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第2章 リアーシュの町
1.町に着きましたー。
しおりを挟む本日、3話目です♪
第2章入りました\(^o^)/
──────────────────
迷々の森から北へと向かい、数十日かけてリアーシュの町に着きました。
途中山賊やら魔物やらと遭遇しましたが、ロド兄とアヴィがあっという間に蹴散らすので、私自身怪我などはありません。
ただ、問題があったとすれば人と戦うのが苦手だということが判明致しまして……。
前世の影響ですかね?
まぁ、たぶんですが自分や大事な人に生命の危機が迫ったのなら、迷わず殺るとはおもうんですけどね。
「ほぇ~…やっぱり町は村より人が多いね」
ここは、私が以前いた村の雰囲気とは全然違っていて、活気があって明るい印象を受ける。
こういう所に生まれたかった……けど、ここだと今ある幸せを得られなかっただろうから、私はあそこで生まれてよかったのだろう。
……ここにもきっと、闇はあるだろうしね。
「あそこに門番いるから行こうかのぅ」
「うん!
あ、身分証って必要?
だとしたら、私とアヴィ持ってないよ?」
「大丈夫じゃ~。
あそこで仮発行してもらって、ギルドで冒険者登録すればそこでもらえる首から下げるプレートが、身分証になるからのぅ」
あー、前世の異世界もの小説でそんな感じのものがあったかも?
冒険者かぁー、依頼とかってどんなものがあるんだろう?
少し?いやだいぶワクワクするね!
「ん?
お前たち初めて見る顔だなぁ?」
ガタイのいい厳つい門番のおっちゃんの方が、話しかけてきた。
もう一人は、ひょろっとしてるけど隙がない私のような普通顔の人。
ここの守りはなかなかしっかりしてるのかも。
うちのいた村は……うん、私が抜け出せるくらいと言えばわかるだろう。
「およ?
わしは初めてじゃないぞ?
この二人は初めてさんだがなぁ」
「二人が新顔で、お前さんはそうじゃない?
ま、いいや。
んじゃ、身分証の提示をしてくれるか?」
「わしは持っとるが、この二人は持っとらん」
「そうか。
じゃあ、身分証を持ってるお前さんは俺担当するから、そこの二人はそっちのひょろっこい兄ちゃんについていってくれ。
そいつが犯罪の有無の確認し、何も問題なければ銀貨一枚で仮の身分証を発行してくれるから。
あ、仮の身分証発行された後は冒険者ギルドか商業ギルドのどちらかで、登録するように。
銀貨一枚はその登録料の先払いも兼ねているんでな」
言い終わるとおっちゃんは、ロド兄をすぐ側にあった椅子へ座らせ、プレートの確認作業へと入っていた。
私とアヴィはお兄さんに連れられ、個室へと入った。
中には、机と椅子が二脚置いてあった。
その机の上に、厚さ1cmくらいの白い艶やかな板が置いてあった。
「じゃあ未だに捕まっていない犯罪者かどうか調べるから、この板に両手を置いてくれるかな?
立ってるのが辛かったら座ってしてもいいからね~」
私からしようと机に近づき……立ってるのは辛くないけど座った。
椅子に座り、両手を板の上にそっと置けば板が淡く光り、一瞬だけ横に光りが走った。
……コピー機みたい。
「うん。
犯罪はないね。
じゃ、次は君だ」
椅子から立ち上がり、アヴィに場所を譲った。
アヴィは座らず立ったまま、両手を板に乗せた。
「ん、君も大丈夫だね。
じゃあ仮の身分証を発行してくるから、ちょっとだけここで待ってて」
お兄さんは部屋から出ていき、私は……アヴィに向かい合わせに抱っこされました。
なぜ急に抱っこ?
「今出ていった男、あまり近づかない方がいい」
「え?
なんで??」
「リアを見る目つきが厭らしかった」
……。
あれか?
あの人私と同じく普通顔だったから、私ならいけると思った、とか?
「う~ん……あまり気にしなくても大丈夫だと思うよ?
私、自衛はロド兄から太鼓判を押されてるしね」
「俺が嫌だ」
……さて、アヴィが駄々をこねている。
どうするかなー。
打開策を考えていたら、お兄さんが戻ってきてしまった。。
「お待たせー……ってなんか、邪魔しちゃったかな?」
「…いえ、大丈夫です。
こんな体勢で申し訳ないのですが、仮の身分証をいただけますか?」
入り口で立ち止まっていたが、仮の身分証を渡すためこちらに寄ってきた。
その顔は苦笑いを浮かべて、だが。
「…はい、これが仮の身分証ね。
でもそっかー、君のことちょっと可愛いなって思ってたんだけど、こんな格好いい彼氏がいるんじゃ俺は無理だね。
……残念」
「あ、どうも。
可愛いって言ってくだりありがとうございます。
でも、一つ訂せっむがっ?!」
途中でアヴィの手により口を塞がれた。
口を塞がれたまま、目だけでアヴィを睨めばスルーされた!
「俺の彼女を、可愛いと褒めても渡さん。
…仮の身分証を受け取ったし、もう行く。
銀貨二枚はあっちにいるロドクスからもらってくれ」
結局、口を塞がれたままーの抱っこされたままーので小部屋をあとにした。
お兄さんを見れば、苦笑いを浮かべて手を振ってた。
うちのアヴィがすみません。
目でお兄さんに謝ってみたが、ちゃんと伝わっただろうか?
ロド兄の所に戻ったら戻ったで、よく分からない光景がそこにあった。
「ロド兄?
なんでおっちゃん目をキラキラさせて、ロド兄に跪いてるの?」
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