始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第3章 北の都市スウェトルノーツ

1.走り続けた結果…

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昨日更新したかったのですが、お腹がゴロゴロで執筆に集中できませんでした(。>д<)

───────────────────



必死に走って走って、ひたすら走り続け気がつけば────



「あ、れ?

なんかでっかい塀と門が見える」



「おお!

走り続けたら、北で最大の都市であるスウェトルノーツに着いてしまったのぅ。

身体強化してひたすら走ると1日も経たずに着けるとは…ほっほっほっ」



…ということはー、リアーシュの町から馬車で早くて一週間、道の状態によっては二週間過ぎるかもしれない距離を私たちは………。

それだけ、あの領主一家に恐怖があったんだろうね…アハハー。



門の所で身分証を出し、ロド兄はまた崇拝(?)の目で見られ…………あ?

あれ?

私も同じような目で見られてる?!

………ス、スルーしよう。

深く考えてはイケナイ、ウン。

今回は一泊だけ宿に泊まり、明日からはここでのロド兄の家に滞在する。

中は森の家だけどね。

…今日は、料理作りも他人様に任せたいかららしい。

うん、疲れたもんね…。








      *  *  *








どこに泊まるか決めているらしいロド兄に着いて行き、たどり着いたるは…黄色の原色の一色だけで塗られた宿だった。

これ…宿の看板なかったらわかんないし、ロド兄がいなかったらここに来なかったと思う。



カララ~ン



「おぅ、お客さんかー………。







あー、ロドクスか久し振りだなぁ」



「お前、今わしの名前がすぐ出てこんかったじゃろ?」



「はっはっはっ!

俺がお前の名前を忘れるわけがないだろう」



「……過去、何度も忘れられていたのじゃが?」



「なんのことやら」



「まぁ、いい。

今回は一応名前は出てきはしたからのぅ」



「ふぅ………」



あ、安堵のため息吐いてる。

うーん、宿屋より鍛冶屋が似合いそうな厳つめなおじさんだなぁ。

じーっと見ていたら、おじさんの目がこちらに向き目が合った。



「んで?

このお嬢さんと青年は、ロドクスの連れなんだろうが……どういう関係だ?」



「娘の方はわしの養女で、ラフィリア・オルトゥムという。

それで、この青年は妖精族狼種で黒の色持ちのアヴィルトじゃ。

あと、ついでに極彩鳥のヒナもおる…おぉほれ、ラフィリアの懐から出てきたのがそうじゃ」



「あ?!

養女?!

黒色持ちだぁ?!

このヒナが極彩鳥?!?!






ロドクス…何があってこうなったんだ?」



何があってってー、私がロド爺に拾われてそれから…私がアヴィとヒナを拾っただけだよ?



「えー?

まず、わしがこの娘を森で拾ったんじゃ。

あとの妖狼とヒナは、この娘が拾ったんじゃよ。

ただそれだけじゃ」



そうそう、ただそれだけだよ?



「ただそれだけって………はぁ。

もういい……いつものことだもんな。

んで?

今日は泊まるのか?」



「ああ、三部屋空いとるかの?」



「おう、空いてるぜ!

しっかし、家があるのに泊まるのか。

うちは収入になるからいいけどよ」



「うむ、今日リアーシュの町から身体強化してひたすら走ってきたんで、さすがに疲れてご飯作るのも面倒になってのぅ…ほっほっほっ」



「ああ、リアーシュか。







…って、リアーシュだと?!!

お前ら何やってんだよ?!?!」



さっきから叫んでるけど、喉痛くならないのかなぁ?














……そういえば、この人の名前なんていうんだろう?




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