始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第2章 リアーシュの町

12.魔女モルアーナ⑤

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今日は更新出来ました(>.<)
明日は疲れていて無理かもしれません…(´・ω・`)

───────────────────



最近の通常になりつつある魔女さまのお世話係。

今日も魔女さま宅にて、家事やらお世話やらをこなしていると誰かが訪れたようで、ドアをノックする音が聞こえた。

ここに訪れるようになってから、初の訪問者だ。



「はぁーい、魔女さまに何かご用ですか?」



ドアを開けて見れば、40~50代位の紳士が立っていた。



「どうも。

私は、半年前までモルアーナのお世話をしていたカシェス・ホルフォンです。

君は…新しいモルアーナのお世話係なのかな?」



…前のお世話係の人って男性だったんですか、魔女さま?












「わぁー、カシェス半年ぶり~。

ぎっくり腰はよくなった~?」



「ああ、湯治で良くなったよ。

今日は、君の無事を確めに来たんだ。

死なないとはわかっていても、心配だったんだ……」



おや~?

何だかあま~い空気が、魔女さまとホルフォンさんから漂って来るような?

この二人実は恋人同士だったり…?



「相変わらず心配性だな~。

まぁ、ちょっと前までは人を捨てた生活をしていたんだけどね~あはは」



「ここへ来る前に少しだけ君の噂を耳にしたよ。

…魔女が魔物になろうとしているとか、ね」



…あー、あれは確かにそう言われてもおかしくない姿だった……うん。

よく、あれを人に戻せたなー…私。



「あはは~、この子が…ラフィリアちゃんが私を人に戻してくれたの~。

この汚れないお洋服も作ってくれたのよ~。

可愛いでしょ~?」



「ああ…可愛くて、このまま僕だけしか見られないように、どこかに閉じ込めてしまいたいくらいだよ」



「もう…そういう所も相変わらずだよね、カシェス~」



やっぱりラブラブでしょ、この二人。



「もー、モルちゃんったら独身女とか言ってたけど、ちゃんと恋人いるんじゃないの!」



「恋人?

カシェスは恋人じゃないよ~?




まぁ、魔女の伴侶になりたいとは言われたけど……」



「なんで、結婚してないの?

そんなにお互いな好き好きオーラ出してるのに」



「それはね、モルアーナが僕を魔女の伴侶にするのを恐がったからだよ」



「……恐い?



ああ…あれかな?

〝魔女の伴侶は決して裏切ってはならない。

裏切れば、業火の鎖が魂に絡みつきそして転生することなく、囚われ続けるだろう〟ってやつ?」



「…うん。

あれってね~、過去の魔女が裏切られた悲しみから作り出した契約なの~。

でも、この契約って魅了魔法で無理矢理変えられた場合でも、裏切り行為に当たっちゃうの~。


なかなか、魅了魔法をかけられるってことはないのかもしれない。

だけど……カシェスがもしそれで業火の鎖に魂が囚われることになったら……恐いのー…」



魅了魔法か……確かにロド兄に教わってはいる。

あれは、かけた相手より魔力が弱いとかかりやすいんだよね。

うーん……魅了魔法を防ぐ魔道具を作ってみるか。



「モルちゃん、私魅了魔法を防ぐ魔道具を作ってみるよ!」



「え?!

私も色々試してみたけどできなかったんだよ?」



「んー?

んとねー…今までも何とかできてるからなんとかできるかも?

まぁ、出来上がるまで待っててー。

あ、ちゃんと実験してから渡すからね」



「じゃあ…うん。

待ってるね」



よぉーし!

帰ったらさっそく魅了防止魔道具研究開始です!




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