始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第1章 迷々の森

33.行ってきます!

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3話目は少し短めです(・ω・)

──────────────────




圧死しそうになった誕生日が過ぎたある日のこと。



「リアや、わしと一緒にちょっと旅行に行かんかのぅ?」



「旅行?」



「そうじゃ、ちょっとした世界一周旅行じゃ」



へー、ちょっとした世界一周旅行ねぇー……って。



「世界一周旅行はちょっとしたとは言わないと思うよ?!」



「えー?

ほんの何十年くらい行くだけじゃからちょっとでいいと思うなぁー、わしは」



「ロド兄は〝不 老 不 死〟だからちょっとになるのかもしれないけど、私はちょっとじゃ済まないわ!」



「おろ?

そう言えば言っとらんかったか。

リアは魔力が多いし神の愛し子じゃから普通に超長寿じゃよ?」










ななな



なんですとー?!










びっくり仰天な事を聞かされ、思考停止から現実に戻ってくるまで、10分はかかったんじゃないかなぁー。



「私、どのくらい長寿なの?」



「そうじゃのぅ、わしの推測ではアヴィルト位かローゼス達位か、かのぅ?」



アヴィの種族は妖精族狼種で寿命は平均で5000年だっけ?

ティア兄達の種族は龍人族で寿命は……ほぼ不老不死みたいなものじゃなかった?



「私って…人族?」



「一応、人族じゃな………今は」



「一応…?

私、将来的に何かに変わるの?」



「んー……わからんよ?

ほれ、あれじゃよ。

いずれリアも結婚すれば、種族変化があるかもしれんから、わからんと言ってるだけじゃ」



あー、そういう意味なのか…。

あれ?

種族図鑑に、人族の寿命が魔力によって違うって記されてなかったような......。



「ロド兄著書の種族図鑑に、人族の寿命に関して魔力による寿命変化って記載されてなかったと思うんだけど………。」



「………あれ?

書いとらんかったかのぅ?





ほっほっ………後で修正せねば」



……………えー。







      *  *  *







ロド兄の種族図鑑に記載忘れが発覚しましたが、今私は旅行の為の荷造りをしています。

寿命が長いなら、世界一周旅行に行ってもいいかなって思いましてね。



「リア、これは?」



「あ、持ってくー!

ありがと、アヴィ」



一緒に荷造りを手伝ってくれてるアヴィも、もちろん一緒に行きます。

あ、ヒナもね!






      *  *  *






「リアや、忘れ物はないかのぅ?

あったとしてもすぐに戻ってはこれるがのぅほっほっ」



「うん、大丈夫!」



森の家の前で、荷物の確認作業中です。

今日は、いよいよ世界一周旅行への出発日です。

旅行ってやっぱりドキドキわくわくですね。



「戸締まりも確認したし……行くとするかのぅ」



「い っ て き ま ー す !」









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