始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

文字の大きさ
上 下
58 / 110
第3章 北の都市スウェトルノーツ

3.温かい人

しおりを挟む

よし!何とか今日の更新完了♪

───────────────────



さっき、初めて顔を合わせた時はまんまゴリラさんが女性の服にエプロン着てたから、衝撃的だった。

だけど、アルノアさんの雰囲気が柔らかいし、目がすっごく優しかったんだよねー。

そして、今は────




ふわぁー…アルノアさんのハグ……いい。

全身があったかい優しさに包まれてる感じだ…。

絶対の安心感バツグン~。

すごく癒されるー…。

もうちょっとハグしててもらおうと思っていたら、背後から悲しげな声が聞こえた。



「くぅ~ん…」



見れば、アヴィが狼になってしょんぼりとしていた。

…あぁ、ヤキモチかな?

俺の狼毛よりゴリラ毛が良いのか?的な感じに目が訴えている。

……わかったよー、名残惜しいけどアヴィが拗ねると厄介そうだから、アルノアさんのハグは終了です。



「アルノアさん、アヴィがヤキモチ妬いてるから…。

でも、またハグしてもらってもいいですか?

アルノアさんのハグ温かくて安心するの」



「まあっ…、私でよければいくらでも抱き締めるわ!」



私が照れ照れしていると、服の襟部分を引っ張られ体が持ち上がり……アヴィの背に乗せられていた。



「あらあら、本当にヤキモチ妬きさんなのね~ふふ!」



「んもぉー…って、部屋に戻るの?!

あっ、アルノアさんとヴェンさんおやすみなさいぃぃぃー…………」



私を背に乗せアヴィが部屋へ向かったので、私は強制的に食堂から退場となりました…。

そんなに急がなくてもあとで、ちゃんとなでなでするのにー…もう!








      *  *  *








狼の背に乗せられ去っていったリアを、ロドクスとヴェンそしてアルノアとで見送った。



「あの狼のアヴィルトくんは、男女関係なく妬くのね。

ラフィリアちゃん、大変ねー」



「だな!」



「うむ、家でも外でも常にベッタリじゃからのぅ。

…ヒナが側にいるのは許しているみたいじゃがなぁ」



「………怨めし、じゃなかった。

羨ましいー……私もあんな風に愛されたーい!」



三人だけかと思っておったら、先ほどの振られ娘がトイレから戻ってきておった。

しかし…この娘、どうして振られるんじゃろう?

目鼻立ちは整っていて普通にモテそうなんじゃがなぁ…。



「お前は、男が引くくらい押しが強いから、そういうのが好きな男以外無理だろうな」



「えー…だってぇ、初めて好きになった人に言われたよ?

『お前、大人しいから無理』って」



「んー?




ああっ、あの子かしらね。

ジャックがそう言ったの?」



「うん…だから私ね、これじゃ駄目なんだって思って…カッコいいって思った人に、押して押してさらに押しまくってってするようにしてるの」



………それは、やりすぎじゃろぅ。

それに、ジャックとかいう奴はもしかすると─────



「そうだわ!

さっき会った女の子…ラフィリアちゃんっていうんだけど、その子とお友達になって一緒にいたら何かわかるかもよ?」



「…あの、カッコいい男の人の側にいた子?



………うん、友達になってって言ってみる!

今行くと、彼が怒りそうだから明日にする」



………うーん、リアに友達が増えるのは良いことじゃが、アヴィルトがどう反応するかじゃな。

まぁ、様子見といこうかのぅ。

アヴィルトが、この娘に牙を向くようなら助けることにしよう。










…あやつは今頃、部屋でリアに構われてデレデレじゃろうなー。




リアはいつアヴィルトの気持ちに気づくのかのぅー?



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。

氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。 私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。 「でも、白い結婚だったのよね……」 奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。 全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。 一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。 断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?

おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました! 皆様ありがとうございます。 「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」 眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。 「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」 ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。 ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視 上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

強制力がなくなった世界に残されたものは

りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った 令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達 世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか その世界を狂わせたものは

孤児院の愛娘に会いに来る国王陛下

akechi
ファンタジー
ルル8歳 赤子の時にはもう孤児院にいた。 孤児院の院長はじめ皆がいい人ばかりなので寂しくなかった。それにいつも孤児院にやってくる男性がいる。何故か私を溺愛していて少々うざい。 それに貴方…国王陛下ですよね? *コメディ寄りです。 不定期更新です!

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

処理中です...