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第3章 北の都市スウェトルノーツ
3.温かい人
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さっき、初めて顔を合わせた時はまんまゴリラさんが女性の服にエプロン着てたから、衝撃的だった。
だけど、アルノアさんの雰囲気が柔らかいし、目がすっごく優しかったんだよねー。
そして、今は────
ふわぁー…アルノアさんのハグ……いい。
全身があったかい優しさに包まれてる感じだ…。
絶対の安心感バツグン~。
すごく癒されるー…。
もうちょっとハグしててもらおうと思っていたら、背後から悲しげな声が聞こえた。
「くぅ~ん…」
見れば、アヴィが狼になってしょんぼりとしていた。
…あぁ、ヤキモチかな?
俺の狼毛よりゴリラ毛が良いのか?的な感じに目が訴えている。
……わかったよー、名残惜しいけどアヴィが拗ねると厄介そうだから、アルノアさんのハグは終了です。
「アルノアさん、アヴィがヤキモチ妬いてるから…。
でも、またハグしてもらってもいいですか?
アルノアさんのハグ温かくて安心するの」
「まあっ…、私でよければいくらでも抱き締めるわ!」
私が照れ照れしていると、服の襟部分を引っ張られ体が持ち上がり……アヴィの背に乗せられていた。
「あらあら、本当にヤキモチ妬きさんなのね~ふふ!」
「んもぉー…って、部屋に戻るの?!
あっ、アルノアさんとヴェンさんおやすみなさいぃぃぃー…………」
私を背に乗せアヴィが部屋へ向かったので、私は強制的に食堂から退場となりました…。
そんなに急がなくてもあとで、ちゃんとなでなでするのにー…もう!
* * *
狼の背に乗せられ去っていったリアを、ロドクスとヴェンそしてアルノアとで見送った。
「あの狼のアヴィルトくんは、男女関係なく妬くのね。
ラフィリアちゃん、大変ねー」
「だな!」
「うむ、家でも外でも常にベッタリじゃからのぅ。
…ヒナが側にいるのは許しているみたいじゃがなぁ」
「………怨めし、じゃなかった。
羨ましいー……私もあんな風に愛されたーい!」
三人だけかと思っておったら、先ほどの振られ娘がトイレから戻ってきておった。
しかし…この娘、どうして振られるんじゃろう?
目鼻立ちは整っていて普通にモテそうなんじゃがなぁ…。
「お前は、男が引くくらい押しが強いから、そういうのが好きな男以外無理だろうな」
「えー…だってぇ、初めて好きになった人に言われたよ?
『お前、大人しいから無理』って」
「んー?
ああっ、あの子かしらね。
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………うーん、リアに友達が増えるのは良いことじゃが、アヴィルトがどう反応するかじゃな。
まぁ、様子見といこうかのぅ。
アヴィルトが、この娘に牙を向くようなら助けることにしよう。
…あやつは今頃、部屋でリアに構われてデレデレじゃろうなー。
リアはいつアヴィルトの気持ちに気づくのかのぅー?
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