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第3章 北の都市スウェトルノーツ
8.何があったの?
しおりを挟むファンタジー小説大賞で282位でした☆
嬉しいです(*´ω`*)
───────────────────
ジャックが告白した翌日、幸せセリちゃんに会いにおっさんの宿へ行きました。
ここへ行けばいるのです。
…セリちゃんの自宅ではないのに。
そして、宿に入れば幸せ笑顔が迎えてくれるとばかり思っていました。
……が!
会ったセリちゃん…と一緒にいたジャックは、どんよりとした空気を漂わせていた。
何が起きた?!
驚き固まっていれば、セリちゃんが私に気付き力ない笑顔を向けてきた。
「あ……リアちゃん、おはよー。
リアちゃんが、ジャックに魔道具を作ってくれたおかげで、ジャックと恋人になれたよ……。
ありがとう~……」
暗い笑顔でありがとうと言われてもあまり嬉しく思えないよ、セリちゃん?!
「あ……ラフィリアか。
お前のおかげで、昨日告白が成功してセレインと晴れて付き合うことができた……。
ありがとうな……」
こっちもこっちで、晴れてとか言いながら雰囲気は土砂降りの雨の中みたいじゃない!
「ど、どしたの?!
昨日恋人同士になった幸せ一杯の二人……というより葬式みたいな雰囲気になってるんだけど?!?!」
「あー……そうだよな……。
とても幸せには見えないだろうな……はは。
実際、俺達は今幸せではないからな……」
えぇー……。
「あのね、実は昨日帰ってからすぐにお互いの両親に結婚するって言ったの。
そしたら……」
「そしたら?」
「セレインの両親…父親の方が条件を出してきたんだ。
その条件が絶望的なんだ」
絶望的な条件とな?
…父親が娘可愛さに、結婚させたくなくて無理な条件を出したって感じかなー?
「それで…その条件って何なのか他の人に言っても大丈夫なら、私にも教えてほしいな?」
「あぁ……その条件とはな───
龍の鱗、もしくは牙を手に入れて持って来いって。
龍は、並み半端な攻撃ではどこにも傷をつけることができない。
だから……鱗や牙なんて無理なんだよ……」
龍の鱗か牙?
……ローゼスさんかロナから言えば貰えたりしないかな?
家に帰ってから……より伝魔鳥で聞いてみるか……。
「『伝魔鳥』
『あ、ロナお久~。
元気してる?
あのね、今私スウェトルノーツにいるんだけど、ちょっと助けたい友達がいるの。
その友達が今度結婚するんだけど、結婚するために条件が出されちゃったの。
その条件が龍の鱗か牙を手に入れること、なんだって。
ロナかローゼスさんに貰えないかなーって思って、伝魔鳥を飛ばしてみたの。
以前の滞在中に、ローゼスさんが鱗とか牙とか生え換わると、売ったり焼却したりしてるって言ってたなって。
……だめ、かな?』
『ロナジェスの元へ』」
伝魔鳥が壁を通り抜けロナの元へと向かった。
「リア……何か今龍人族の龍体の鱗や牙を貰えないか、とか聞こえたんだけど…?」
「え?
あぁ、うん。
ちょっと知り合いに、龍人族の人達がいたから貰えないか頼んでみた」
「いやいや、お前そんなちょっとそこまで買い物に、なノリで言われても!」
「いや…でも、丁度知り合いに龍人族の人達がいたし。
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………あれ?
なんか私、おばさんっぽい発言してない?
精神年齢的には当てはまるかもだけど…。
バァン!
宿の出入口扉を、力一杯開けるおバカさんが来たようで冷ややかな目で見てみたら、私の知り合いだった………恥ずかしい!
「リア!
会いたかったから、私が直々に来たわ!」
ロナ………なんかテンション高くないですか?
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