始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第2章 リアーシュの町

※きょうだいの集い

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更新できました~☆
今日で第2章終了です…蛇の人いずれどこかで再登場(予定)。
次からは第3章が始まります(*^_^*)

───────────────────



…とある狭い一室に男女が集まっていた。

話す内容はというと───



「最近……ラフィリアからお手紙も水晶鏡もない」(長男)



「ラフィリア姉ちゃんってうっかりしてっからなー」(三男)



「うぅ…リア姉さんとのお話楽しみにしてるのにぃー」(次女)



「……」(四男)



4人が暗く沈んだ表情をしている中、なぜか1人だけ平然としている次男が口を開いた。



「ラフィなら、オルトゥム様たちと旅に出ると言っていた」(次男)



「「「なんだって?!」」」



四男以外が立ち上がり、次男へと詰め寄った。



「なんでお前は知っている?!」(長男)



鬱陶しそうに眉間を寄せているが、知ったこっちゃない。



「俺は上司の側近騎士だから上司の執務室にいた時に聞いた。

先に上司が水晶鏡で話していたが、途中オルトゥム様からラフィに変わって俺に他の兄弟妹きょうだいに伝えて欲しいってな」



カタ…



詰め寄っている俺達の背後から音がした。

後ろには、四男が1人だけ立ち上がらずに座っていたから四男が出した音だ………が、音がしてから後ろが恐くて動けない。



「ねぇラフィート兄さん。

ラフィリア姉さんはどこへ向かうか言っていたのかな?

知っているなら僕に 教 え て ?」



次男ラフィートに詰め寄っていた俺たち3人は恐怖で動けなくなっているというのに、次男のラフィートは恐怖などなくただただ面倒臭そうに口を開きこう言った。



「俺はどこへ行くかはラフィに言われなかったから知らん」



「…………そう。




ラフェク兄さんあれ、決めたよ。

僕、冒険者になる」



背後の恐怖が消えたので振り返れば……四男ライツェフは笑っていた……………怖ーっ!

はっ!

怖がるな俺!

長男だからしっかりして長女のラフィリアを



「…お前、魔法省からの誘いを断るのか?

もし、断る理由がラフィリアを追いかけるためなら冒険者になるのは認めない」



「「に、兄(ちゃん・さん)」」



「へぇ~、さっきまで恐怖で固まってたのに可愛い妹の(安全の)為に頑張るんだなー兄さん」



三男と次女は目で応援し、次男ラフィートは感心したように言葉にした。



「ラフェク兄さん…僕の邪魔をするの?

邪魔をするなら、例え兄でも殺しちゃうよ?

いいの?」



「はん!

お前が俺を殺したら、お前はラフィリアと一生会えなくなるだろう。

それでもいいなら俺を殺すがいい」



「……なんか、確信のある言い方だね。



もしかして、僕に何かした?」



答えるために口を開きかけたが、次男の方が早かった。



「あぁしたよ。

…とは言ってもお前だけじゃなく俺達だ」



…え?

みんな?

お、俺もなの?!

俺、それは知らなかったんだけど?!?!



「…それってー、このピアス?」



「そ。

それが俺達のだ」



「なら、これ壊しちゃえば───」



「それ、ラフィが作ったものでもあるんだけど…お前、壊せるの?」



四男ライツェフは、ピアスに手をやりかけて〝ラフィ〟という名前が出た途端ピタッと止まった。



「ラフィリア姉さんが作ったの?」



「正確に言うならラフィとオルトゥム様の合作だ。

ラフィはこのピアスのデザイン担当で、術はオルトゥム様がかけた。

…ラフィはこれに呪術がかけられてるとは知らないよ」



「そう………それなら、壊せないや僕」



「なあ、俺達みんなってことはラフィートもなんだよな?

お前は、知っていてそれをつけたのか?」



次男ラフィートは………見るものが恍惚としてしまいそうな笑顔を浮かべこう言った。



「俺は、ラフィが作ったものなら例えそれが毒薬入りの食べ物であっても食べる。

それに、これでラフィに縛られてるかと思うと……ゾクゾクする」



あ、こいつも四男と違うタイプではあるがヤバイやつだった。

最近まともっぽかったからすっかり忘れてた…。



「それは僕も同感。

今、はじめてラフィート兄さんと兄弟だって思った、僕。

ふふふ」



「そうか…ふふふ」



……あぁ、神様。

どうか、我が妹ラフィリアがこの兄弟に振り回されないようお助けください。

お願いします!



一度は奴隷になりながらも、まともに育った長兄ラフェクの切実な心の祈りは天へと届……く?



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