41 / 110
第2章 リアーシュの町
1.町に着きましたー。
しおりを挟む本日、3話目です♪
第2章入りました\(^o^)/
──────────────────
迷々の森から北へと向かい、数十日かけてリアーシュの町に着きました。
途中山賊やら魔物やらと遭遇しましたが、ロド兄とアヴィがあっという間に蹴散らすので、私自身怪我などはありません。
ただ、問題があったとすれば人と戦うのが苦手だということが判明致しまして……。
前世の影響ですかね?
まぁ、たぶんですが自分や大事な人に生命の危機が迫ったのなら、迷わず殺るとはおもうんですけどね。
「ほぇ~…やっぱり町は村より人が多いね」
ここは、私が以前いた村の雰囲気とは全然違っていて、活気があって明るい印象を受ける。
こういう所に生まれたかった……けど、ここだと今ある幸せを得られなかっただろうから、私はあそこで生まれてよかったのだろう。
……ここにもきっと、闇はあるだろうしね。
「あそこに門番いるから行こうかのぅ」
「うん!
あ、身分証って必要?
だとしたら、私とアヴィ持ってないよ?」
「大丈夫じゃ~。
あそこで仮発行してもらって、ギルドで冒険者登録すればそこでもらえる首から下げるプレートが、身分証になるからのぅ」
あー、前世の異世界もの小説でそんな感じのものがあったかも?
冒険者かぁー、依頼とかってどんなものがあるんだろう?
少し?いやだいぶワクワクするね!
「ん?
お前たち初めて見る顔だなぁ?」
ガタイのいい厳つい門番のおっちゃんの方が、話しかけてきた。
もう一人は、ひょろっとしてるけど隙がない私のような普通顔の人。
ここの守りはなかなかしっかりしてるのかも。
うちのいた村は……うん、私が抜け出せるくらいと言えばわかるだろう。
「およ?
わしは初めてじゃないぞ?
この二人は初めてさんだがなぁ」
「二人が新顔で、お前さんはそうじゃない?
ま、いいや。
んじゃ、身分証の提示をしてくれるか?」
「わしは持っとるが、この二人は持っとらん」
「そうか。
じゃあ、身分証を持ってるお前さんは俺担当するから、そこの二人はそっちのひょろっこい兄ちゃんについていってくれ。
そいつが犯罪の有無の確認し、何も問題なければ銀貨一枚で仮の身分証を発行してくれるから。
あ、仮の身分証発行された後は冒険者ギルドか商業ギルドのどちらかで、登録するように。
銀貨一枚はその登録料の先払いも兼ねているんでな」
言い終わるとおっちゃんは、ロド兄をすぐ側にあった椅子へ座らせ、プレートの確認作業へと入っていた。
私とアヴィはお兄さんに連れられ、個室へと入った。
中には、机と椅子が二脚置いてあった。
その机の上に、厚さ1cmくらいの白い艶やかな板が置いてあった。
「じゃあ未だに捕まっていない犯罪者かどうか調べるから、この板に両手を置いてくれるかな?
立ってるのが辛かったら座ってしてもいいからね~」
私からしようと机に近づき……立ってるのは辛くないけど座った。
椅子に座り、両手を板の上にそっと置けば板が淡く光り、一瞬だけ横に光りが走った。
……コピー機みたい。
「うん。
犯罪はないね。
じゃ、次は君だ」
椅子から立ち上がり、アヴィに場所を譲った。
アヴィは座らず立ったまま、両手を板に乗せた。
「ん、君も大丈夫だね。
じゃあ仮の身分証を発行してくるから、ちょっとだけここで待ってて」
お兄さんは部屋から出ていき、私は……アヴィに向かい合わせに抱っこされました。
なぜ急に抱っこ?
「今出ていった男、あまり近づかない方がいい」
「え?
なんで??」
「リアを見る目つきが厭らしかった」
……。
あれか?
あの人私と同じく普通顔だったから、私ならいけると思った、とか?
「う~ん……あまり気にしなくても大丈夫だと思うよ?
私、自衛はロド兄から太鼓判を押されてるしね」
「俺が嫌だ」
……さて、アヴィが駄々をこねている。
どうするかなー。
打開策を考えていたら、お兄さんが戻ってきてしまった。。
「お待たせー……ってなんか、邪魔しちゃったかな?」
「…いえ、大丈夫です。
こんな体勢で申し訳ないのですが、仮の身分証をいただけますか?」
入り口で立ち止まっていたが、仮の身分証を渡すためこちらに寄ってきた。
その顔は苦笑いを浮かべて、だが。
「…はい、これが仮の身分証ね。
でもそっかー、君のことちょっと可愛いなって思ってたんだけど、こんな格好いい彼氏がいるんじゃ俺は無理だね。
……残念」
「あ、どうも。
可愛いって言ってくだりありがとうございます。
でも、一つ訂せっむがっ?!」
途中でアヴィの手により口を塞がれた。
口を塞がれたまま、目だけでアヴィを睨めばスルーされた!
「俺の彼女を、可愛いと褒めても渡さん。
…仮の身分証を受け取ったし、もう行く。
銀貨二枚はあっちにいるロドクスからもらってくれ」
結局、口を塞がれたままーの抱っこされたままーので小部屋をあとにした。
お兄さんを見れば、苦笑いを浮かべて手を振ってた。
うちのアヴィがすみません。
目でお兄さんに謝ってみたが、ちゃんと伝わっただろうか?
ロド兄の所に戻ったら戻ったで、よく分からない光景がそこにあった。
「ロド兄?
なんでおっちゃん目をキラキラさせて、ロド兄に跪いてるの?」
0
お気に入りに追加
314
あなたにおすすめの小説
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる