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夢々(むむ)

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第1章 迷々の森

14.家事魔道具④

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今日が更新できました(^-^)
お気に入りさんが増えてて気持ちが浮上しました。
ポチッと押してくれてありがとうございます(・ω・)ノ
─────────────────



今日は、家事魔道具を作りましょう!

そうそう…あれから、ティア兄がここに泊まっています。

でも、元々ティア兄専用のお部屋があるようなので、そう珍しいことではないみたい。

それと、何が楽しいのかリアにものすごく構ってきます……ロド兄並に。

ふふふ…。



「あら、何か面白いことでもあったの?」



「んー?

あー、今日こそ家事魔道具作りを再開しようと思って。

何を作ろうかなーってね」




うん…何がいいかなー?

んー……あー…お?

そうだ、調理家電系とかいいかもしれない!



「そのなかでも……んーとまずは、ハンドミキサーなんてあるとお菓子作りが、気軽に家庭で作れるようになるかも!」



「ハンドミキサー?」



「えーと、どう言えばいいかなー?

よーくまぜまぜもしくはー、こまかーいアワアワの料理やお菓子が楽に作れる道具って言ったら……伝わる?」



伝わるように頑張って説明していたのだが、ティア兄は頬を赤らめプルプル震えていた。

それにしても……人ってこんなに全身を震わすことができるということを、初めて知りました。

…………なんだろう、今のティア兄からロド兄と同じようなものを感じる、あれだよあれ、スルーしたくなるようなことを言うかするかっていうやつ。



「リアってば可愛すぎるわ~。

そのしぐさと言葉!

わざと?

わざとなら小悪魔ちゃんね!






もう、食べちゃいたい……じゅるり」








「…………。




ンジャ、ハンドミキサーツクッテミヨウカナー」



魔道具を作る部屋へと、さっさと行きましょーう。





パタパタパタ……





「あら…?

もしかして流されたのかしら?」










      *  *  *









「さぁー、まずは道具の元となる器とか作らなきゃ!」








……何でしょうか?

さっき?

はて……なんでしょうか。

最近、何でか忘れっぽいんですよねーあははー。








私は、ただ、魔道具を作るのみなのです。








「んーと、軽く丈夫な安い素材…これでいいか。

ではではー、これをあの形に形成しちゃいましょう!



想像が大事……『錬成』」



いつものキラキラエフェクトが終われば、ただの素材がハンドミキサーへと姿を変えたものがそこにあった。



「やったぁー!

想像がちゃんと形に…っ!

あとは、想像する前に素材に付与した風属性の効果がちょうどいいかどうか…。



ここは試すっきゃないよね~。



あ、でも先に計量するためのものも作らないと!」









   * * *









ラフィリアの3分(?)クッキングー!




「今日、作るのはふわふわシフォンケーキです。

材料は、卵(大きめ)4つ・小麦粉75g・モー乳(水でも可)70cc・油40cc・砂糖70gです。


では、はじめに卵を卵黄と卵白に分けましょう。

それが終わったら、卵白とお砂糖(50g)を混ぜメレンゲを作ります。



ビィィィンッ



この時、お砂糖は3、4回に分けて入れ、角が立つまで泡立てます。

あ、良い感じに速度も調節できる(ボソッ)

メレンゲができましたら、卵黄と残りの砂糖(20g)を白くもったりするまで泡立てます。



ビィィィンッ



これでも、お砂糖は2、3回に分けていれましょう。

白くもったりした卵黄に油・モー乳を入れ混ぜたら、ふるった小麦粉を少しずつ入れよく混ぜます。



おー、良い感じに混ざってる混ざってる~(ボソッ)



そしてできたものを先程作ったメレンゲに2、3回に分けて入れます。

この入れた後、メレンゲを潰さないよう混ぜるのが大事です。

そして、この入れ物に出来た生地を流し入れます。

入れ終わった後、2、3回この入れ物を少し浮かせてテーブルに落とすという空気抜き作業をしてください。



トン  トン  トン



そうしたら、温めておいたオーブンへ入れ30~35分やきます。

あ、途中で開けるのは絶対にしてはいけません。



......あとでオーブン改良版も作らなきゃダメね(ボソッ)。










焼き上がりましたら、こう入れ物をひっくり返しこのまま冷まします。



はぁ…いい匂い~ってまだ出来てないからロド兄とティア兄入ってきちゃダメ~ッ!



冷まし終えたら、入れ物から綺麗に離すためこうグルっとナイフを入れます。

そうして入れ物から出し、お皿に乗せれば完成です。








「てな感じで使うものなの。

どう?

ふわふわしててほんのり甘くて美味しいでしょー?」



「「リア!

ふわふわで美味しい(のじゃ)!」」


「がうがーうがぁう~」



「ふふ~ん。

流石はハンドミキサー様々ですね!

今度は満足いく魔道具になったぁーわぁい」






しかしこの後からリアは、毎日シフォンケーキをせがまれ作らされることになる。

そして、作らされ続けたリアはというと…………




キレた。



「毎日毎日…シフォンケーキばっかじゃ飽きるし何より疲れるっ!

そんなに食べたいなら自分で作ってよ!

もう知らないっ!!」



キレたリアは二人と口を利かなくなり、さすがにリアと口を利かないのはキツく辛いため、二人は必死に謝っていた。



「「リア~、いっぱい作らせてごめんなさい(なのじゃ)~、口を利かないのは辛い(わ・のじゃ)~、お願いだからわし・私とお話して~」」



16歳の成人はしている少年と良い年した見た目きれいな女性が、10歳の少女に鼻水と涙でぐしょぐしょにしながらすがるのはちょっとどうなんだと、怒りから引き気味の呆れに変化してしまったのはしょうがないですよね?










『リアものすごく引きつった顔ね。

残念が一人から二人に増えた?』



「がーうー」



少し離れたところで精霊と妖狼くんが、同じく二人を残念なものとして見ていた。

妖狼くんも同じくシフォンケーキを気に入ってはいたが、決して二人のようにせがむことはしなかった。

リアならば、またすぐにでもきっと作ってくれるだろうと思っていたからだ。

でもあの二人は……。



『ロドクス、リアのことわかってるくせにあーゆーことするー。

でも、ティアローゼスもわかっててしてる、かも?』



「がうー…」



なんとも言えない空気が漂った中、一匹と一人(?)は三人を見続けた。








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