始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第1章 迷々の森

30.因果応報ですね

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1話更新です(^^)/
もう1話書けたら更新、書けなかったら明日更新…です(^^ゞ

──────────────────




あの、性別の質問により空気が微妙なものになったが、パガードさんの涙は止まりましたし、よかよかです。

あ、性別は男性だそうです。

なぜ性別を聞くのか問われたので、ラスをひっぱり紹介し納得を得た。

ラスが少々鬱化したが、クッキーを口に突っ込めば治ったのでいいでしょう。



「そういえば、どうしてナクゥートという家名を聞いて驚いたり泣いたりしたんですか?」



「それは…………君がの子であり被害者でもあるからだよ。

私は、血縁上君の叔父に当たる。


君たちに気づかず放置し、本当に申し訳ない…」



なるほど………の弟、ね。

あー、うん。

言われてみれば似てる、かもね。

………この人、まともに見えるんだけど…あの母はどうしてお花畑化したんだろう?



「あのー、あの人ってどうしてあんなお花畑化したんですか?

あなたはまともでしょう?

だって今、いられるんだもの」



え?って顔してる。

うん、精霊が見えてないからわからないよね。

リアも見えないから、ロド兄とかに言われなきゃわからなかったもの。



「そうじゃのぅ、精霊たちがリアに会わせても良いと判断した、ということじゃろ。

じゃなきゃ、リアには会えず呪いで自然と一体化していたじゃろうなぁ」



「精霊が………。

君は精霊たちに愛されているのだな…。



私が、まともなのはきっと姉の事が要因となっている。

私は、姉が追放された時3歳だった。

今思えばあの当時、屋敷内の雰囲気がおかしかったのだとわかる。

そして、私についてた者が変わったり家庭教師がついたり、後は…母を屋敷で見かけなくなったな。

10歳になり、父や兄から姉のしでかしたこと、を聞いた」



しでかしてること…私たち兄弟妹きょうだいの商品化のことが発覚したことかな?

10歳ですか………この人もなかなかあの人に振り回されてる苦労人なのかも。

ということは、今20歳なのかな?



「10歳であれを聞かされたんですか……。



あの、なぜあなたの母親はいなくなったのですか?

あと、あなたの父親とお兄さんはまともな人なのでしょうか?」



「…母は、姉が可愛くて相当甘やかしていたらしく何でも叶えていたそうです。

父は、跡継ぎである兄の教育をしていて姉の教育は母に任せっきりにしたそうで、そのため父が姉に会った時は甘やかしてるなど知らなかったので普通に可愛がっていたとか…。

ですが、姉が16歳、兄が10歳そして私が3歳の時に姉の追放が起き、母の甘やかしが発覚して離縁となり母は実家へと戻ることになりました。

父は…姉に面立ちが似た私に同じ母の害がないよう離縁を選んだようです。



父も兄もまともですよ。

……あることを除けば」



……最後に言ったことに不穏な何かを感じますが、私のスルースキル発動です。

えー、母親が甘やかしあの立派な(?)お花畑に成長とな。

そして、父親とお兄さんはとある一部分を除きまともである、と。



「そうですか……では、2つほど聞きたいこと言いたいことがあるのですが、いいでしょうか?」



「ああ……何かあるならば言ってくれて構わない」



「では、1つ目。

あなたはご自分がどこの誰に呪いをかけられ、そしてそのかけられた原因を知っているのですか?」



リアに問われれば、悲しい表情を浮かべた。



「知っている。


呪いをかけた者は………私の母だ。

私に会いたいと手紙が来て、父に判断を仰げば私も20歳になってるから母にどうこうされることもないだろうと。

結果、呪いをかけられてしまったがね。

呪いをかけられた原因は………ただの逆恨みだよ」



「逆恨み……?」



「あぁ、母にとって姉が可愛くて仕方がなく今もそれは変わらないらしい。

そんな可愛い姉を追放し、自身も離縁され実家へ戻され肩身の狭い思いをし…そして母はこう考えたんだ、パガード家が全て悪い、と。

それでパガード家代表して私を呪ったそうだよ。

あと、なぜ10年も経ってから呪いをかけたのかは呪いの材料の資金集めと魔力を貯めるのに時間がかかった、と言っていたよ」



え……呪いの材料って貴族であればポンッと軽く出せちゃうくらいの金額だったはず…。

魔力は…貴族の人だと結構あるって聞いてたんだけどなぁ。



「はは……うん、君も疑問に思うよね?

母は出戻りで肩身が狭く、再婚も現段階では無理、実家の温情で修道院は免れたがお金は好きに使えない。

そうなると、元々持っていたものを売るしかない。

でも、売るには動かないといけない。

で、側にいるものを買収し動かし少しずつお金を集めていった。

買収の仕方は……うん、知らない方がいい。

お金はそんな感じで集め、魔力に関しては……母は貴族にしては少なくて魔石に少しずつ貯めていったそうだ。

そして、全てが揃い母は実行に移し私は呪われた」



「……なんだか、残念な人ですね。

そこまでする時間があったなら、別の道も開けていたのでしょうに………本当に残念です。




ふぅ…では、あともう1つは言いたいことなんですが……

ご当主様に伝えてください。

なぜ、追放後監視を怠ったのか。

なぜ、追放すれば終わるとしたのか。

監視をしていれば、私の兄たちは売られる前に助けられ、奴隷というものを知ることはなかったでしょう。

もし、可能であれば私以外の兄弟妹きょうだいたちが何か困難なことが起きた時、そうとわからないよう助けてあげて下さい。

お願いします。

言いたいことは以上です」



ふぅ、言えてスッキリ。

…アヴィさんや、なぜ頭を撫でるのでしょう?



「君は……?

君が困ったときは助けなくても良い、というのかい?」



「え、私ですか?

私は…もう助けてくれるだろう人たちが側にいるので、必要性を感じないだけです」



そう言えば、ロド兄やラスが笑顔で頷き、アヴィは……後ろから抱き上げられリアの頭に高速頬擦りをしています。

禿げたらどうしてくれよう…?



「……そのようだね。

うん、でも…もし君に何かあればパガード家は助けるよ。

…私は命も救われたしね」



「……んー、まぁいっか」



これ以上何か言うのも面倒臭い。

何もなければ、関わることもないだろうし…うん。



「お前……これ以上は面倒だ、とか考えてないか?」



「……ラス、人の心を読んじゃいけないよ」



あ、ラスにため息吐かれた。



「マークゥル・パガードよ。

お前さんの姉の娘であるラフィリアが、先程告げたことはきちんと伝えるんじゃぞ?



それと…お前さんの母はリアの解呪薬によって返され………もう人ではなくなっていることじゃろう」



「ちゃんと伝えます。



母は結局自分を呪い殺したような結果になりましたが、私への呪いが成功していたとしてもきっと…父や兄が報復し命を断たれていたことでしょう」



おぅ……やっぱり人を呪えば報いあり、だね。





















『あの男は、可哀想だったから助かるようリアに出会わせた』



『うん、貧乏、クジ、引き、まく、り』



『あれ…ちょ…うど…庭に…出てて…呪い…返し…来た』



『あー、一気に呪いが進んだから立ったまま服そのままで植物になってたよね』



『庭、騒然』



『呪…いは…必ず…かけ…た者…に返る…もの…である』



精霊たちは、リアだけじゃなく他の者たちのこともよく見ています。

それが、この世界の精霊たちの仕事の一つだったりします。





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