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第3章 北の都市スウェトルノーツ
7.いよいよです
しおりを挟む今日も更新出来ないかと思いましたが出来ました\(^o^)/
───────────────────
さあ、いざ告白へ……ではなくまずは毎日セリちゃんに素直な言葉を口にすることにしました。
過去に自分を振った相手…しかも、初恋。
そんな相手に告白されても〝はあ?〟って感じだと思うんだよね。
んー、たまに告白されて振った後に好きになるって話も聞くけど、セリちゃんに適応するかわからないから地道にいく方針にしました。
そして、今目の前で────
「セレイン……今日もき、綺麗だ。
これ、セレインに合うと思って………受け取ってくれないか?」
後ろ手に隠し持っていたプレゼントの小箱を、セレインに差し出した。
「え?!
ジャックが私にプレゼント?!!
………わぁー。
……………可愛い、それに綺麗……」
セレインが受け取り、箱から出したものが私にも見えた。
髪止めだ。
セレインの瞳の色のマゼンタにジャックの瞳の黄褐色の丸石が、ダリアの花を模した銀細工に上手くマッチしている。
意外とセンスあるなジャック。
暫く髪止めに魅入られていたセリちゃんが、ジャックの方へ顔をあげた。
「ジャック、こんな綺麗で可愛い髪止めありがとう………大事にするね」
「っ………あぁ」
………柔らかく笑んだセリちゃんの威力がすごいわー。
周りをばれない程度にチラ見すれば、顔を赤くした男性が数人確認できた。
うーん、そろそろ告白しないと横からかっ浚われるかも?
「ジャック、そろそろセリちゃんに告白した方がいいかも。
最近セリちゃんを見てる男の人の目が、結構あるんだよ。
取られる前に、後悔しないようにセリちゃんに想いを告げよう!」
「………実は、今度セレインとデートに行くんだ。
その時に勝負しようと思って………。
俺も周囲の男共の視線には気付いてたからさ………」
「そっか……気付いてたんだ。
うん、頑張れジャック!」
「おう、頑張る!」
* * *
ふふふ………現在二人のデートを覗き見中~。
見た感じ、私的には良い雰囲気っぽい。
距離感が近いようなそうじないような微妙間。
………お?
ここら辺で一番綺麗だと言われている花畑に来たってことは……ここで勝負かな?
「うわぁー、ここは相変わらず綺麗ね!
もうそろそろね、私夕陽に染まる花畑が一番好きだわ」
セリちゃん、これからジャックが告白するよ!
「セレイン。
あの、な?」
「ん?
何ー?
真面目な話??」
「ああ、真面目な話をこれからするから聞いてくれ」
「うん、わかったー!」
……セリちゃん、返事軽!って思うのは私だけでしょうか?
「セレイン、俺は以前お前の告白を断ったよな?
あの時はごめん!
俺……天邪鬼だから逆の事を言っちゃったんだ。
今はラフィリアに作ってもらった魔道具で、天邪鬼は抑えられてて……だから素直に気持ちを言えるようになったんだ。
だから、だから俺の素直な気持ちを聞いてくれ!
俺はずっと昔からお前の事が好きだ!!」
おお!
ついにジャックが告白できたー!
さてさて、セリちゃんは──
「……そういえば、ジャックって天邪鬼だったね。
ずっと一緒にいて知ってたはずなのに…………気付かなかった私も馬鹿ね。
うん、私もジャックが好きだよ。
でもね、ジャックの気持ちを受け入れるのに条件があるの。
一ヶ月以内に私と結婚して」
「けっ………?!」
おー、セリちゃんてばすごーい!
これって逆プロポーズ!
さあ、どうするジャーック!!
「………する。
一ヶ月以内とか言わずにこの後すぐ結婚しても俺は良い!!」
おお?!
こっちの切り返しもすごい!
セリちゃんは?!
「え、この後すぐは困る。
色々と準備があるし」
………だよねー。
その遣り取りから少ししてから二人は花畑を手を繋ぎながら去っていき。
そんな幸せそうな二人の姿が見えなくなってから、私とアヴィも自宅へと帰路に着いたのだった。
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