始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第3章 北の都市スウェトルノーツ

9.修理します!

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更新更新o(^o^)o

───────────────────



今、私はロナをお説教中です。

扉を乱暴に扱ったため、一部欠けたりヒビが入ってしまったりしたのだ。



「いいですか、ロナ?

あなたのおうちやロド兄のおうちは、頑丈な造りだから力が入ってしまっても大丈夫だけど、普通は違うの。

次からは気を付けないと駄目だよ?」



「は、はい……」



うむ、反省してるみたいだしお説教はここらへんでやめておこう。



「なぁ……あいつ顔、ヤバくね?(ボソッ)」



「うんうん……絶対怒らせちゃいけないね!(ボソッ)」



後ろで何やらセリちゃんとジャックが話してるみたいなので、二人の方へ向き直った。



「あー……ごめんねー?

この子が急に扉を乱暴に開けたから驚いたでしょ?

普段は別に乱暴じゃないから、良かったら仲良くしてみない?」



「「は、はいぃぃ!!」」



なんだろ?

二人を見た時、驚いてたんだけど?

おまけに今も姿勢がピシーッてなってるし………変なの。











「ヴェンさん、アルノアさん私の友達が扉を微妙に壊してしまってごめんなさい」



二人に私とロナで頭を下げて謝罪した。



「ハハッ!

壊れちまったのはしょうがねぇさ」



「そんなに気にしなくてもいいわ。

だから、ラフィリアちゃんもロナちゃん(?)も頭を上げて?」



頭をあげれば、アルノアさんが私とロナの頭を撫でてきた。

はう……癒されるぅー。

私が猫なら、喉をゴロゴロ鳴らしていることだろう。



「扉の修理を頼まないといけないわねー。

でも、あそこの旦那さん今風邪で臥せってるのよねー……どうしましょう?」



「あー……そうだったなー。

どうするか……」



直す人が今休業せざる終えない状況なの?

なら……………私の作るもので修理できないかなぁ?



「あの~…私がなにか作ってどうにかできないかやってみても良いですか?」



私の申し出に、ヴェンさん達夫婦は顔を見合せてから口を開いた。



「じゃー、ラフィリアよろしくな!」



「ほえ?

自分で言っといてなんですが、試してみてもいいんですか?

成功するかはわからないのに」



「ええ、修理を頼む相手もいないし………それに、ラフィリアちゃんなら作れそうかなって思うの」



「はあ…そうですか。

じゃ、作ってきますね」



……いざとなったらチート頼みだね!






      *  *  *






あの後すぐに宿から帰ってきた。

早く作らねばーっと思って帰って来て気付いた。

あの二人に龍の鱗と牙渡してないってことに。

家に着いてから、ロナに鱗と牙を見せられて思い出したんだよ。

………二人には明日にでも渡そう。



「木製の扉のヒビや欠けを修理するには……要は扉のを直すってことだよね?

それなら、人用の傷薬を木材用のを応用で作ればいいかな?」



傷薬の材料にプラスして、片栗粉と木を粉状にしたものを加えてみるか。



「じゃあ使う材料を全て鍋に入れて火にかけ、ひたすら混ぜましょう」



グルグル



まだ、サラサラ状態。



グルグル



ちょっぴりとろみがついてきたね。

あとちょっとだ!

頑張れ、自分の腕~!



グルグル



あ、キラキラしたら色が深い緑色から乳白色に変わった!

成功、かな?



「一応モノはできたから、後は軟膏用の容器(大)に入れて明日持って行って使ってみよう」



あ、身体強化してやれば良かったのか…。






      *  *  *






翌日の朝食後すぐに宿へ向かった。

ヴェンさん達夫婦の見守る中、扉のヒビや欠けに木材用傷薬を塗ってみた。

………どうやら、成功のようです。



「すげぇ………」



「あんなにあったヒビや欠け、それに細かな傷まで綺麗に無くなったわ……」



二人と私で、ヒビや欠けがあった部分を手で触ってみるも、木のスベスベした手触りしか感じない。



「すげぇな、ラフィリア!」



「ラフィリアちゃん、扉を新品同様に直してくれてありがとう」



んにゅー……アルノアさんのハグ……良い……。

でも、長くは続かなかった。

すぐにアヴィが、私とアルノアさんを引き離したので………。

……アルノアさんには目で、また近い内にハグしてほしいとお願いしておいた。

頷いていたのでたぶん伝わっているだろう。

あ、アヴィさん?

ちょっと締め付けが……?!



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