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第1章 迷々の森
※ロドクス・オルトゥム視点+他視点
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今日は1話更新です♪
章をつけましたー(・∀・)
第2章に変わる前に何話か別視点を書きます( *・ω・)ノ
──────────────────
「え~……わしが行かないと駄目なのかのぅ?」
「オルトゥム様、お願いします」
「はぁー……今回は前回より厳しく術をかけることにするわい」
「宜しくお願いします」
会話が終了し、水晶鏡から相手の姿が消えた。
「いつまでも愚かな者たちじゃ……」
* * *
「さて、お前さん達前回の術だけではヌルかったようじゃから、今回は厳しめに術をし直すことにしたからのぅ」
今、わしの前におるのはリアの両親だ。
捕まえられた当時はある建物に監禁し、社会と断絶することで済ませることにしていた。
じゃが、建物にいる監視者があの者たちにうつつを抜かし逃がすという事態になった。
すぐに捕まえたがのぅ。
その後、わしに最初の依頼が来た。
あの者たちを制限・拘束する首輪が欲しい、と。
「前回は、この建物から逃げようとすれば体に痺れが来るようにした。
じゃが……逃げたあと痺れがあまり持続的せんかったようじゃなぁ。
わしもまだまだじゃな。
で、わし今回のはよーくよーく考えたんじゃ。
よーく考えて決めた。
助けようとする者がいるのならば、そうできないようにすればいい、と。
まず、心優しき者達は巻き込まれたら大変じゃから近寄れないようにしておく。
そして、それ以外の者達がお前さん達を助けようとするならば………その者らと共に呪いがかかるようしとこうとな」
「の、ろい…?」
「何の、呪いを……」
こういう風に…不安から身を寄せあうリアの両親を、何も知らない状態で見ていたなら普通の夫婦に見えるのだがなぁ。
ため息が出そうになるのをぐっと堪えた。
「その呪いは………黒膚呪、という。
呪いにかかれば……………………」
ごくり……
「肌がゆー…っくりと黒くなっていき、全身まーっ黒になった時、心臓の鼓動も止まることじゃろう。
さあ、首輪の新たな設定をはじめようかのぅ」
「「………」」
「なんじゃ?
失神した上に失禁まで……。
ちと、黒い顔になっていたのかのぅ?」
そう口に出せば、側にいた騎士シェムーセ・バルーチェスが顔を少しだけ強ばらせて、わしの独り言に対して答えた。
「オルトゥム殿…笑顔でしたが目が笑っておらずそれに……威圧感が増すように魔力が自然と漏れ出ていました。
……私も少々危なかったです」
………うむ。
可愛いリアを、売ろうとしたことが頭のどこかにあるせいかのぅ…?
「無意識に力を出してしまってすまんかったのぅー。
さて、意識がないうちに術をかけとこうかのぅ。
さっさと終わらして、リアの美味しいご飯とデザートを食べるんじゃ~」
* * *
「隊長、ご報告します」
「ああ」
「えー、建物内外ともに失神者10名、失禁者…4名とのことです」
「はぁ……情けないととるべきかしょうがないとするべきか。
だが、オルトゥム殿のほんの少しのお力が漏れ出ただけでこの結果なら………やはり鍛え直さなくてはならんな。
あれはその数の中に含まれているのか?」
「……いいえ。
彼はケロッとしておりました」
………。
「そうか……ラフィートはこれからもっと強くなっていくだろう。
……………妹殿の為に」
「あの……もし、ラフィートがその妹さんに会っても大丈夫でしょうか?」
大丈夫か、大丈夫じゃないかといえば大丈夫じゃないだろう。
ただ、あのオルトゥム殿と一緒に暮らせる妹殿も普通ではないのでは?という考えもある。
「さあ、妹殿次第じゃないか?」
「……ラフィートの妹さん、どうか強く生きてください」
………私も願っておこう。
章をつけましたー(・∀・)
第2章に変わる前に何話か別視点を書きます( *・ω・)ノ
──────────────────
「え~……わしが行かないと駄目なのかのぅ?」
「オルトゥム様、お願いします」
「はぁー……今回は前回より厳しく術をかけることにするわい」
「宜しくお願いします」
会話が終了し、水晶鏡から相手の姿が消えた。
「いつまでも愚かな者たちじゃ……」
* * *
「さて、お前さん達前回の術だけではヌルかったようじゃから、今回は厳しめに術をし直すことにしたからのぅ」
今、わしの前におるのはリアの両親だ。
捕まえられた当時はある建物に監禁し、社会と断絶することで済ませることにしていた。
じゃが、建物にいる監視者があの者たちにうつつを抜かし逃がすという事態になった。
すぐに捕まえたがのぅ。
その後、わしに最初の依頼が来た。
あの者たちを制限・拘束する首輪が欲しい、と。
「前回は、この建物から逃げようとすれば体に痺れが来るようにした。
じゃが……逃げたあと痺れがあまり持続的せんかったようじゃなぁ。
わしもまだまだじゃな。
で、わし今回のはよーくよーく考えたんじゃ。
よーく考えて決めた。
助けようとする者がいるのならば、そうできないようにすればいい、と。
まず、心優しき者達は巻き込まれたら大変じゃから近寄れないようにしておく。
そして、それ以外の者達がお前さん達を助けようとするならば………その者らと共に呪いがかかるようしとこうとな」
「の、ろい…?」
「何の、呪いを……」
こういう風に…不安から身を寄せあうリアの両親を、何も知らない状態で見ていたなら普通の夫婦に見えるのだがなぁ。
ため息が出そうになるのをぐっと堪えた。
「その呪いは………黒膚呪、という。
呪いにかかれば……………………」
ごくり……
「肌がゆー…っくりと黒くなっていき、全身まーっ黒になった時、心臓の鼓動も止まることじゃろう。
さあ、首輪の新たな設定をはじめようかのぅ」
「「………」」
「なんじゃ?
失神した上に失禁まで……。
ちと、黒い顔になっていたのかのぅ?」
そう口に出せば、側にいた騎士シェムーセ・バルーチェスが顔を少しだけ強ばらせて、わしの独り言に対して答えた。
「オルトゥム殿…笑顔でしたが目が笑っておらずそれに……威圧感が増すように魔力が自然と漏れ出ていました。
……私も少々危なかったです」
………うむ。
可愛いリアを、売ろうとしたことが頭のどこかにあるせいかのぅ…?
「無意識に力を出してしまってすまんかったのぅー。
さて、意識がないうちに術をかけとこうかのぅ。
さっさと終わらして、リアの美味しいご飯とデザートを食べるんじゃ~」
* * *
「隊長、ご報告します」
「ああ」
「えー、建物内外ともに失神者10名、失禁者…4名とのことです」
「はぁ……情けないととるべきかしょうがないとするべきか。
だが、オルトゥム殿のほんの少しのお力が漏れ出ただけでこの結果なら………やはり鍛え直さなくてはならんな。
あれはその数の中に含まれているのか?」
「……いいえ。
彼はケロッとしておりました」
………。
「そうか……ラフィートはこれからもっと強くなっていくだろう。
……………妹殿の為に」
「あの……もし、ラフィートがその妹さんに会っても大丈夫でしょうか?」
大丈夫か、大丈夫じゃないかといえば大丈夫じゃないだろう。
ただ、あのオルトゥム殿と一緒に暮らせる妹殿も普通ではないのでは?という考えもある。
「さあ、妹殿次第じゃないか?」
「……ラフィートの妹さん、どうか強く生きてください」
………私も願っておこう。
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