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第1章 迷々の森
26.なぜ真っ白?
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2話目でごさいます☆彡
────────────────────
何だかんだ無事(?)朝を迎え、ラスとリアでヒナを愛でつつロド兄を待っていた。
ヒナの可愛さにラスもノックアウトだね!
アヴィ?
……アヴィは、リアを抱き締めて…ラスを威嚇中?
「たっだいまなのじゃ~!
頑張って用事を済ませてきたから約束のご飯とお菓子を頼むのじゃ~!
……お?
ライちゃん来とったのかのぅ?
相変わらずの真っ白美少女じゃな!」
「どうせ…どうせ……俺は……………」
ロド兄が騒がしく帰ってきたかと思えば、ラスの負のスイッチ即ポチッと押したよ。
会ったらいつもこの流れなんだろうか…?
* * *
「うんまぁ~い!
わし、このために頑張って良かったのじゃ………っ!」
「昨日もうまかったがこれも凄くうまいな!」
ふぅ……どうやらまた食べることで鬱々が消えたようで良かったー。
あ、ロド兄もう食べ終えそうだし、デザートのダブルシュークリーム出すかな。
「あまうまーっ!
リアや爺はこれで生きる気力増し増しなのじゃ~」
「俺もそうです!
ロドクス様!」
………幸せそうですね、お二人共。
顔、拭かないとクリームですごいことになってますよ?
「リア、美味しい」
そう笑顔で言ってきますが……アヴィ、あなたもですか。
「もう……アヴィも口周りにいっぱい。
んしょ………よし、きれいになったよー」
アヴィのお口周りをきれいに拭いてあげれば、アヴィが嬉しかったのかぎゅーっと抱き締めてきた。
「ロドクス様。
あれっていつもなんですか?」
「うむ。
あれはあの二人の通常らしいぞ?
普通にイチャイチャじゃと、わしは思っとるがのぅ」
「はぁ……」
そんな風に小声でやり取りしていたのはリアだけ気づかなかった。
* * *
「そうだ!
昨日も思ってて聞き忘れちゃってたんだけど、ラスの格好って何で真っ白なの?
ラスの趣味?」
「これの意味、か。
俺、こんな容姿だからよく男から………たまに女を好きな女からも、襲われたりしてるんだ。
それで、それを防ぐためにこの格好になった」
「つまり……それは魔術が付与された品たちということですか。
んー、でもそれって白じゃないといけないという何かがあるの?」
そう疑問を口にすれば、ロド兄がラスの代わりに答えてくれた。
「これに使われてる素材が特殊なんじゃ。
これは、邪な想いや悪意あるものを寄せ付けない純粋さを好む性質を持っといてのぅ。
ほれ、ローゼスが冬眠していたという山にな生えとる白い植物で、真白綿草と呼ばれとる。
図鑑に載っていたはずじゃが…まだ後ろの方まで見とらんか」
「うん、まだ中間くらいまでしか見れてない。
その真白綿草って、もしかしてその性質上白以外の色にならない、とか?」
「そういうことじゃ」
なるほどー。
ん?
なら、汚れないってことでもある?
「ラスー、それ着てから泥に汚れたり臭ってきたりとかってする?」
「汚れ?
……そういえば、ないな。
靴も汚れてない、においは……一度も洗ったり浄化魔法もしてないのに臭わないな」
「それってすごいかも!
私もその真白綿草で何か作ろうかな?」
「リアや、浄化しちゃえばきれいになるぞ?」
「んー、それでも作っておいて損はないと思うんだよね。
ロド兄、その山ってこの森から出なくちゃ行けないのよね?」
「そうじゃ。
じゃからリアは今はまだ行けないのぅ」
やっぱりそうよねー。
上級編全てクリアしてないものねー…。
ここから出れるようになったら、取りに行って作ろうかな?
「リアはこの森から出られないのか?
それなら、俺の持ってる真白綿草やろう。
昨日から食事やらで世話になってるからな」
なんと、こんなにいっぱいくれるとですか?!
でも…昨日今日との食事でこんなに貰うのは、なー。
「ロドクス様。
暫くこちらで過ごす許可をいただけませんか?」
「ええぞ~。
なんぼでも過ごすがいい」
「…と、いうことだからこれはこれから暫く厄介になる世話賃、という事で受け取ってくれ」
ラスってば、リアが気兼ねすると思って……っ。
いい人ーっ!
「ラス、ありがとう!」
「どういたしまして?」
ラスと笑いあっていたんだけど………アヴィ?
お腹が地味に絞まってる……!
アヴィの腕をひたすらタップし、なんとか弛めることに成功した。
リアがホッと息を吐いている頭上でアヴィが鋭くラスを睨み、その睨みをラスは笑顔で受け流していたなんて気づかずにいた。
「ライちゃんってば、アヴィをからかうのはほどほどにな?
