微妙に増えつつはあるんですよね。

なので、組織的な何かの企てだったら困るので調査をしに来ました」



「調査なら、ここスウェトルノーツのギルド職員でもいいと思うんですけど、ワインドさんがわざわざ出向いた理由があるんですよね?」



そう私が言えば、ふわっと柔らかくワインドさんが笑みを浮かべた。

普段無表情な人が笑うと、結構な破壊力がありますねー。

アヴィの笑顔も破壊力抜群だけど、これもこれですごいわー。

心臓がドキドキしてるや。

そんな心音が耳の良いアヴィには聞こえたのか、お腹に回された腕に少し力が入った。

ええ、いつもの通りお膝抱っこされてますが何か?



「そうです。

私は蛇族なので相手に気配を察知され難いのです。

なんでも、何度もここのギルド職員が調査しに行ったのですがうまく逃げられているそうでして。

なので、一番近くにいた私にお呼びがかかったと言うわけです」



「なるほど…なぜワインドさんがこちらにいるかはわかりました。

それで、私達は何をすればいいのですか?」



「貴方達、というよりラフィリアさんにお願いしたいのです。

行方不明者はいずれも女性なので、ラフィリアさんには囮になってほしいのです。

囮になる時は、アヴィルト殿には離れてもらいます。

もしラフィリアさんに何かあっても事故防衛でき、なおかつ優秀な番狼もついているので囮には打ってつけです。

ラフィリアさんが断るなら、地道に調査ですが解決がいつになるか…」



う…またですか?

目がまさか断ったりしませんよね?あなたなら早期解決できるのに………と言っている。



「わかりました。

私が囮になって事件を解決します!」



くっそーぅ、やってやるぅ!

もう、さっさと解決してスッキリしてやるー!

私がメラメラやる気を燃やしてる頭上で、再びアヴィとワインドさんが火花を散らしていた。




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