じゃないと危険じゃよ?」
『白いのなかなかいい性格してる』
『アヴィ、からか、うなんて、危険、なのに』
『リア……にぶ。
白い…のほん…とに…から…かい?』
精霊たちの観察は今日も楽しそうですね。
報告が毎回楽しみです。(by精霊王…の秘書)
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何だかんだ無事(?)朝を迎え、ラスとリアでヒナを愛でつつロド兄を待っていた。
ヒナの可愛さにラスもノックアウトだね!
アヴィ?
……アヴィは、リアを抱き締めて…ラスを威嚇中?
「たっだいまなのじゃ~!
頑張って用事を済ませてきたから約束のご飯とお菓子を頼むのじゃ~!
……お?
ライちゃん来とったのかのぅ?
相変わらずの真っ白美少女じゃな!」
「どうせ…どうせ……俺は……………」
ロド兄が騒がしく帰ってきたかと思えば、ラスの負のスイッチ即ポチッと押したよ。
会ったらいつもこの流れなんだろうか…?
* * *
「うんまぁ~い!
わし、このために頑張って良かったのじゃ………っ!」
「昨日もうまかったがこれも凄くうまいな!」
ふぅ……どうやらまた食べることで鬱々が消えたようで良かったー。
あ、ロド兄もう食べ終えそうだし、デザートのダブルシュークリーム出すかな。
「あまうまーっ!
リアや爺はこれで生きる気力増し増しなのじゃ~」
「俺もそうです!
ロドクス様!」
………幸せそうですね、お二人共。
顔、拭かないとクリームですごいことになってますよ?
「リア、美味しい」
そう笑顔で言ってきますが……アヴィ、あなたもですか。
「もう……アヴィも口周りにいっぱい。
んしょ………よし、きれいになったよー」
アヴィのお口周りをきれいに拭いてあげれば、アヴィが嬉しかったのかぎゅーっと抱き締めてきた。
「ロドクス様。
あれっていつもなんですか?」
「うむ。
あれはあの二人の通常らしいぞ?
普通にイチャイチャじゃと、わしは思っとるがのぅ」
「はぁ……」
そんな風に小声でやり取りしていたのはリアだけ気づかなかった。
* * *
「そうだ!
昨日も思ってて聞き忘れちゃってたんだけど、ラスの格好って何で真っ白なの?
ラスの趣味?」
「これの意味、か。
俺、こんな容姿だからよく男から………たまに女を好きな女からも、襲われたりしてるんだ。
それで、それを防ぐためにこの格好になった」
「つまり……それは魔術が付与された品たちということですか。
んー、でもそれって白じゃないといけないという何かがあるの?」
そう疑問を口にすれば、ロド兄がラスの代わりに答えてくれた。
「これに使われてる素材が特殊なんじゃ。
これは、邪な想いや悪意あるものを寄せ付けない純粋さを好む性質を持っといてのぅ。
ほれ、ローゼスが冬眠していたという山にな生えとる白い植物で、真白綿草と呼ばれとる。
図鑑に載っていたはずじゃが…まだ後ろの方まで見とらんか」
「うん、まだ中間くらいまでしか見れてない。
その真白綿草って、もしかしてその性質上白以外の色にならない、とか?」
「そういうことじゃ」
なるほどー。
ん?
なら、汚れないってことでもある?
「ラスー、それ着てから泥に汚れたり臭ってきたりとかってする?」
「汚れ?
……そういえば、ないな。
靴も汚れてない、においは……一度も洗ったり浄化魔法もしてないのに臭わないな」
「それってすごいかも!
私もその真白綿草で何か作ろうかな?」
「リアや、浄化しちゃえばきれいになるぞ?」
「んー、それでも作っておいて損はないと思うんだよね。
ロド兄、その山ってこの森から出なくちゃ行けないのよね?」
「そうじゃ。
じゃからリアは今はまだ行けないのぅ」
やっぱりそうよねー。
上級編全てクリアしてないものねー…。
ここから出れるようになったら、取りに行って作ろうかな?
「リアはこの森から出られないのか?
それなら、俺の持ってる真白綿草やろう。
昨日から食事やらで世話になってるからな」
なんと、こんなにいっぱいくれるとですか?!
でも…昨日今日との食事でこんなに貰うのは、なー。
「ロドクス様。
暫くこちらで過ごす許可をいただけませんか?」
「ええぞ~。
なんぼでも過ごすがいい」
「…と、いうことだからこれはこれから暫く厄介になる世話賃、という事で受け取ってくれ」
ラスってば、リアが気兼ねすると思って……っ。
いい人ーっ!
「ラス、ありがとう!」
「どういたしまして?」
ラスと笑いあっていたんだけど………アヴィ?
お腹が地味に絞まってる……!
アヴィの腕をひたすらタップし、なんとか弛めることに成功した。
リアがホッと息を吐いている頭上でアヴィが鋭くラスを睨み、その睨みをラスは笑顔で受け流していたなんて気づかずにいた。
「ライちゃんってば、アヴィをからかうのはほどほどにな?
じゃないと危険じゃよ?」
『白いのなかなかいい性格してる』
『アヴィ、からか、うなんて、危険、なのに』
『リア……にぶ。
白い…のほん…とに…から…かい?』
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